「プロジェクトE」第1回!
今回ご紹介するのは、埼玉県立新座(にいざ)高等学校の 逸見峻介先生 です!
逸見先生は、教育に関心を持つ高校生や大学生と一緒に学びの場をつくり、彼らの主体的な学びを後押しする取り組みを続けていらっしゃいます。
どんな実践をされているのか、お話を伺いました!
ぜひチェックしてみてください
逸見 峻介(へんみ しゅんすけ)
埼玉県立高校地歴科教員・ワークショップデザイナー・NPO法人School Voice Project理事・認定NPO法人カタリバみんなのルールメイキング関東地域パートナー・教員アンバサダー。「人間っていいな!面白いな!」と思える人を増やすことをビジョンとして掲げ、日々必死に生きている。学校内外で高校生・大学生・大人などとコラボして、場づくりを行っている。主催:対話のイベント「Open Education」。共著:『高校教師のための学級経営・学習支援』その他、生徒指導・進路指導などシリーズ3作(学事出版)。2025年3月に「生徒支援」に関する単著(学事出版)を出版予定。
教育に関心のある高校生・大学生とともに学びの場を創る
~イベントを通じた若者のチャレンジ支援と教育者としての学び~
1. はじめに ― 若者と共に学ぶ意義
「教育に関心のある高校生や大学生が学びの場の創出に関わることは非常に重要です」と語る逸見先生。単に教育を受けるだけでなく、自ら学びの場をつくり上げることで、主体性や課題解決能力が養われます。若者が教育イベントの運営に関わることで、以下のようなメリットがあるといいます。
- 若者のチャレンジの機会になる
- 若者が多くの気づきを得て、学びが深まる機会になる
今回の取材では、逸見先生の取り組みをもとに、教育イベントの具体的な実施内容や課題、そこから得た学びを紹介します。
2. 取り組みの背景と目的
活動を始められたきっかけ
「現職の教員向けの研修やネットワークは多くありますが、若者たちが前に立ってチャレンジする場をもっと増やしたいと思っていました」と先生は語ります。そこで、教育に興味を持つ若者たちが、実際に学びの場をつくり、チャレンジする機会を一緒に作っています。
逸見先生の活動の原点は、大学生時代に一人でイベントを企画・運営した経験でした。教員になってからは、最初の2~3年は忙しさに追われて実施が難しかったものの、青山学院大学の「ワークショップデザイナー」※1プログラムに参加したことで、再び行動を起こすきっかけを得たといいます。
また、学びの場「BeYond Labo」を主宰している二川佳祐氏(東京都公立小学校教員)※2に刺激を受けたことや初任校の埼玉県立蕨(わらび)高校で「蕨高校セミナー」(放課後キャリア教育セミナー)※3に担当として関わったことも非常に大きな転機となったといいます。
「チャレンジしていないと自分が廃れてしまう感覚がある。そんな不安が行動の源泉である」と話され、生徒にも常にチャレンジすることの大切さを伝えているそうです。
イベントを開催する目的
- 多様な人と接する中で、学校だけでは得られない学びに出会える
- 若者が運営に関わることで、自分自身も新しい学びを得ることができる
3. 具体的な取り組み内容
逸見先生が関わる教育イベントをいくつかご紹介します。
① ルールメイキングイベント(認定NPO法人カタリバ)
- 児童・生徒が校則見直しを題材に、学校に対話文化を広げていくイベント
- 逸見先生は、関東の地域パートナー・教員アンバサダーとして参画
先生のご感想
「民主的で対話的な学校を目指して、イベント運営・関東でのコミュニティづくりをしています!」
② 教員志望の大学生向け対談・ワークショップ(NPO法人School Voice Project)
- 教員志望の大学生が、現職教員との対談を通じて教育現場のリアルを学ぶ
- 逸見先生は理事・イベント企画チームとして参画
先生のご感想
「ボトムアップで学校・社会を変えていくために、仲間と一緒に取り組んでいます!」
③ 教育イベント「Open Education」
- 専門家や高校生・大学生などと教育に関する対話イベントを実施
先生のご感想
「ライフワークとして個人でもイベント企画・運営をしています!」
④ NexTeacherの研修プログラム
- 教員志望の大学生向けに、教育観を見直すワークショップ研修を実施
⑤ 高校でのキャリア教育セミナー
- 高校生が自らゲストを招き、イベントを企画・運営
- 生徒が主体的に関わることで、より学びが深まる
⑥ 大学でのゲスト講演
- 教育を学ぶ大学生に向け、現職教員の視点から講義を実施
4. 取り組みの進め方
教育イベントの企画・運営では、次の点を重視しています。
- 高校生・大学生が主体的に関われる仕組みづくり
- 安全で自由な対話の場をつくる(グラウンドルールの設定)
►心理的安全性を確保し、失敗を許容する環境を整える - 自分自身のチャレンジの機会
- 参加者とのご縁を大切に、誠実で丁寧な運営を行う
5. 取り組みの中で直面した課題と解決策
課題①:若者がいる場で、多様な意見を尊重しながら議論を深めるには?
→ 若者の意見を尊重する場をつくるために、運営スタッフでの対話の機会を丁寧に設ける
課題②:イベントの継続性をどう担保するか?
→ 小さくチャレンジしながら改善を重ね、少しずつでも継続させる
6. 取り組みを通じて得られた成果
高校生・大学生の変化
- 自己肯定感の著しい向上
- チャレンジ精神の育成
- 新たなつながりの獲得
- 周りの人への大きな波及効果
教育者としての学び
- 若者と共に学ぶ喜びを実感
- 自身の教育活動の価値を再確認
- 「つくり手」として関わることで学びが深まる
7. 今後の展望とアドバイス
今後の挑戦
さらに多くの若者が参加できる学校・環境づくり教育関係者向けイベントの拡充
他の教員へのアドバイス
- 「周りの目を気にしない鈍感力」が大事
- 将来に「あの時やれば良かった」と思いそうなら、今からやる
- とにかく小さなチャレンジを積み重ねることが成功のカギ
8. おわりに
教育に関心を持つ高校生・大学生と共に学びの場をつくることは、彼らの成長を支援するだけでなく、教育者自身の学びにもつながります。「教育の場を一緒に作る」ことで得られる価値を、多くの人と共有し、豊かな社会づくりをしたいと思います。
先生からひとこと
「何かできることがあれば、ぜひ一緒にやりましょう!!私にできることがあれば、ぜひお声がけください!」
取材あとがき
逸見先生は、常に挑戦を続ける姿勢を大切にされ、生徒に大きな影響を与えています。35歳までに「面白い人間になる」というご友人との約束が、自身の成長と行動の原動力になったと語られていました。
周囲の目を気にせず、自分のやりたいことを追求する重要性を強調され、イベント開催や自己実現の取り組みについてのお話から、エネルギーに満ちたお人柄を感じました。
※1 青山学院大学ワークショップデザイナー(WSD)育成プログラム
「ワークショップが求められる社会的背景や学習観の変化、コミュニケーション論などを学び、実際にワークショップを体験する。さらに、ワークショップの企画・実践・振り返りを通じて、理論と実践をつなげながら学ぶことができる」(青山学院大学WSD公式サイトより)。
※2 二川佳祐(ふたかわ・けいすけ)氏
「教育と社会の垣根をなくす」「今までの自分を超える」をビジョンに掲げるコミュニティ「BeYond Labo」、Googleを活用する教員グループ「GEG Nerima」などを運営。共著に『いちばんやさしい Google for Educationの教本』(インプレス)などがある。
※3 蕨(わらび)高校セミナー
埼玉県立蕨高校で行っている放課後のキャリア教育セミナー。大学の研究者や、第一線で活躍する人物などを学校にゲストとして呼び、希望生徒が参加するセミナー。


