COLUMN

2024.04.26

ウェルビーイング経営の事例7つを紹介!取り組み内容を詳しく解説

ウェルビーイング経営を実践しようと考えている方は多いと思います。しかし、具体的にどのように取り組めばよいのかわからない場合もあるでしょう。

そこで本記事では、ウェルビーイング経営の事例を7つ紹介します。各社がどのような取り組みを実施しているのか、ウェルビーイング経営を実践するヒントになるような情報を掲載しているので、ぜひ参考にしてください。

目次

そもそもウェルビーイング経営とは

ウェルビーイング経営は、従業員の幸せを重視する経営手法です。心身ともに健康で充実した日々を過ごせるように配慮しつつ、働いてもらうための仕組みです。

かつて話題になった「健康経営」は身体だけでしたが、ウェルビーイング経営はメンタル面も考慮します。ウェルビーイングの定義などの詳しい内容について知りたい場合は、ぜひ別の記事を参考にしてください。

コラム:ウェルビーイング経営とは?今求められている理由や実践方法などを紹介

ウェルビーイング経営の事例【7選】

ここでは、ウェルビーイング経営の事例を7つ紹介します。

●楽天グループ株式会社
●株式会社アシックス
●味の素株式会社
●トヨタ自動車株式会社
●株式会社デンソー
●株式会社丸井グループ
●積水ハウス株式会社

各社がどのようにウェルビーイング経営に取り組んでいるか、事例を見ていきましょう。

●楽天グループ株式会社

楽天グループ株式会社では、楽天健康宣言として「Well-being First」を掲げて活動しています。CWO(Chef Well-Being Officer)を筆頭にウェルビーイング推進の専門部署が設けられており、カフェテリア委員会やフィットネス委員会などがそれぞれ企画を計画しています。

ウォークラリー・ヨガ・ストレッチ・体操教室などを企画して、社内の一体感を高めていました。また、朝活コミュニティー・マインドフルネスネットワーク・クラブ活動など会社主導以外の活動も活発です。

ほかにも、社内クリニック・フィットネスジムなどを社内に設けるなど、会社組織としてウェルビーイングに積極的に取り組んでいます。

参考: ニューノーマル時代に向けて、コレクティブ・ウェルビーイングを考えよう

参考:健康・安全・ウェルネス

参考:多様な働き方が進む、今こそ意識すべき「コレクティブ・ウェルビーイング」~持続可能なチームに必要な「三間(さんま)と余白」とは?~

●株式会社アシックス

株式会社アシックスでは、「ASICS健康経営宣言」のなかでウェルビーイングを目指して、健康推進活動を実施しています。

楽天グループと同じくCWO役員を筆頭に、ウェルビーイング経営を推進しています。健康推進担当者を各グループ会社に配置して、人事事業推進スタッフと連携をとって進める仕組みです。

また、従業員の健康についての意識と行動の変容について指標を定めて、目標設定と検証を行っています。毎年数値化して、実績をホームページ上で公開しているのも特徴です。

アシックスは、数値化以外にも健康に対しての意識は強いです。スポーツ用品のメーカーらしく、ミーティングスペースを備えたアトリウムで仕事終わりにスポーツできる場所が提供されています。

参考:アシックスの健康経営

●味の素株式会社

味の素株式会社はコーポレートスローガンを2011年に「Eat Well, Live Well」に刷新して、働いているだけで健康になる会社を目指しています。

味の素グループでは、2018年に従業員専用のWebサイト「My Health」をリリースしており、健康診断の結果や生活習慣データ・勤務や有給取得などの就労データを総合的に確認可能です。この画期的なシステムによって、2020年以降では、健康改善度が高かった従業員を表彰するようになりました。

また、食品メーカーであるため、料理を通じてウェルビーイングに向き合っています。公式サイトでは、特設ページを設置しています。また、「どこでもオフィス」というテレワーク制度やWLB(ワークライフバランス)休職など、従業員一人ひとりに合わせた働き方改革も実施している企業です。

参考:わたしたちのウェルビーイング

参考:味の素社の社員食堂に潜入!従業員が「自然に健康でいられる」企業の取り組みとは?

●トヨタ自動車株式会社

トヨタ自動車株式会社のポリシーは、「幸せを追求することで結果がついてくる」です。ワークライフバランスを整えるようにアナウンスされています。また、健康レッスンの受講なども推し進めています。

健康保険組合が健康宣言を表明しており、SDGsへの取り組みや職員が抱える健康課題など、さまざまなデータを公開中です。

また、「健康経営優良法人2024ホワイト500」の認定も受けています。ウェルビーイング経営ができている企業として評価が高く、お手本になるような存在です。

参考:当組合職員の健康経営

●株式会社デンソー

株式会社デンソーは、2016年より定期検診等のデータをもとに健康状態の見える化を進めている会社です。数値を改善するために、各職場に「健康リーダー」担当を配置するユニークな仕組みを取り入れています。

職場ごとに働き方・コミュニケーション・課題などが異なるため、メンバーにあった施策を考えて実行しています。部署それぞれで異なるような活動を展開しているのが、デンソーの特徴です。

ストレッチ・ボルダリング・山登り・ランニングなど部署によって取り組み内容がまったく違います。ちなみに、健康やウェルビーイングなどの共通の話題ができるため、社内のコミュニケーションも活発になっているようです。

参考:サステナブルな社会は、「健康」から始まる

●株式会社丸井グループ

丸井グループは、ウェルビーイングが注目される前から、健康経営に注目して取り入れていた企業の1つです。2016年から健康経営推進プロジェクトを発足しています。公募制でメンバーを決めるのが特徴です。

役員のCWOの直下に産業医・保健医・スタッフで構成されるウェルビーイング推進部があり、配下に公募のメンバーがいる構造です。

また、役員と管理職を対象にした「レジリエンスプログラム」の実施も他社にはない取り組みです。身体・情動・思考・精神性の健康を向上させるプログラムで、挙手制ながら2016~2022年で115名も参加しました。部長職以上では9割以上が受講済みで、積極的にウェルビーイングに取り組む姿勢が見てとれます。

参考:人と社会のしあわせを共に創る「Well-being経営」

参考:医師と社長がつかんだゴール「リーダーのレジリエンス」とは

●積水ハウス株式会社

積水ハウス株式会社は、自社を「世界一幸せな会社」にするため、ウェルビーイングの達成に必要な要素を企業理念としています。

従業員一人ひとりの幸せを追求するために、2020年11月にグループ全従業員の約27,000名を対象とした「幸せ度調査」を実施しました。日本企業初の取り組みで、当時は注目を集めました。

従業員の幸せを願って実施したと公表しており、多様な働き方やダイバーシティーの推進など、現代的なウェルビーイング経営を実施しています。

参考:「積水ハウスを世界一幸せな会社にする」ために、日本企業初の幸せ度調査を実施

ウェルビーイング経営のメリット

ウェルビーイング経営のメリットは3つあります。

●人材確保に効果的
●企業価値の向上
●売上・利益の向上

それぞれのメリットについて確認しましょう。

●人材確保に効果的

ウェルビーイング経営は人材確保に役立ちます。従業員が幸せだと企業に長く勤めるようになります。また、健康を保つと長く働けるので離職も減るでしょう。

また、人材採用でのメリットが大きいです。従業員が充実した生活をしているとわかれば、求職者の印象が良くなり、応募が増えます。

●企業価値の向上

ウェルビーイング経営は、企業価値の向上にもつながります。

ウェルビーイング経営とSDGs推進の関連性は強く、特に3番の「すべての人に健康と福祉を」と、8番の「働きがいも経済成長も」のゴールに関わりがあります。

SDGsを推進している企業は、社会問題に取り組む意思を持っていて信頼感があると良い印象を受ける方は多いです。売上・利益が大きくなくても、社会貢献という観点で企業価値を見出してくれる場合もあります。

●売上・利益の向上

ウェルビーイング経営の取り組みによって、従業員が心身ともに健康であるとモチベーションが上がりやすいです。モチベーションが上がると生産性がアップして、結果的に売上や利益の向上につながります。

また、健康であれば社員が病気などで離脱するなどのトラブルも防げます。経営上のリスクヘッジにもなるのでウェルビーイング経営は有意義な取り組みです。

ウェルビーイング経営の事例を見て実践につなげよう

非財務指標への注目も高まる中、ウェルビーイング経営に取り組む企業は多いです。興味を持っているなら、小さな部分からでも取り組みましょう。

どのように取り組めばよいかわからない場合は、本記事の事例を参考に方針を決めてください。すべてを真似できなくても、ヒントを得られると思います。可能な範囲で、ウェルビーイングが向上するような取り組みを実施していきましょう。

株式会社NOLTYプランナーズ