技能五輪の電気溶接職種で敢闘賞を受賞した吉田 悠太さんにお話を伺いました。
日立工業専修学校に入学したきっかけや動機を教えてください
最初は全く知りませんでしたが、北海道で親戚が日立関係に勤めていて、そこで日立工業専修学校のパンフレットを見て知りました。 日立工業専修学校に入ると、将来日立で活躍することができることや、体験入学で実習の授業を受けてみて、この学校が素晴らしいと思い、自分で入学を決意しました。
技能五輪部に入るきっかけは何かありましたか?
技能五輪部に入る前はバスケット部に所属していましたが、1年生の後期に差し掛かった頃、 先生から「技能五輪部に入ってみないか」とお誘いがあって、推薦により転部しました。
技能五輪部の存在は入学前から意識していましたか?
パンフレットを見て入学当初から技能五輪部について気になってはいましたが、自分が技能五輪部に入るとは思ってはいませんでした。溶接科に行きたいと思っていましたが、技能五輪部の溶接職種ができたのが最近でしたので、どんなことをやるかもわからない状態でした。しかし、先生の推薦があったことや、就職後に技能五輪の金メダルを取り国際大会に行きたいと思い、そこに繋がる一番の近道と考え入部しました。
技能五輪部に入部してからどのような変化がありましたか?
技能五輪の溶接職種は、競技時間が長く、また制限時間内で課題を仕上げるために、十分な体力をつける必要があります。 バスケット部にいたときは、朝練では、軽くシュートをしたりする程度でしたが、技能五輪部に入ってからは、時間が足りないため、 朝からランニングや筋肉トレーニングをがつがつとやるなど、朝の段階から本気度や集中度が違いました。
見事、高校生で初めての技能五輪で敢闘賞を受賞されましたが、そのときの気持ちはいかがでしたか?
まさか自分が敢闘賞を取れるとは思いませんでした。 練習段階では、目標とする敢闘賞を取れる最低ラインの点数を超えるのが厳しかったのですが、本番でいつも以上の実力を出すことが出来ました。 採点する人に左右される外観点よりも、正確に加工することで確実に点の取れる寸法値を大事にして競技に取り組んだことが、結果的にうまく行きました。
スコラ手帳を使ってみていかがでしたか?
スコラ手帳は1 年生の初めから使い始めましたが、時間の使い分けを一番学びました。手帳を書くようになってから、時間が見えるので細かい時間の使い分けがわかるようになって、時間の管理が出来るようになりました。学生という立場では、決められた時間にしか訓練が出来ないので、限られた少ない時間をうまく使うのにスコラ手帳は一番役に立ったのかなと思います。
スコラ手帳を書いていて良かったなと思うことはありますか?
スコラ手帳を使っていて一番よかった点は、「時間を守れる」ということです。たとえば、この時間からこの時間まではどこの場所で 作業するなど、正確な時間管理が身につき、加えて無理のない生活スケジュールがしっかり立てられるところが大きな利点です。 そして残った時間で何をするかなど時間を守ることに加え、有効に使うことにも繋がっていると思います。私はパソコンを持っていま すが、手書きで書くと長く覚えていられるし、付け加えや自分なりの見やすい工夫が出来るところが手帳のいい所だと思います。 パソコンではおおまかな日程を記録して、手帳には詳しく一日一日の単位で何をやるかを書いています。私は、振り返り欄を訓 練内容に置き換えて書いていますが、日々うまく行ったこと、訓練でつまずいたことなどをその日のうちに書き込んで、週の最後に 見直しています。これは後々訓練の振り返りに大変役立っています。
スコラ手帳を使った場合と使わない場合を比べると、どのような違いが生まれたと思いますか?
技能五輪は結果が重要で、結果を出すためには日々の訓練が大事です。一日で何ができるのか?具体的な目標を立てた人と、そうでない人とは大きな差が出ると思っています。一日に必ず一個「気づき」や「発見」を見つけようと心がけている人は、物事に対して常に探究心を持っているので、その「気づき」や「発見」が一個ではなく、プラスアルファになります。これはそのことをより具体的に考えている人ほど、大きな差になって表れてくるものだと思います。 私は一日の目標欄に「今日は○○を見つけよう」と具体的に書いているので、最後の感想の欄には必ず「今日は○○を見つけた」と書いています。
スコラ手帳の書き方に変化はありましたか?
技能五輪を始める前と後では手帳の使い方、書き方がまったく変わりました。 以前は内容を細かく書いていませんでしたが、今では一つひとつ細かく書くようになりました。特に一日の振り返りは細かくしっかりと書くようになりました。たまに他の人の手帳を見たりしますが、あまり書いていないので「もったいないなあ」と思ったりします。
今後の目標を教えてください。
技能五輪全国大会で金メダルを取って、2年に1度開催される技能五輪国際大会に行くことです。そのためには、自分は最後の詰めが甘いので、最後まで気を抜かない集中力をつけること、自分を信じること、メンタルを強くすることを目標に訓練してい きたいです。 さらに、将来は、自分の溶接作業に責任を持てるような一流の溶接員になりたいです。
技能五輪を目指す後輩へのメッセージをお願いします
振り返るというのが自分にとって大変役に立ったので、一日一つでもいいので振り返る と良いと思います。日々の振り返りが自 分の力になるので、時間を決めて振り返る習慣を 身につけて頂ければと思います。