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NOLTYスコラ 探究プログラムの導入事例

NOLTYスコラ 探究プログラム

導入校の事例をご紹介します。

将来の選択肢を広げる、キャリア形成に繋がる探究学習
取材日 : 2024.11.20
  • 高等学校
昭和女子大学附属昭和高等学校 

将来の選択肢を広げる、キャリア形成に繋がる探究学習

昭和女子大学附属昭和高等学校では、NOLTYスコラ 探究プログラム MyBiz編を導入いただいています。アントレプレナーシップの育成やビジネス探究に特化した MyBiz編の導入の経緯や、授業づくりにおいて気をつけたこと、また実際に使用してみた生徒の感想をお聞きしました。

都道府県 東京都
学校概要 私立/高等学校

先生の声

生徒のキャリア形成に結び付く探究学習の実現

探究学習をキャリア形成に結びつけたいと考え、教材の検討を始めました。 これまでの探究学習においては、一定の成果を挙げてきたと考えていますが、生徒から キャリア形成にも結び付けていきたいという声がありました。そこで、さらにキャリアに繋がる取り組みを行いたいと考え、2024年度の高校1年生に、起業体験ができる「NOLTYスコラ 探究プログラム MyBiz編」(以下、MyBiz編)を導入することにしました。

「起業」と言われても、正直ピンときていない生徒も多くいました。知らない用語がたくさん出てきて戸惑う場面もありました。しかし、将来、起業するしないに関わらず、社会の仕事がどのように成り立っているのか、会社を経営するためにはどのような配慮が必要なのかなど、そのプロセスを理解することが、進路選択や職業選択の一助になればと願っています。
最近では、学生起業家も増えています。大学を卒業し、会社に就職し、そこで定年まで働くという従来のモデルは変わりつつあります。転職に関するCMも多く見かけるようになりました。そういった時代を生きていかなければならない世代の生徒たちに対して、自分でも何かを立ち上げることができるという自信や、その時に役立つ知識を与えられたらと思います。

また、本校は芝浦工業大学と連携し、実践的な経験を積む機会や、ビジネスプランコンクールに挑戦する場も提供しています。MyBiz編での取り組みがきっかけとなって、生徒たちが想像力を働かせて、様々な取り組みに積極的に挑戦してくれることを期待しています。

最初の雰囲気づくりに苦労した

今年初めてMyBiz編を導入したので、 その教材を使ってどのように授業を進めると生徒たちがより興味を持って授業に取り組めるのか、いかに生徒たちのマインドセットを作るかについて、担任の先生たちが試行錯誤しながらの授業展開でした。
プログラムには動画が含まれているのですが、その動画をただ再生するのではなく、適切な箇所で動画を止めて生徒に考えさせ、意見を発表しあう場面を作るなどの工夫をしました。
授業を進めていく中で、商品やサービスのターゲットを考えるフェーズに入ると、生徒たちから「こんなお店をやってみたい」といったアイデアが沸いてきて、とても楽しんで取り組んでいる様子が見られました。MyBiz編の授業の後、生徒にアンケートを実施した結果、満足度では5段階評価中4が47%で最も多かったです(※以下グラフ参照)。評価5は5.2%ではありましたが、半数以上の生徒が興味を持ったことがわかりました。このようにプログラムを通じて、起業することに対する生徒の興味関心を引き出せた点が良かったと感じています。

今回はテキストにそって授業を展開しましたが、テキストの具体的な内容に取り組む前に、おもしろそうな事業ややってみたいことなどを自由に考え、その後で、それを実現するためにはどうすればよいのか、という授業の流れにすると、より効果的だったのではないかと考えています。

▲アンケート結果

アントレプレナーシップ教育は世の中を見る解像度を上げる

前期にMyBiz編に取り組んだ高校1年生たちがまとめた創業計画書を見ると、しっかり考えながら作成に取り組んだ様子を感じることができました。
社会を見る目の解像度が上がっていると良いなと思います。
後期には2年生で取り組むための課題設定に入っています。アントレプレナーシップ講座の学びがこれから取り組む課題探究にも役立ってくれることを期待しています。

生徒の声

質問:「起業」と聞いてどのようなイメージがありましたか?

Sさん:「起業」ということ自体、自分の人生において遠い存在だと思っていました。

Yさん:私の母の友達は起業している方も多く、小さな会社でも自分で楽しくやっている様子を見てきて、楽しそうだなと思っていました。しかし、実際に起業するために何をすべきかについては、何もわかりませんでした。

Kさん:テレビ番組やネット記事で起業家の方を目にしたことはありましたが、身近な存在ではなく、難しそうというイメージがありました。

Wさん:私は将来のことについてあまり考えることがなく、「起業」に対してとてもハードルが高く、敷居が高いと思っていました。

質問:MyBiz編を活用した探究学習後、「起業」のイメージはどう変わりましたか?

Sさん:自分は絶対に起業なんかしないだろうなと思っていましたが、MyBiz編で順を追って学んでいくと、細かなことや日常生活では触れない分野もあり、起業は大変だというネガティブな面だけでなく、楽しい面もあるのだなと思いました。

Yさん:もともと楽しそうなイメージはありましたが、授業を進める中で、母の友達で起業した方に会って話を聞くことができ、起業を考えることで夢が広がるように感じました。

Kさん:資金調達の方法や場所をどう手に入れるか、経営者の経歴などについて考えなくてはいけないとわかり、興味深く感じるとともに、だんだんおもしろくなっていきました。

Wさん:本当に何もわからない状態から、1から説明してくれたので、わかりやすかったです。起業も案外、思っているより難しいことではないのではと思うようになりました。

質問:実際に作成した創業計画書の内容を教えてください。

Sさん:私は動物園を起業することを考えました。昔から動物が好きで、絶滅した動物たちが載っている本を読んだとき、とてもかわいい動物がたくさんいたのだなと思うと同時に、絶滅してしまったことへの悲しい気持ちがありました。それが原点となり、みんなにかわいい動物を知ってもらいたい、触れ合ってもらいたいという思いから動物園での起業を考えました。

いちばん楽しかったのはセールスポイントを考えたときです。私が作った動物園に来てもらい、楽しんでもらう様子を想像するだけで楽しかったですね。子供も大人も退屈せずに楽しんでもらう動物園を考えました。苦労した点は、資金のやりくりです。必要な経費を書き出していくと、自分が思っているより額が大きくなってしまい、助成金やクラウドファンディングなども調べて資金調達方法を検討しました。

▲Sさんの動物園 創業計画書

Yさん:私はゴルフ場です。自分がゴルフをやっているということもあるのですが、今、ニュースなどで若い人にもゴルフが人気だと言っていますが、実際ゴルフ場に行くとほとんど若い人を見つけられません。実際は近所の打ちっぱなしや、室内で行うスクリーンゴルフなどが人気です。実際ゴルフ場でゴルフをやると、緑も多くリラックスできるし、スマホから離れデジタルデトックスにもなります。そのような良い点を伝えて、若い人たちのゴルフ場離れを防ぐようなゴルフ場をつくりたいと考えました。

事業内容を考えるところがすごく楽しかったです。初めてゴルフ場に来た人でも楽しめる状況を考えたり、都内に作った方が人は集まるのでは?など想像力を膨らませたりしながら考えました。一方で事業の見通しを考えるのに時間がかかりました。はじめは赤字になる想定ですが、ゴルフ経験者層から徐々に顧客の幅を広げていき、、ゴルフができない人も集客し、将来的には黒字になる見込みです。

▲Yさんのゴルフ場 創業計画書

Kさん:私はSDGsに特化した英語塾です。もともと英語が好きなので、起業するとしたら自分の強みの英語を活かしたいと思いました。ですが英語塾は既に世の中にたくさんあるので、差別化するために、近年話題になっているSDGsと組み合わせたらおもしろいと思い、この二つを掛け合わせてみました。

進めていく中で、広告の種類を調べ、販売戦略を立てていくところがおもしろかったです。必要な資金については、どうやって準備するのかという点でいちばん苦労しました。

▲KさんのSDGs×英語塾 創業計画書

Wさん:私はスポーツショップです。私はダンスをやっていてスポーツショップによく行くのですが、ダンスの用品がスポーツショップに売っていないことが多いです。ダンスがスポーツとして捉えられていないという側面もあると思います。そこでダンス用品も買うことのできるスポーツショップを考えました。ですが、実際に経営者の立場になってみると、スポーツショップをやるためには何が必要なのかがよくわからなくて苦労しました。

▲Wさんのスポーツショップ 創業計画書

質問:MyBiz編での起業体験を通じてどのような力が身についたと思いますか?

Sさん:見通しを持った考え方が身についたと思います。創業計画書を書いていくうちに、これにはどのくらいの費用や時間がかかるのか、どのくらいの期間だったら目標達成できそうかなどそういうことを考える力が身についたと思います。

Yさん:起業は別に今すぐでなくとも、大学を卒業して、必要な知識を得た後でもできると思います。例えば自分が入社した会社が、自分の方向性と違ったとしても、起業はいつでもできるということに気づけたので、行きたい道が何かの理由でずれたとしても、いつかは起業することができるという自信がつきました。起業のための知識や必要なことなどを知れたので夢が広がったと思います。

Kさん:逆算する力が身についたと思います。今回の起業体験を参考にして、起業するために自分はどこの大学に進学すればいいか、何を学べばよいか、どこに勤めてから起業するかなど、目標から逆算して考える力がつきました。

Wさん:自分で調べる力が身につきました。私が考えたスポーツショップは既に世の中にあるものなので、他の店とは違うセールスポイントやストロングポイントが必要でした。そのポイントをどう見つけ、探していくかという発想力やリサーチ力が身についたと思います。

株式会社NOLTYプランナーズ