NOLTYスコラを活用することで自己管理力が高まり、それが家庭学習の定着や生活習慣の改善につながる。そんな見取り図を説明すると、とくに進路指導担当の先生方には強く響いた。
モニターアンケートをもとに改良を加えた2012年版NOLTYスコラは、秋から本格的な営業活動を始めたが、その中心になったのが能率手帳プランナーズ(現・NOLTYプランナーズ)に新しく入社したプロパー社員だった。元印刷会社の営業マンだった田中健介もそのひとりだ。
「手帳の営業に対する先入観がなかったのでそれが逆によかったのかもしれません。現場の先生方からは面白い商品だとよく言われましたし、あまり苦戦した印象もありません。手応えは最初からありました」
契約が少しずつ積み上がり、全国紙で紹介されたことも後押しとなって、年末にかけて問い合わせが相次ぐようになる。さらに年が明けるとその勢いは増し、朝礼での契約報告が連日続いた。その度に営業部も湧き上がり、活気づく。
結局、2012年度版は250校で採用され、6万1126冊を売り上げた。2011年度版が採用2校、売り上げ1210冊であったことを考えると、その伸びは驚異的といえる。さらにその後も採用校、冊数ともに伸び続け、2013年度版は692校、16万3964冊、2014年度版は821校、22万9384冊、2015年度版は852校、25万3480冊、さらに2016年度版は前述したように935校、27万4633冊にまで達した。今後も勢いはとどまりそうにない。
商品作りも売り方も手探り状態から始まった手帳はいま、教育現場に受け入れられ、着実に根を下ろし始めている。