進路指導部主事の声
NOLTYスコラ プログラムを導入した目的
本校では2020年度にキャリア・パスポートが始まったところで、1回1回プリントを刷って生徒に書かせてファイルに綴じていました。しかし、スタディログを蓄積していく意味で、生徒の手元に常にあって欲しい、もっと効果的な方法があるのではと。そのような中で、前任校でスコラ手帳を使っていたこともあり、キャリア・パスポートを意義深く生徒にとって資するものにするという課題意識に「手帳を日々書いていく」ことがリンクするのではないかと思いました。また手帳だけではなく、ポートフォリオノートという別冊があることを知り、これがそのままキャリア・パスポートに使えるなと思い導入しました。
総合的な探究の時間の3つの柱
本校ではキャリア・パスポートとして手帳を導入しましたが、それ以外に「総合的な探究の時間」の柱の一つとしても活用しています。柱の一つは言葉の力、読む、聞く、書く、話すを身につけるためのビブリオピッチトークです。ピッチは短いショートプレゼンテーションのことで、本を読み短い文章で訴求する言葉の力や相手に伝える力の育成を目指しています。二つ目は、合意形成・対話力を育むために、学年横断の協調学習を行うことです。最後がキャリア・パスポートとしての手帳指導で、自分自身の課題を発見する力、自律力、自己理解力、省察力、そして選択力を身につけることが目的です。三つの柱に各学年のさまざまな取り組みをのせていき、最終的には『自律的に学び、他者と共に育ち、社会に貢献し活躍できる初雁生に』を目指すことが総探における本校の目標になっています。
先生方を巻き込んでいくために取り組まれたこと
急にはじめると納得できない先生もいらっしゃると思うので、まずゴールは何かを伝えるようにしています。本校の生徒は就職活動をすることが多いので、生徒が自らスケジューリングできて、面接に行った際にお話ししてくださる方の話をメモすることは、間違いなく生徒自身のプラスになります。高校三年生になったときに、そういった習慣が身についてることをゴールにし、わかりやすいビジョンを共有しました。人の話を聞いて手帳にメモをするという姿は、どの先生もそうなって欲しいと思うビジョンだと思います。「こんな風に生徒がなったらよいと思いませんか?」という感じで、意義や言葉よりも“具体的な生徒の成長した姿”というものをゴールとして話をすると、反対する先生はいらっしゃらないと思います。
将来、社会に出た生徒達への想い
生徒達には必ず幸せになって欲しいです!幸せになるためには、まず自分にとって何が一番幸せかを言葉で理解しなければなりません。そうしないと誰かの人生を歩んでしまったり、言いなりになってしまったり、傷つけられたときに反論ができなかったりする可能性があります。ですから、講演を聞いたときに自分がどう思ったか感じたか、自分自身と向き合うことを学んでいって欲しいですね。そのためにも言葉の力は重要です。そうした力を日々の学校生活の中で育てるために「手帳」はとてもよいツールです。また、社会とつながるという意味で、スコラ手帳はビジネス手帳の要素もあります。主張がない白の表紙や自分自身で手帳をカスタマイズできる要素、持ったときに少し高級感があって大人っぽく、生徒達が未来に対して憧れる、そのような本物っぽいものに触れるという意味でもスコラ手帳がよいと思っています。