「プロジェクトE」第2回!
今回ご紹介するのは、山梨県富士吉田市立下吉田中学校 宮下先生です!
学校現場で働き方改革を推進し、業務の効率化や教員同士の協力体制の強化に取り組まれています。長年の経験を活かしながら、教育の質を保ちつつ、負担を軽減する方法を模索してこられました
どんな実践をされているのか、お話を伺いました!
ぜひチェックしてみてください
宮下 拓也(みやした たくや)
山梨県富士吉田市出身。山梨県富士吉田市立中学校教諭。第二学年副主任(生徒指導担当)、保健体育科体育主任、柔道部主顧問。
好きな言葉は「自分の決意から目を背けず、覚悟を決めて叶うと信じて努力するから、はじめて自信が持てるんだ。」
教員の働き方改革
〜学校現場での取り組みとその成果〜
1. はじめに ― 働き方改革の必要性
「教員の働き方改革は、単に業務量を削減することだけではなく、より良い教育環境を作ることも取り組みのひとつです」と宮下先生は語ります。
今回の取材では、宮下先生が実践する工夫とその成果について紹介します。
2. 取り組みを行う前に環境を整える
教員の働き方改革を進めるにあたり、宮下先生はソフト面とハード面の両方から学校の変革に取り組んでいます。特に、教員の多様な価値観や働き方に対応するため、ボトムアップのアプローチを重視しています。
ボトムアップの重要性
ボトムアップとは単に現場の意見を吸い上げることではなく、上層部の視点も考慮しながら相互理解を深めることが重要です。宮下先生は、現場と校長先生の橋渡し役を担い、建設的なボトムアップの実現に努めています。
組織文化の改善(ソフト面)
教員の志望者数減少や人材の流動性の高まりにより、働き方や価値観が多様化しています。部活動や行事に積極的な教員やワークライフバランスを重視する教員が共存するため、多様な価値観を尊重しながら『行事の精選』を実施しました。教員の意見を集約し、働きやすさと教育的価値の両立を目指しています。
そのために、教員同士が意見をすり合わせ、より良い労働環境を構築。結果として、多様な教員が協力することで、生徒への教育効果も向上しました。
制度改革(ハード面)
自学年の教員や他学年の主任と連携し、行事の適正化にむけて校長先生を含む関係職員と意見を交換し教育実践に向けて合意形成を図ることが大切。ボトムアップのアプローチを取り入れ、教員全体の意見を反映した学校運営を実現しました。
3. 学校現場での具体的な取り組み
宮下先生は、以下の具体的な取り組みを通じて、教員の働き方改革を推進しています。
行事の精選
近年、教員の時間を削ってでも生徒に対応するという従来の考え方が変わりつつあります。宮下先生は「多くの教職員と協働し教育の価値観の創造と教育効果を上げることを重視し、行事を絞り込む」方針を採用しました。
- 保護者や地域と協力し、教員の負担を分散
- 生徒数減少を考慮し、行事のサイズの適正化を図り、生徒と教員の無理のない計画の中でより深い学びを提供
- 教員間で意見をすり合わせ、行事の精選と適切な運用を進める
この取り組みにより、教員の負担が軽減されるだけでなく、生徒にとってもより価値のある学びの機会が提供されるようになりました。
デジタルツールの活用による業務効率化
宮下先生は、業務の効率化を図るため、デジタルツールの導入にも積極的に取り組んでいます。
- 定期テストのデジタル採点ツール「デジらく採点」※1 を導入し、採点業務を効率化
- 成績管理や連絡業務のオンライン化を進め、市の教育委員会と連携して予算を確保
部活動の見直し
- 外部指導者の活用により、教員の負担を軽減
- 部活動の時間短縮と適正化を推進
この取り組みにより、教員は授業準備や生徒との対話により多くの時間を割けるようになりました。
4. 取り組みの中で感じた変化
- 業務時間の有効的な活用により、授業準備や生徒との対話に時間を割けるようになった
- 教員同士の意見交換が活発になり、合意形成を経て業務を進める意識が高まった。
5. 成功事例 ― 効果的な施策とその成果
宮下先生が経験された成功事例を以下にまとめました。
6. 取り組みの中で直面した課題とその解決策
課題①:働き方改革の「公助」
- 個人の努力では解決できない壁がある
- 管理職の先生方や地域(市町村)の教育委員会と連携し、現場の意図を伝えながら改善提案
課題②:働き方改革の「共助」
- 新システムや改革に対する抵抗感
- 研修を実施し、意義を伝えることでスムーズな導入を図る
課題③:働き方改革の「自助」
- 業務量削減と教育の質のバランス
- 質を重視し、必要な業務の見極めを行う
7. 取り組みを通じて得た学びと今後の展望
得た学び・気づき
- 人のつながりが重要
- 変えるべきものと残すべきものを踏まえた「不易流行」の視点を持つことで、教育方法の変革が働き方の改善につながる
今後の展望
- 「自助・共助・公助」の考えを基に、持続可能な働き方改革を推進
- 「不易流行」を考えた最適な指導スタイルを確立
他の教員へのアドバイス
- 小さなことから始めることが重要。
- 周囲と協力しながら、持続可能な仕組みを考えスピード感を持って柔軟にPDCAを回せる『しなやかな組織』を作る。
- 「効率化=教育の質の低下」ではないことを理解する。
8. おわりに
宮下先生からひとこと
教員の働き方改革は、一人の努力で効果が上がるものではなく、チームで取り組み実現できるものです。「働きやすい環境を作ることが、より良い教育につながる」
この意識を持ち、よりよい教育現場を一緒に作っていきましょう!
取材あとがき
かつては自己犠牲が当たり前とされた教員の働き方。しかし、これからの時代は、教員自身が充実し、幸せであることが、豊かな社会を築く第一歩になるというお話が印象的でした。また、子どもたちに関わる大人たちがイキイキと働くことこそが、子どもたちにとっても良い影響を与えるという視点を改めて認識しました。
宮下先生の取り組みは、すべての教員が「自分の人生を大切にしながら働く」ことを考えるきっかけとなるはずです。
私たちもまた、教育現場の変化に向き合いながら、より良い環境づくりをご支援していきたいと思います。
今回の取材では、学校の素晴らしいロケーションに感動しました。特に富士山がきれいに見える環境には心を奪われました。
引用:※1 スキャネット デジらく採点


