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手帳指導コラム

NOLTYスコラ プログラム

中学校・高校の「手帳」に関する記事をまとめています。

2025.08.05

”AI活用で進路支援の質向上と効率化をサポート” NOLTYスコラ 副担任mirAI 導入事例 ~上野学園高等学校~

上野学園高等学校では、2025年度より教員の業務負担軽減と進路支援の質の向上を目的として、「NOLTYスコラ 副担任mirAI 志望理由書作成サポート」(以下、副担任mirAI)を導入しています。進路部長、3学年担任の先生方、そして生徒の皆さんに、副担任mirAIの導入によって実際にどのような変化があったのか、感想をお伺いしました。

先生の声

(左)稲田 寛二 先生(高校3年 担任) 
(右)小林 賢太 先生(進路部)

生徒理解と進路支援効率化のために副担任mirAIを導入

副担任mirAIを導入した理由は大きく二つあります。一つ目は、本校の生徒支援の軸となる「対話」をより充実させたいという想いからです。生徒の多くは、自分の考えや気持ちを言葉で表現することに苦手意識を持っています。私たち教員は、そうした生徒の想いを丁寧に引き出し、言語化をサポートする役割を大切にしてきました。しかし、現実には1クラス約28人もの生徒がいるため、一人ひとりとじっくり向き合い、それぞれの考えを深く理解しながら指導するには、どうしても時間が足りません。副担任mirAIを導入すれば、AIを活用して複数の生徒を同時にサポートできるため、より細かい対応や指導の効率化が期待できます。こうした点に大きな魅力を感じ、導入を検討しました

志望理由書添削の現状とmirAI導入による変化

本校では、学年の6〜7割の生徒が進学時に志望理由書の提出を必要としています。今まで、その作成や添削の方法はさまざまで、紙に書いたものを郵送して添削を受けたり、志望理由書の書き方をレクチャーする講座を受けたり、自己分析の材料を集めるワークショップをしたりと、学年ごとに異なる取り組みが行われてきました。例年、何かしらの方法で志望理由書作成のサポートは行われていたものの、統一された方法はありませんでした。

志望理由書の作成過程の中で一番大変だと感じていたのは、面談などを通じて「志望理由に記述する内容を明瞭にしていくことでした。本来、それこそが教員の大きな役割ではありますが、一人ひとりの生徒とじっくり時間をかけて進めるには限界があります。

副担任mirAIを導入したことで、AIのサポートによって生徒自身で、ある程度形になった志望理由書を作成することができます。そこに教員が加わって添削や指導を行うという流れが生まれるため、教員の負担が減り、限られた時間の中でも質の高い支援が可能になりました。

文章力と面談の質が向上

これまで生徒が書いてきた志望理由書をはじめて読んだとき、「内容以前に文章として基礎ができていない」「多くの書き直しや添削が必要」と感じることが多々ありました。実際、内容指導に入るまでに2~3回のやり取りを重ねることも珍しくありませんでした。

その点、副担任mirAIを使うことで、最初からある程度整った文章で提出されるようになり、添削や指導の効率が向上しました。はじめて受け取る生徒の志望理由書についても、以前よりずっとレベルの高いものに仕上がっていると感じます。

具体的には、まず文章全体の論理性が高まったと感じます。以前は「野球が好きだからスポーツ関連の学部に行きたい」といった曖昧な表現が多かったのですが、副担任mirAIを通じて書かれた志望理由書は、「野球の試合を分析することが好き」といったように、より具体的かつ能動的な動詞を使った表現になっています。生徒のストーリーや個々の体験が文章に表れ、志望理由書として説得力が増したと感じます。

また、面談を行う際にも、副担任mirAIでの対話履歴を確認できるため、生徒の興味関心や思考のクセを事前に把握した上で話ができるようになりました。「野球が好きなんだね」といった具体的なエピソードから面談を始められることで、より深い対話ができるようになりました。副担任mirAIの導入によって、生徒の文章力だけでなく面談の質にも変化が表れていると思います。

面接練習にも対話が役立つ

志望理由書が完成してから面接練習へと進みます。本校では、進路支援の一環として面接対策用の冊子を用意しており、そこには基本的なマナーや、よくある質問への答え方などを記入できる欄を設けいています。生徒は、この冊子の中で、志望理由書に書いた内容を改めて整理し、自分の言葉でまとめます。

このプロセスにおいても、副担任mirAIを活用して志望理由書の作成や自己分析を行ってきた経験が大いに役立つと感じています。事前に深堀した内容を冊子にまとめることで、面接時の受け答えへの自信や説得力にもつながっています。今後もこの流れがより円滑に進むことを期待しています。

自信を持って進路支援ができる

教員として副担任mirAIを活用できてよかった点は、「自分の進路支援が正しいのかどうか、ダブルチェックできたこと」です。私は社会人経験があり、就職活動の面接もしっかりやってきました。その経験から“こうやればうまくいくだろう”という自分なりのやり方は持っていましたが、学校現場で生徒が同じ方法で本当に通用するのか、正直自信が持てませんでした。ですが、この副担任mirAIと壁打ちするうちに、ファシリテートの方法や受け答え感覚がつかめ、指導の自信につながりました。このような気づきが得られたのは大きなメリットだと思います。

また、「生徒がどこでつまずいているのか可視化できる」点もよかったです。副担任mirAIとの対話のやり取りを見ていると、生徒が内容をスキップしたり、明らかに浅い回答で済ませたりしている部分が見えてきます。ここは深掘が足りないなと事前に把握できるため、面接練習の際に重点的に指導できるのがとても助かりました。履歴で指導のポイントを把握できるのは、教員にとって大きな利点だと感じています。

生徒の声

高等学校3年生 生徒

志望理由書作成で悩みや心配事はありましたか ?

Iさん: 心理学部を学べる大学を第一志望にしています。総合型選抜で受験する予定ですが、志望理由書の書き方も何を書けばいいのかも分からず、今までなかなか取り組めませんでした。高校2年生の3学期に学校で志望理由書の書き方講座がありましたが、それを受けても実際どうすればいいか悩みました。

Hさん: 私は保育や児童学が学べる大学を第一志望にしており、指定校推薦も視野に入れています。私自身、伝えたいことはあるのですが、それを文章にするのがとても難しいと感じています。自分の想いや「なぜこの大学に行きたいか」を言葉にするのがうまくできず、そこで止まってしまっていました。

Nさん: 自分も同じく保育分野を志望していて、総合型選抜で受験予定です。一番悩んだのは、指定された文字数に自分の想いをまとめることです。考えた文章を書き起こしても文字数に足りず、内容をどう増やせば良いかわかりませんでした。

副担任mirAIを使ってみて、具体的にどのような変化がありましたか?

Iさん: 副担任mirAIは入力した回答に対して、「そのエピソードについて詳しく教えてください」「こう思ったのですね」といった流れで深掘してくれるので、ばらばらだった出来事が順序立てて整理でき、自分の体験がストーリーになっていく感覚がありました。

また、AIで添削してもらえるのは便利だなと思いました。志望理由書は、見てもらう人が多ければ多いほど良いと聞いていたので、AIは時間を気にせず何回でも対話や添削がしてもらえるのがありがたいです。

Hさん: 悩みだった「考えを文章にできない」という点も、副担任mirAIで一度自分の言葉で書き出し、それをまとめてもらうことで、自分の考えが整理されたと感じました。副担任mirAIに要約してもらった文章の一部を志望理由書に使えそうだとも思いました。

Nさん:頭の中でバラバラだった情報を、質問に1つずつ答えることで順番に整理できました。AIからの返答を通じて、記憶が整理できたり自分でも知らない一面に気づけたり、「これが志望理由に使えるかも」という発見もあり、役立ちました。

副担任mirAIを使って作成した志望理由書に自信はありますか?

Iさん: 正直、まだ自信はありません。自分で書いたものを読んでも「あまり印象に残らないな」と感じますし、もっと独自性を出さないと合格は難しいのではないかと不安です。抽象的な言葉を使いすぎていた部分も、副担任mirAIと対話する中で具体的な言葉にできる部分もありましたが、まだ「自分らしさ」を出し切れていない気がするのでブラッシュアップが必要です。

Hさん: 私もまだ自信はありません。ただ、副担任mirAIを使わずに書いたときと比べて、文章の抽象的だった部分が、エピソードをたくさん聞いてもらうことで具体的になってきたのは良かったです。今は文章全体を組み立てている最中なのですが、今度は文章量が多くなってしまい、削るところに悩んでいます。

Nさん: 私も文章を書くのが苦手で、自信はあまりないのですが、副担任mirAIを使ったことで 文章の起承転結を組み立てられるようにはなったと思います。ですが、今度は文字数が多くなってしまったので、限られた文字数の中で独自性をいかに出すかが課題です。

志望理由書作成における生成AI活用について、どう考えていますか?

Iさん: 最終的には自分の言葉で表現することが大切だと思います。副担任mirAIのように対話の手助けはしてもらっても、全部生成AIにやってもらうのは違うと思っています。自分でやりきることで自信を持ちたいです。

Hさん: 「これがしたい」という思いは自分にしか出せないので、自分の言葉でまとめたいです。生成AIは便利ですが「すべて任せる」のはちょっと違うかなという考えです。

Nさん: 添削やアドバイスとして生成AIを活用するのは良いと思いますが、書いてもらうだけではなく、自分の文章で自分を見てもらいたいです。志望理由書は「自分を伝える場」だと考えています。

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