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開発ストーリー

NOLTYスコラ プログラム

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世の中にない商品を売れ

手帳はできた。次のハードルはどう普及させるかだった。もちろん中身には自信があったが、中高生向け手帳というまだ存在しない市場、それを自らの手で掘り起こさなくてはならない。失敗すれば努力は水の泡となる。しかし、成功すれば文字通り開拓者として市場のトップランナーになれる。
陣頭指揮を執ったのが営業本部長の高梨文明だったが、やはり現実はなかなか思い通りにはいかない。

「最初の年、売れたのは加藤教諭の鶴岡中央高校を含めて2校だけでした。3000冊制作して、そのうち2000冊が余ったんです。捨てるわけにもいかない(笑)。それならいろんな学校に配ってモニターアンケートをとろうと考えました。それで手帳の効果の実証データを集める。加えて現場の声をなるべく拾って商品力を上げようと考えました」

この年の4月、JMAMの法人手帳部門は分社化し、能率手帳プランナーズ(現・NOLTYプランナーズ)として新しく船出した。そのタイミングで高梨、川添、そして当時営業マネージャーだった田中幸男の3名が中心となり、100校モニターのプロジェクトをスタートさせる。
しかし、法人手帳部門ではこれまで企業が相手だったので学校との接点はない。リストをにらみ、使ってもらえないだろうかと片っ端から電話をする。田中は「担当窓口もわからず、最初はほんとうに手探りだった」と振り返る。

「世の中にない商品なので、電話口だとやはり先生方も最初はいぶかしげでした。けれど実際に数ヵ月使っていただいてアンケートをとると、6〜7割は効果があると回答してもらえる。なかには『こういうのをやりたかったんだよ』と言ってくださる先生もいて、我々も自信を持ちました」

モニターアンケートという少し遠回りにも思える手法だったが、学校を訪問して生の声を聞くことで、現場にさまざまな課題があることを肌感覚で理解できた。時間を守れない、忘れ物が多い、家で勉強しない、夜更かしが多い……課題をひとつずつ拾っていくうち、NOLTYスコラが提供できる価値として、柱となるキーワードが浮上する。それが「自己管理力」だった。

書く・時間を意識する・考える。まず手帳を使ってこの基本動作を習慣化させることで、PDCAサイクルが身につくようにする。それによって自分で学び、考え、行動する自己管理力が育まれる。それは生徒たちの将来を切り拓く大きな武器となる。このコンセプトが定まった瞬間、NOLTYスコラは単なるスケジュール帳ではなく、若者の成長をサポートするための教育教材となった。

株式会社NOLTYプランナーズ