非認知推進担当教員の声
スコラ手帳を導入した目的
自己管理が一番の目的です。人というものはすぐにだらけてしまって、途中で諦めてしまうこともあります。でも自己管理ができるようになれば簡単に諦めることなく、受験勉強もうまくやることができます。スコラ手帳に目標や勉強した実績を書くことで可視化されますし、「先生に見せるからちゃんと勉強もしなきゃ」と思うかもしれない。それがすごくいいなと思います。
小学校での授業で生徒たちも言っていましたが、小学校と中学校の学習はやり方が異なります。小学校は比較的受け身で、毎日宿題をやっておしまいということが多いけれども、中学生になると宿題がなかったり、小学校にはなかった定期テストがあったりする。1週間、2週間先を見越して自分で勉強しなければならず、スケジュール管理をしなければならないという点で、スコラ手帳は中学生にあっているなと思います。「期間を決めてしっかりやろう!」など、スコラ手帳の目標を書く欄をうまく使って学習を進めていけるといいですね。
「あこがれの連鎖」が生徒の主体的な行動につながる
小学校への訪問の取り組みは、昨年の中学3年生の社会科の授業で、「街づくりについて提案しよう」というテーマで、生徒たちが吉川市長にプレゼンをしたことがきっかけで始まりました。昨年は3年生の生徒たちが小学6年生に授業をしましたが、今年の1学期に、「昨年の3年生たちがやった授業はどうだった?」と1年生(昨年、中学生の授業を受けた生徒たち)に聞くと、「すごくよかった。もし自分たちもやれるならやりたい」という意見が出たので、校長先生などにお願いして今年も実施できるように進めていったという形です。
本校のグランドデザインには「あこがれの連鎖」という記載があります。今回の活動の中には「先輩たちがやったことを、また私たちもやりたい」というあこがれの連鎖があるのがいいと思います。あこがれの対象になった先輩も嬉しいし、先輩と同じことができた後輩も嬉しい。これが今後も続いていったら、生徒たちももっと嬉しいんじゃないかと思います。
せっかくの機会なので、授業の内容はスコラ手帳の説明がいいかなと思いました。昨年は私や教頭先生が、別の小学校でスコラ手帳の使い方を説明したんです。そのときに「これは生徒が説明した方がいいな」と思って。生徒の方が上手だし、実際に手帳をちゃんと使っていますから。
スコラ手帳を通して生徒の成長を感じられる
吉川中学校は開校3年目の新しい学校で、開校の段階でスコラ手帳を導入することが決まっていました。私も最初は「こんな小さい枠に生徒が書けるの?」と思い戸惑いましたが、1年経って、スコラ手帳を通じて生徒が成長した姿を見ると「また来年もやりたい」と思うようになりました。
すべての生徒がきちんと書くことができるわけではありませんが、6~7割の生徒が書ければ成功だと思いますし、スコラ手帳がなかったらこの6~7割の生徒の成長はなかったかもしれません。スコラ手帳はPDCAサイクルが回せるようにうまくできているので、使い方に則って書けている生徒は本当に素晴らしいです。ちゃんと活用できている生徒は、一生懸命目標に向かって頑張れる生徒でもありますね。
また今年の1年生は小中一貫教育の取り組みとして、小学6年生の冬からスコラ手帳を使っています。小学校の先生がしっかりと書き方を指導してくださったので、中学校に入ってからもとてもよく活用できていますね。
校内手帳甲子園の取り組み
吉川中学校の校内手帳甲子園は今年で3年目で、毎年少しずつバージョンアップしています。1年目は他校の例などの資料を見ながら試行錯誤して、自分が担当している学年だけで実施しました。
私の担当する学年では、校内手帳甲子園として授業2コマ分を使っています。1コマ目はクラス内でプレゼンテーションを行い、投票でクラスの代表者を決めます。2コマ目は学年全体で体育館に集まり、各クラスの代表者の発表を聞くという形です。学年全体の発表は、私が全体を企画して、学級委員会の生徒たちが司会などの運営をしていくという形でした。学級委員の生徒たちから他の生徒へ声を掛けたほうが意識付けにもなると思ったので、彼らに「こんなことをやるよ」と呼び掛けてもらいました。
校内手帳甲子園で生徒の発表を聞いていると、「隙間時間が見つけられるようになった」などの感想があり、手帳を通じて前向きになったり自己肯定感が高まったりしている場面を見ることができていいな、と思います。