COLUMN

2025.02.27

アントレプレナーシップとは?

アントレプレナーシップという言葉を聞いたことはあっても、正確な意味を理解しているか自信がない方は多いです。

この記事では、アントレプレナーシップの意味や、注目されている背景・理由を解説します。さらに、アントレプレナーシップを発揮するための資質や、発揮しやすい企業の環境についても紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

目次

アントレプレナーシップとは

アントレプレナーシップとは、新たに事業を創造し、リスクに挑戦する姿勢のことであり、あらゆる職業で求められる心構えです。

日本では「起業家精神」と訳されるケースが多いですが、本来の意味を考慮すると「起業家的行動能力」と訳すほうがより正しいといわれています。

アントレプレナーシップの語源は、フランス語で「仲介人」を表す「entrepreneur」です。経済学者ヨーゼフ・シュンペーターは、これを「イノベーションを起こす当事者」を指す経済学用語として定義しました。その後、経済学者ピーター・ドラッカーが「経済の領域に限定されるものではない」と述べ、一般的に広く認知されるようになりました。

なお、似た言葉に「イントレプレナー」があります。アントレプレナーシップとは意味が異なり、 「企業内で新ビジネスを立ち上げる人=社内起業家」を指す言葉です。また、アントレプレナーシップの育成を目的として、イントレプレナー制度を取り入れる企業もあります。

アントレプレナーシップが注目される背景・理由

アントレプレナーシップが注目される背景や理由は以下のとおりです。

●VUCA時代に突入し柔軟な対応力が求められている
●グローバル展開が前提になるビジネスの増加
●雇用環境の変化で成果が重視されている

続いて、それぞれの項目について説明します。

VUCA時代に突入し柔軟な対応力が求められている

VUCAとは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取った言葉です。

これは、変化が激しく、先行きが見えにくい状態を指します。現代はVUCA時代と呼ばれ、社会環境の変化とともに、企業を取り巻く状況も目まぐるしく変わっています。

このような時代に組織として生き残るためには、リスクを取り、積極的にチャレンジする姿勢が不可欠です。

そのため、常にリスクを取りながら行動できるアントレプレナーシップを持った人材が求められています。

グローバル展開が前提になるビジネスの増加

現在、グローバルに展開するビジネスが増えています。日本では少子高齢化が進み、国内の需要だけでは厳しく、新たな市場を求める企業が増加しているのが現状です。

しかし、リスクを取ってチャレンジする人材がいないと、グローバル展開ができず、機会損失につながる可能性があります。そのため、アントレプレナーシップを発揮し、世界の舞台で挑戦できる人材のニーズが高まっています。

雇用環境の変化で成果が重視されている

日本の雇用機会が変化しているのも、アントレプレナーシップが注目されている理由の1つです。高度経済成長期に主流だった年功序列制度が崩壊し、徐々に成果主義へ移行する企業が増えています。

企業は指示を待つのではなく、自らが考えて動く人材を求めており、アントレプレナーシップを発揮できるかが重要なポイントになるでしょう。

一方で、個人の観点では、チャレンジするリスクを取らずに仕事を続けていると、企業が期待している成果が出せず、給料の伸び悩みや退職につながる可能性が高まります。

企業のニーズ、個人の雇用や収入の安定のどちらから見ても、アントレプレナーシップが重要だとわかります。

アントレプレナーシップを発揮するための資質

アントレプレナーシップを発揮するための資質は、大きく以下の4つに分けられます。

●チームを統率するマネジメント力
●クリエイティビティ(創造力)
●目標達成するための強い忍耐力
●適切なリスクを取れる判断力

それぞれの詳細について、説明します。

チームを統率するマネジメント力

アントレプレナーシップを発揮するためには、チームを統率するマネジメント力が必須です。

1人で完結できるプロジェクトは少なく、チーム内でコミュニケーションを取りながらマネジメントする力が求められます。特に、意見をまとめるリーダーとしての振る舞いが重要です。

クリエイティビティ(創造力)

アントレプレナーシップは「起業家精神」や「起業家的行動能力」と訳されるため、新たな事業を創造するクリエイティビティが必要です。

普段から情報収集を行い、多くのインプットをかけ合わせたり、発想を飛躍させて別の事業として立ち上げたりする力があれば、活躍の幅が広がるでしょう。

目標達成するための強い忍耐力

強い忍耐力を持ち合わせていると、アントレプレナーシップを発揮しやすいです。目標を達成するには、さまざまな困難が待ち受けています。

その困難に立ち向かうには、忍耐力が重要です。最初から成功しないチャレンジがほとんどであるため、自分自身がコミットして最後までやり遂げる責任感が求められます。成功するまで諦めずに粘り強くチャレンジし続ける姿勢が問われます。

適切なリスクを取れる判断力

アントレプレナーシップを発揮するためには、適切なリスクを取れる判断力も大事です。保守的過ぎると、チャレンジできません。起業は、リスクを取ることから始まります。

しかし、不要なリスクを取って行動するのではなく、適正なリターンと天秤にかけて分析し、判断する力が必要とされます。

アントレプレナーシップを促進する企業環境のポイント

昨今、アントレプレナーシップを持つ人材を育成しようとする企業が増えています。

ここでは、アントレプレナーシップを促進する企業環境のポイントを3つ紹介します。

●アイデアを否定せずチャレンジを評価する企業文化
●アントレプレナーシップを発揮するのに適切な裁量権がある
●アントレプレナーシップについての教育・学習制度がある

人材育成で困っている方は、ぜひ参考にしてください。

アイデアを否定せずチャレンジを評価する企業文化

アントレプレナーシップを促進するには、アイデアを否定せず、チャレンジを評価する企業文化が重要です。提案を否定するような保守的な環境では、アントレプレナーシップを発揮できません。

それどころか、適性を持っている人材のやる気を奪う原因になる可能性もあります。現在の企業文化が異なっていても、挑戦自体を評価する文化に変化させていくことが大切です。

アントレプレナーシップを発揮するのに適切な裁量権がある

次に、アントレプレナーシップを発揮するのに適切な裁量権を与えられる環境になっているかチェックしましょう。

起業や改革で、必要な裁量権がないと、スピーディに事業を推進できません。新規事業やプロジェクトに合わせて、権限や予算を割り当て、挑戦できる環境を整えましょう。

アントレプレナーシップについての教育・学習制度がある

アントレプレナーシップについての教育・学習制度が整っていると、新規事業の立ち上げに興味を持っている人材を効果的に育成できます。すべての従業員がアントレプレナーシップに対する意識が高いわけではありません。

そのため、企業側が学ぶ機会を導入するなど、間口を広げるために制度を取り入れてみるのも効果的です。

アントレプレナーシップを持ってビジネスをリードしよう

フアントレプレナーシップは「起業家的行動能力」を示し、現在はさまざまな組織でニーズがあります。

現代社会やビジネス構造の変化とともに、個人として考えたときにもアントレプレナーシップを身につけ、成長することが求められるようになっています。

企業での目標達成や自分自身にコミットしていくためには、自己マネジメントが必要です。アントレプレナーシップについて学び、ビジネスで活用してはいかがでしょうか。

株式会社NOLTYプランナーズ