先生の声

生徒のキャリア形成に結び付く探究学習の実現
探究学習をキャリア形成に結びつけたいと考え、教材の検討を始めました。 これまでの探究学習においては、一定の成果を挙げてきたと考えていますが、生徒から キャリア形成にも結び付けていきたいという声がありました。そこで、さらにキャリアに繋がる取り組みを行いたいと考え、2024年度の高校1年生に、起業体験ができる「NOLTYスコラ 探究プログラム MyBiz編」(以下、MyBiz編)を導入することにしました。
「起業」と言われても、正直ピンときていない生徒も多くいました。知らない用語がたくさん出てきて戸惑う場面もありました。しかし、将来、起業するしないに関わらず、社会の仕事がどのように成り立っているのか、会社を経営するためにはどのような配慮が必要なのかなど、そのプロセスを理解することが、進路選択や職業選択の一助になればと願っています。
最近では、学生起業家も増えています。大学を卒業し、会社に就職し、そこで定年まで働くという従来のモデルは変わりつつあります。転職に関するCMも多く見かけるようになりました。そういった時代を生きていかなければならない世代の生徒たちに対して、自分でも何かを立ち上げることができるという自信や、その時に役立つ知識を与えられたらと思います。
また、本校は芝浦工業大学と連携し、実践的な経験を積む機会や、ビジネスプランコンクールに挑戦する場も提供しています。MyBiz編での取り組みがきっかけとなって、生徒たちが想像力を働かせて、様々な取り組みに積極的に挑戦してくれることを期待しています。
最初の雰囲気づくりに苦労した
今年初めてMyBiz編を導入したので、 その教材を使ってどのように授業を進めると生徒たちがより興味を持って授業に取り組めるのか、いかに生徒たちのマインドセットを作るかについて、担任の先生たちが試行錯誤しながらの授業展開でした。
プログラムには動画が含まれているのですが、その動画をただ再生するのではなく、適切な箇所で動画を止めて生徒に考えさせ、意見を発表しあう場面を作るなどの工夫をしました。
授業を進めていく中で、商品やサービスのターゲットを考えるフェーズに入ると、生徒たちから「こんなお店をやってみたい」といったアイデアが沸いてきて、とても楽しんで取り組んでいる様子が見られました。MyBiz編の授業の後、生徒にアンケートを実施した結果、満足度では5段階評価中4が47%で最も多かったです(※以下グラフ参照)。評価5は5.2%ではありましたが、半数以上の生徒が興味を持ったことがわかりました。このようにプログラムを通じて、起業することに対する生徒の興味関心を引き出せた点が良かったと感じています。
今回はテキストにそって授業を展開しましたが、テキストの具体的な内容に取り組む前に、おもしろそうな事業ややってみたいことなどを自由に考え、その後で、それを実現するためにはどうすればよいのか、という授業の流れにすると、より効果的だったのではないかと考えています。

アントレプレナーシップ教育は世の中を見る解像度を上げる
前期にMyBiz編に取り組んだ高校1年生たちがまとめた創業計画書を見ると、しっかり考えながら作成に取り組んだ様子を感じることができました。
社会を見る目の解像度が上がっていると良いなと思います。
後期には2年生で取り組むための課題設定に入っています。アントレプレナーシップ講座の学びがこれから取り組む課題探究にも役立ってくれることを期待しています。