COLUMN

2024.03.29

企業における総務の役割とは?主な仕事内容と必要なスキルを解説

総務は、多くの企業に設置されている部署です。しかし、総務とは本来どのような役割を担う部署なのか、詳しく理解していない方も多いでしょう。

そこでこの記事では、企業における総務の役割や主な仕事内容、総務に求められるスキルなどを紹介します。

総務の役割を詳しく知りたい方や、総務をうまく機能させたい方は必見です。

目次

企業における「総務」の役割とは

企業における総務は、会社全体をスムーズに運営できるようサポートする役割を担います。

社員が気持ちよく働けるように社内の環境を整備する、来客に対応する、ほかの部署をサポートするなど、仕事内容はさまざまです。

円滑な企業活動をサポートする仕事であり、裏方として人の役に立つのが好きな方に向いている仕事です。

昨今では、総務の役割は変わりつつあります。上記のような従来の総務だけではなく「戦略総務」の役割を担う場合もあるのがポイントです。

戦略総務とは

戦略総務とは、総務の役割を通して企業の課題を解決につなげる取り組みのことです。従来、総務はルーティン化した業務を行うことが多い部門でした。

戦略総務は、企業の課題を解決につなげるために仕組みの改善を行い、会社全体のスムーズな運営を目指します。課題を発見し解決するため、能動的なアクションが求められるのが特徴です。

具体的には、以下のような役割を担います。

●業界動向や競合他社の動向を調査し、経営陣に情報を提供する
●働き方改革を推進する
●各部署とのコミュニケーションをとり、現場の声を経営陣に伝える
●アウトソーシングすべき業務を検討する

総務の主な仕事内容

総務の仕事は多岐にわたります。また、企業によって仕事内容が異なることも少なくありません。

ここでは、総務の仕事内容の一例を紹介します。

●社内備品の発注・管理
●施設の管理
●書類作成
●社内イベントの企画・運営
●各種契約状況の管理
●郵便物の仕分け

●社内備品の発注・管理

社内で利用する備品の発注や管理を行うのは、主に総務の仕事です。

備品をきちんと管理しておけば、備品の紛失を防げ、無駄なコストを削減できます。また、備品を使いやすいよう管理しておくことで、従業員が必要な備品をスムーズに探せるようになり、業務の無駄を削減できるでしょう。

●施設の管理

オフィスや店舗などの施設を、従業員が快適に過ごせるよう管理するのも総務の仕事です。施設管理の仕事は、ファシリティマネジメントと呼ばれる場合もあります。

ファシリティマネジメントとは、施設や設備を管理・活用し、経営的・長期的な視点から最適化を図ることです。

例えば、設備のメンテナンスやセキュリティの強化、省エネの推進、フロアのレイアウトや動線の変更などは、ファシリティマネジメントに該当します。

●書類作成

総務は、業務に利用する業務報告書や、社内への案内を行うための通知文書、労務で利用する休暇届けなど、各種書類の作成も行います。会議の議事録を作成する場合もあるでしょう。

契約書や見積書、送り状、挨拶状、招待状など、総務が作成する書類の種類は多岐にわたります。

●社内イベントの企画・運営

従業員同士のコミュニケーションの機会を増やすためにイベントの企画や運営を行うのも、総務の重要な役割です。

社内イベントを実施することで、社内のコミュニケーションが促進され、業務の際に相談の障壁が下がる、情報共有をしやすくなるなどのメリットがあります。

社内での表彰や運動会、ファミリーイベント、ボランティアへの参加など、さまざまなイベントが考えられるでしょう。自社でどのようなイベントを実施すればコミュニケーションを活性化できるのか、考えるところから始める必要があります。

●各種契約状況の管理

取引先ごとに契約状況の管理を行うのも、総務の仕事の1つです。自社がどの企業とどのような契約をしているのかを管理し、期限や更新時期が近づいたタイミングで関係者に連絡します。

契約内容によっては、自動更新後に契約の見直しを行うことで、解約時に違約金が発生してしまう可能性があります。また、契約を自動更新にしていない場合には、必要なサービスの契約期限が切れて一時的に使えなくなってしまうケースもあるでしょう。

このような事態を避けるためには、総務が契約の期限や更新時期を管理しておくことが必要です。

●郵便物の仕分け

総務は、自社宛ての郵便物を仕分け、担当者宛てに届ける役割も担います。

オフィス宛の郵便物は、多くの場合1つの窓口にまとめて届けられます。毎日膨大な量の郵便物が届く企業では、各部署の担当者がそれぞれ自分宛の郵便物を探して回収するのは非効率です。

総務が仕分けを行うことで従業員が業務に集中しやすくなり、担当者が郵便物を見落としてしまうリスクも防げます。

総務に求められるスキル・能力

総務に適切な人材を配置するためには、総務の仕事をこなすために求められるスキルや能力を理解しましょう。

ここでは、総務に必要なスキルや能力について解説します。

●コミュニケーションスキル
●事務処理能力
●パソコンスキル
●スケジュール管理能力
●情報収集スキル

●コミュニケーションスキル

総務には、コミュニケーションスキルが欠かせません。総務は、部署間や顧客と自社など、さまざまな人たちの間をつなぐ仕事であるためです。

ここでいうコミュニケーションスキルとは、単純に会話が面白い、初対面の人とも話ができるといったスキルのことではありません。相手が何を伝えたいのかを適切に汲み取るとともに、自分の伝えたい内容を的確に説明するスキルが必要です。場合によっては、伝えるべき情報の取捨選択も必要となるでしょう。

人との交流が多い仕事であるため、コミュニケーションをとること自体が好きな方にも適性があると言えます。

●事務処理能力

総務には、事務系の仕事が求められるシーンが多いため、事務処理能力も必要です。多くの仕事をこなす必要があるため、正確かつスピーディーに事務処理を行う能力が求められます。

また、従業員が作った書類のチェックを行うケースも多く見られます。そのため、書類の正確性を正しく判断できる能力を持った人材を配置することも大切です。

●パソコンスキル

基本的なパソコンスキルを持っている人材なら、総務でスムーズに活躍できるでしょう。

総務の仕事では、ワードやエクセルを使って書類を作成する、メールで問い合わせに対応する、社内システム上に正しく情報を入力するなど、パソコンを使うシーンが多く存在します。

基本的な操作スキルを持った人材をアサインするとともに、研修を実施して全体のパソコンスキル向上を目指すことも大切です。

●スケジュール管理能力

総務の仕事をこなすためには、スケジュール管理能力が欠かせません。

総務では、締切のある仕事を扱う機会が多くあります。複数の仕事を並行して進めなければならない場面も多く、締切に間に合うよう進めるためのスケジュール管理能力が必要です。

総務の仕事が遅延してしまうと、多くの部署に影響してしまう可能性があります。割り込みで突発的な業務が発生する場合も少なくないため、余裕のあるスケジュールを立て、計画的に業務を進められる人材を配置しましょう。

●情報収集スキル

幅広い業務に対応するための情報収集スキルも重要です。総務は、法務や安全衛生、セキュリティ、設備管理など、多種多様な情報を把握しておく必要があります。情報収集スキルを持った人材なら、多様な業務に柔軟に対応し、価値を発揮できるでしょう。

また、業界のニュースや競合他社の動向、ビジネストレンドといった情報への感度が高い人材なら、戦略総務としても活躍できる可能性が高いです。

総務は幅広い役割を担う重要な部門

総務の役割は、会社をスムーズに運営できるようサポートすることです。環境整備や書類作成、社内イベントの企画・運営など、その業務範囲は多岐にわたります。

業務範囲が幅広い分、総務には多くのスキルや能力が求められます。総務の役割や求められるスキルを正しく理解し、総務に割り振る仕事や人材配置を検討しましょう。

株式会社NOLTYプランナーズ