COLUMN

2024.03.21

ブランディングとは?プロモーションとの違いやメリット・手順を解説

ブランディングとは、自社のブランド価値を向上させるための活動です。ブランディングについて聞いたことがあるものの、具体的にどのように進めればよいのかわからない方もいるでしょう。

この記事では、ブランディングの概要やプロモーションとの違い、ブランディングを行うメリットや手順も解説します。

ブランディングについて詳しく理解し、自社に合う方法でブランディングを実行しましょう。

目次

ブランディングとは

ブランディングとは、ブランドに対する信頼や共感を得て、ブランド価値を向上させるための活動のことです。ブランドに対する共通のイメージを持ってもらうための活動でもあります。

自社ブランドを「独自のもの」と認識してもらえることで、他社との差別化が可能です。

ブランディングについて、次の項目に沿ってさらに詳しく解説します。

●ブランドとは何か
●ブランドを構成する要素
●マーケティング・プロモーションとの違い

●ブランドとは何か

そもそもブランドとは、競合他社との違いを認識されている商品やサービス、もしくはそのグループのことです。似たような商品やサービスが多くある中で、その商品やサービスの価値が顧客に理解されているものとも言い換えられます。例えば、「A社の〇〇という商品はコストパフォーマンスの高さが優れている」という場合、「〇〇」は立派なブランドといえます。

高級品のみを指す言葉ではない点に注意しましょう。

●ブランドを構成する要素

ブランドは、以下のようにさまざまな要素から構成されます。

●ブランド名
●ブランドカラー
●ブランドロゴ
●ブランドの特徴
●ブランドのミッション
●キャラクター
●パッケージデザイン
●生産国

ほかにも、競合他社の商品と区別する際に使われるものであれば、すべてがブランドを構成する要素です。

●マーケティング・プロモーションとの違い

ブランディングは、マーケティングやプロモーションと混同されることがあります。ブランディングとプロモーションは、マーケティング戦略における1つの要素です。

プロモーションは、自社の商品やサービスそのものを知ってもらうための活動です。一方ブランディングは、自社の商品・サービスと他社の商品・サービスとの違いを知ってもらうことを狙いとしています。

最終目的が商品やサービスを購入してもらうことである点は、プロモーションとブランディングに共通した要素です。

ブランディングの種類

ブランディングには、次のような種類があります。

●インナーブランディング
●商品・事業ブランディング
●企業ブランディング
●採用・育成ブランディング

それぞれ、詳しく解説します。

●インナーブランディング

インナーブランディングとは、自社のビジョンや企業理念・価値観を従業員に浸透させるための活動です。インナーブランディングを実施することで、従業員は企業の価値観に基づいて意思決定を行えるようになります。

また、ビジョンや理念を理解した従業員が顧客にサービスを提供することで、顧客に企業の価値観を伝えられ、結果としてブランディングにつながるのもメリットです。

なお、企業外の人をターゲットとしたブランディングのことを「アウターブランディング」と呼ぶ場合もあります。

インナーブランディングについて、詳しくは次の記事で解説しているためあわせてご覧ください。

コラム:インナーブランディングとは?目的や手法・メリット・デメリットを解説

●商品・事業ブランディング

商品・事業ブランディングとは、その名の通り商品や事業を育てるためのブランディングです。販売している商品や自社のブランドを、顧客から選んでもらい続けるために行います。

販売している商品やサービスの魅力を発信するほか、ファンになってもらうためにパッケージデザインや名称などを変更するケースもあります。

商品・事業ブランディングを成功させるためには、そもそも商品や事業自体に価値があり、顧客に魅力を感じてもらえるものである必要があります。ブランディングの手法だけを取り入れるのではなく、顧客から魅力を感じてもらえる商品・事業を作るところから始めることが欠かせません。

●企業ブランディング

企業ブランディングとは、企業自体のファンになってもらうためのブランディングです。企業のミッション・ビジョン・バリューを構築し、それに共感するファンを増やすための活動を行います。

企業を信頼してもらうためにさまざまな活動を行うため、企業ブランディングを狙いのひとつとして社会貢献活動を実施するケースも少なくありません。その際は、ミッション・ビジョン・バリューに沿った社会貢献活動を選ぶことで、ブランディング効果が高まりやすくなります。

●採用・育成ブランディング

採用・育成ブランディングとは、人材を採用するために行うブランディングです。自社の強みや競合他社との違い、経営の方向性などを伝えることで、自社に共感してくれる人材からの応募を増やします。

福利厚生やオフィス環境の充実も、採用・育成ブランディングの一種といえるでしょう。採用・育成ブランディングを行うことで、優秀な人材が集まりやすくなることに加え、自社に共感する従業員が増えて離職率を下げられる可能性も期待できます。

ブランディングのメリット

ブランディングを行うと、次のようなメリットがあります。

●価格競争を避けられる
●ロイヤルカスタマーを生み出せる
●広告費を削減できる
●人材を採用しやすくなる

それぞれ、詳しく解説します。

●価格競争を避けられる

1つ目は、価格競争を避けられることです。

商品を購入する際に判断材料が少ない場合、消費者は価格の安い商品を選ぶ傾向があります。ブランド力が低い場合、価格を安くしなければ消費者に選んでもらえないでしょう。

ブランディングによって商品の価値を理解してもらえれば、価格を下げなくても商品を選んでもらえるようになります。無理な値下げを避けられるため、売上や利益率の向上につなげられるでしょう。

●ロイヤルカスタマーを生み出せる

2つ目は、ロイヤルカスタマーを生み出せることです。

ロイヤルカスタマーとは、単に自社の商品を継続して利用しているだけではなく、自社に貢献する行動を取ってくれる消費者のことです。例えば、自社の商品を友人や知人、家族などに積極的に紹介してくれる顧客は、ロイヤルカスタマーに該当します。

ロイヤルカスタマーが増えれば、その分売上が増える可能性が期待できるでしょう。さらに、ロイヤルカスタマーは自社に愛着を持っているため、他社製品に乗り換える可能性が低く、顧客単価も高い傾向にあります。

ブランディングを行うことで、こうしたロイヤルカスタマーを増やせる可能性があるのがメリットです。

●広告費を削減できる

3つ目は、広告費を削減できることです。

ブランドが確立されると、競合他社との違いを知っている顧客が増えるため、積極的なプロモーション活動が不要となります。ブランディングによってファンが増えれば、広告を出していない期間も売上を維持できる可能性が高いです。

さらに、ファンの口コミによって商品の評判が広がり、広告を出さなくても新規顧客を獲得できるケースもあります。

●人材を採用しやすくなる

4つ目は、人材を採用しやすくなることです。ブランディングによって自社の認知度が高まることで求人への応募が増える場合があります。また、入社前からすでに自社や自社商品のファンである人材を採用しやすくなるため、経営に貢献してくれる人材を確保できるのもメリットです。

ブランディングの手順

ブランディングは、次の手順で行うと良いでしょう。

●自社や周辺の環境を分析する
●コンセプトやターゲットを設定する
●ブランド名やロゴを作成する
●ブランドを浸透させるための活動をする
●浸透度合いの調査と改善をする

それぞれ、詳しく解説します。

●自社や周辺の環境を分析する

ブランディングのために具体的な行動を起こす前に、まずは自社の現状や自社を取り巻く状況について知ることから始める必要があります。自社の内部環境や外部環境を分析するためには、次のようなフレームワークが用いられます。

●3C分析
●5フォース分析
●SWOT分析
●STP分析
●4P/4C分析

さまざまな分析手法があるため、目的に合うものを選びましょう。

●コンセプトやターゲットを設定する

分析を終えたら、何を目的としてブランディングを行うのかを考え、コンセプトやターゲットの設定を行います。

まずは、ターゲットに対してどのようなメッセージを届けるのか、コンセプトを決めましょう。さらに、ターゲットから「どのように感じられたいか」を示すブランドアイデンティティの設定も必要です。

●ブランド名やロゴを作成する

設定したコンセプトやターゲット、ブランドアイデンティティをもとに、ブランド名やロゴを作成します。ブランドが伝えたいメッセージが伝わり、ターゲットに刺さるものを作りましょう。

ロゴを作成する際や、小さく表示される場合や白黒で印刷される場合でも見やすいようなデザインになるよう考慮してください。

また、他社のブランド名やロゴに似通ったものにならないよう、作成後に入念にチェックしましょう。

●ブランドを浸透させるための活動をする

準備が整ったら、ブランドを浸透させるための活動を始めます。ターゲットが使っている媒体をリサーチし、どのような手段でターゲットと接点を持つのが効果的なのかを検討しましょう。

ブランドの認知度や好感度は、活動を始めてすぐに高まるわけではありません。効果が出るまである程度の時間やコストがかかることを前提に、長期的に取り組む必要があります。

●浸透度合いの調査と改善をする

ある程度活動を続けたら、ブランドがどれだけ認知されているかを確認しましょう。Webサイトへのアクセス解析やアンケート調査などを実施し、効果測定を行います。

ブランドの認知度だけではなく、意図したメッセージが伝わっているかを確認することも大切です。

期待どおりの成果が得られていない場合や誤ったメッセージが伝わってしまっている場合は、適宜軌道修正を行いましょう。

自社に合う方法でブランディングを進めよう

ブランディングとは、自社ブランドに対する共通の認識を持ってもらうための活動です。商品・事業ブランディングや企業ブランディングなど、4つの種類に分類できます。

ブランディングを行うことで、価格競争を避けられる、広告費削減につながる、人材を採用しやすくなるといったメリットがあります。この記事を参考に、自社に合う方法でブランディングを進めてみてください。

株式会社NOLTYプランナーズ