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GIGAスクール構想、学校のデジタル化、ICT化など急速に進む学校のデジタル化ですが、『中央教育審議会「「令和の日本型学校教育」の構築を目指して(答申)」【総論解説】』の中では早くもデジタルやアナログ、一斉授業や個別学習といった各方法を最適に組み合わせて生かしていくことについて言及がありました(ハイブリッド化)。
今後、更なる学校教育の発展においてデジタル化ではなく、ハイブリッド化が一つのキーワードになりそうです。
1.ハイブリッド化のメリット
ハイブリッド化とは一般的にオンラインとオフラインをそれぞれ取り入れてベストミックスを作っていくことと捉えられます。それにはまずオンラインとオフライン、それぞれの特性を整理していくことが重要です。
オンラインの特性は代表的なものとして情報処理スピード、共有、瞬間性や再現性の高さにあります。例えば採点などの情報処理は、処理スピードの早いオンラインが有効です。さまざまな人と多くの情報を共有できるという点や、特定の瞬間を保存することができ、映像やテキストといったコンテンツを繰り返し視聴・閲覧できるのもオンラインが優れている点です。学習や学びの方法が多種になり、学校の発展に寄与するものと考えられます。
一方でオフラインの特性は代表的なものとして時間の連続性、細かいニュアンスの再現、記憶への定着、複製ができないことがあげられます。例えば時間の連続性や細かいニュアンスの再現においては写真や映像などで共有されるよりも、現地で体験することの方が温度やにおい、雰囲気などさまざまな情報や曖昧なニュアンスをより多く感じることができ、強い動機付けや学びの機会にすることができます。Zoomでのクラス運営と実際の学校のクラス運営が全く違うものであるように、体験をデジタルに完全に置き換えることは難しいものとなります。
2.スコラ手帳のハイブリッド化に挑戦
スコラ手帳もアプリケーションとのハイブリッド化に挑戦し始めました。サービス名は『スコログ』です。
★生徒が主体のハイブリッド化
学校のデジタル化には大きく2種類あると考えられます。1つ目は先生が授業などのためにさまざまなコンテンツを作り、プラットフォームなどに載せて、生徒に展開するという先生主導型。もう一つは生徒が自身の活動をデータ化し、先生に送り、先生がその情報を活用する生徒主導型。先生主導型は先生の業務負担がより大きくなるため、スコログは生徒主導型のツールにしました。
学習だけではなく、睡眠時間、部活時間などさまざまな生徒の活動時間をデータ化し、生徒から先生に情報を自動で送る仕組みになっています。同時に手帳の紙面も提出することができるため、時間データ(結果)と結果にいたった背景が書かれている手帳(プロセス)を同時に確認し、生徒に対してより良いフィードバックが可能となり、生徒の行動の質が上がることが期待されます。
★操作が簡単
生徒にとって操作が簡単な点も特長です。機能を絞っているため、生徒にとっては直感的に操作をすることができる点も特長です。また、先生の機能もコメント&フィードバック、データの確認と取得という主に3つの機能になるため、難しい操作が少ない点も魅力となります。
★時間を累計ではなく、分布でみることができる
学習時間などを積み上げる累計サービスはさまざまなものがあると思いますが、累計時間を見て結果を把握することはできますが、その結果に至った原因を把握することは難しいと思います。そこでスコログは時間を累計と分布という2つの視点でみることができるようになりました。これは1日24時間の中で、何時から行動をスタートしているかをデータですぐに確認できるようになっています。
文部科学省の『児童生徒の生活の諸側面などに関する分析』(2007年)の中に下記のような記載があります。
1.「学力と学習習慣・生活習慣・学校の取組等の関係の分析
学校および児童生徒に対する質問紙調査の項目のうち、どの項目が正答数と強い関係を持っているかを探求するため、重回帰分析を行った。その結果、児童生徒自身の関心・意欲・態度や生活習慣と正答数の関係が強い傾向が見られた。また、学校の取組や学習指導も正答数に関係していた。」
このように基本的な生活習慣が児童生徒の学習や意欲に関わってきます。これらの情報をより早く、正確に確認することができるハイブリッド化を実現しました。
2023年度版のスコラ手帳をご採用いただいた場合、スコログを無償で提供させていただきます。手帳活用の促進、より良い手帳活用の浸透、生徒一人ひとりの自己管理力の向上や自己肯定感の醸成に寄与できるよう、これからも手帳のハイブリッド化に取り組んでまいります。