年末年始の挨拶や式典の御礼品として、会社の大切な取引先やお客様へ贈答品をお渡しする機会があるかと思います。皆さんはどのような贈答品を作っていますか。実際に担当されている方とお話をしてみると「せっかく作るのであれば日々使ってもらえるものが良い」「社名を入れたものを渡して喜ばれるのだろうか」「会社名を入れるだけではなく、もっと自社についての情報も知ってもらいたい」というようなお声をよく聞きます。
贈答品を作るうえで最も重要なのは、贈答品を贈る《目的》です。この目的が明確でないと贈る側も受け取る側も満足につながることはないでしょう。そこで、今回は弊社が今までお取引してきた企業様とのやり取りの中でお伺いした贈答品を贈る際によくある目的について事例をご紹介します。
目次
1.贈答品を渡す“目的”はなぜ大切なのか
贈答品を作る際に細かい目的設定を忘れてしまうことが多くあります。そして、初めのうちはしっかりと決めていても、時間が経つと曖昧になりがちです。そのため、まずは目的を改めて明確にしてみてください。何のために作成し、何を達成したいのか、しっかりと考えてみましょう。はじめに明確にしておくことで、その目的に合った贈答品を作ることが可能になり、しっかりと効果を出すためのカギとなります。
贈答品を贈る目的は決めるものの、簡単に設定してしまう方も多いのではないでしょうか。
たとえば、①関係性を構築したい②顧客を増やしたい③自社を知ってもらいたい、などがあります。しかし、目的をより具体的に設定しようとすると、意外と難しいものなのです。
贈答品を作る際の失敗例としてよく聞くのが、安易に目的設定してしまいせっかくの贈答品が効果を発揮せずただのばらまきになってしまったという例です。ばらまきになってしまわないように、細かく目的を設定していきましょう。
では、贈答品を贈る具体的な目的はどのようなものがあるのでしょうか。いくつかの事例をご紹介します。
2.目的① 長年お付き合いしていく中で、より強い信頼を勝ち取っていく
新規のお客様を積極的に獲得していくのではなく、長年お取引をしているお客様を大事にして信頼関係を築いていきたいと考えているA社の事例です。
こちらの会社は年末年始のご挨拶回りの際に毎年同じものを取引先にお渡ししています。あえて毎年恒例の贈答品をお渡しして、自社のことを思い出してもらっています。過去には毎年同じものをお渡しするのではなく違うものを作ってみてはどうかという話し合いにもなったそうですが、A社から毎年もらうことができる恒例のものとして楽しみにしているお客様もとても多いとのことです。
会社の長い歴史の中で、長いこと取引をしている取引先やお客様を大事にしていきたい。年末年始の定番の贈答品をお渡しすることで、コツコツとお客様と接点を持ちながら信頼を勝ち取ることを目的とした企業です。毎年同じ贈答品を作成していると、飽きられてしまっているのではないかと考えがちです。しかしお客様と対話をして特性を理解することで、適正な贈答品を作成することが出来るのです。
3.目的② 顧客起点の贈答品で「ファン作り」を!
お客様へ自社商品や業界全体を好きになってもらいたいと考えているB社。「ファン作り」ということを重要視しているため、贈答品の内容にしっかりとこだわりを持って作られています。ただ物を売って売上を上げることだけが目的ではなく、自社商品のことをより詳しく知って好きになってほしいと考えているため、お渡しする贈答品に使われる方が便利だと思ってもらえる自社商品の情報を入れてお渡ししています。さらに日常的に使えるものを選ぶことで、贈答品から様々な情報を届けて興味を持ってもらいたいと考えています。
お客様にお渡しするもので「ファン作り」を行うことは重要であると捉えているB社。贈答品を時間をかけずに作ろうと思えば、それもできます。ですが、それではなかなかお客様にファンにはなっていただけないでしょう。 継続して自社のファンでいてもらうために「日常から使うことが出来て、さらに様々な情報が与えられるもの」というこだわりをしっかりと持って贈答品を作られています。そのこだわりこそがファンを生み続ける秘訣なのでしょう。
4.目的③ 感謝の気持ちを込めて、長年愛着を持って身近に感じてもらうために
大学Cでは、寄付をしていただいた方への御礼品として贈答品をお渡ししています。大学の存在を肌身で感じてもらうものをお渡ししたいという想いがあり、大学のスクールカラーを基調とした本革の小物を作成しています。長年お使いいただくことで味わいを感じ、愛着を持ってほしいという想いが贈答品に込められているとのことです。大学を感じさせる色合いと上質感を漂わせる素材にご担当の方も非常に満足されています。また見た目だけでなく手触りも良く、実際にご利用いただいている方からもお喜びの声を頂いているようです。渡したその瞬間だけでなく、お渡しした後の関係性も考えられて贈答品を作られている事例です。
贈答品をお渡しするタイミングは一瞬です。そのため、渡して終わりになってしまっては、お渡しする意味や記憶が薄れてしまうこともあります。今だけでなく、その先も関係性を構築していくということを意識することは、お取引先やお客様と長くお付き合いを続ける重要な要素となるでしょう。
5.さいごに
魅力的な贈答品を作成する際のポイントとして、まずはしっかりと『目的』を明確することが最も重要です。目的が明確化されると、実際にどのようなものを作成したら効果を出すことが出来るのかを考えやすくなるかと思います。今回は3つの目的を事例としてあげました。これらの目的は、簡単そうで似ているように見えますが、じっくりと考えてみると全く違います。みなさんも改めて、贈答品をお渡しする『本当の目的は何か』を考えてみてください。そして、目的が明確化され、どのようなものを作るか悩まれた際は贈答品作成の会社にお気軽に相談をしてみてください。
贈答品の大前提として、お渡しする相手へ「感謝の気持ちを伝えること」「もらって喜んでもらえるもの」という気持ちでお渡しするものです。この視点も忘れないようにしていただき、目的に合わせた効果的な贈答品を作っていってください。