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NOLTYスコラ プログラムの導入事例

NOLTYスコラ プログラム

導入校の事例をご紹介します。

Google Classroomで回収作業を効率化し、手帳の効果を最大化する
取材日 : 2021.02.02
  • 高等学校
日立工業専修学校 様

Google Classroomで回収作業を効率化し、手帳の効果を最大化する

学校の行動指針
「私たちは、自分なりに考え、行動し、振り返ります。」学校や寮、部活動など生活全般において、生徒たち自らで課題を見つけ、考え、行動し、振り返る【考動アクション】を実行しています。
導入の目的
・PDCAサイクルの習得、自己管理力の育成
都道府県 茨城県
学校概要 株式会社日立製作所が運営する企業内学校
合格実績 令和二年度 国公立大学10名、私立大学222名、短期大学14名、医療系専門学校22名、一般専門学校47名、就職関係8名

先生の声①

NOLTYスコラ プログラム(以下、スコラ)の導入に向けた道のり

スコラの導入前までは別の手帳を使っていました。変更を検討する際は、ほとんどの先生が否定的でした。理由は「うちは進学校ではないのでスコラにする必要性が感じられない」といったものでした。そのため、すぐにスコラを導入することはできなかったのです。それでも国語科の先生方と議論を重ねる中で、多忙さゆえに日々の生活に追われ、毎日一杯いっぱいの生徒たちにスケジューリングをさせたいと思い提案を続けました。従来のものからスコラに替えた理由は、プログラムツールが充実していることやPDCAサイクルを習得できるレイアウトが決め手です。今では、むしろスコラは必須だと言われています。また、オープンスクールで来校される中学生の保護者も、生徒が手帳を使っている様子を見て、うちの子供もこんなふうにしたいとおっしゃいます。

忙しい先生方を巻き込む

学校で新しい取り組みを始める上で「忙しい」というのは必ず出てくるハードルの一つです。それを越えるため、遠島先生が手帳活用のルーブリックを作成し、手帳のチェックを簡素化したことは大きな一歩です。加えて先生方の巻き込みにも一役買いました。誰もが同じように評価できるルーブリックができたことによって先生方の負担もかなり減ったと思います。またルーブリックがあることで生徒にとっても基準が明確になり、手帳が活用しやすくなります。現在は、国語科から本校の行動指針を作成している考動アクションチームに手帳の担当が移行したため、活用に関しても考動アクションの内容を盛り込みながら指導しています。そのため、スコラも学校として独自に「考動アクション手帳」と呼んでいます。学校全体で取り組んでいる考動アクションを常に頭に置いて行動しましょうと生徒に伝えることで、目指すべき人材像とともに具体的な行動や振り返りをスコラで実践でき、生徒も考動アクションしやすくなりました。

社会人になってからも生きる力

先日、本校のOBと話をする機会がありました。もう卒業してかれこれ5、6年経ちますが「学校のおかげで今でも手帳を書いています。」と言って手帳を見せてくれました。学校で身につけたものをきちんと職場でも生かしているということが実感できてとても嬉しかったですね。手帳を通して身につけた力は明らかに社会でも生きるということが、少しは証明された気がします。

先生の声②

NOLTYスコラ プログラムを導入した経緯

私が赴任した当初、生徒たちは授業、実習、寮生活、部活動、プライベートと波のように押し寄せる様々なことに忙殺されていました。例えば学校で配られたプリントなどを鞄の中にぐしゃっと入れて、半年や一年入れられ続け何の整理もされていなかったり、明日何の授業があるのか先週何をやったのかといった質問に答えられなかったり、とにかくその日暮らしになっていました。その課題から脱却したいというところから手帳の活用が始まりました。

「スコラ」を使う理由

本校の生徒は卒業後、日立グループに就職します。社会に出て働く際に、自ら学び、考え行動しながらPDCAサイクルを回していくことは本当に大切です。その中で記録し、時間を意識し、振り返りをしてPDCAサイクルを学び、問題意識を持つという社会人基礎力に通じる大事な要素をルーティン化して身につけることができる点がスコラのよいところですね。PDCAサイクルも一種の経験学習ですから、生徒たちが意識しなくても自然と発揮できることが理想です。そのために、手帳をベースに活用しながら、日常の生活管理はもちろん、将来の目標管理やキャリア教育も視野に入れ本校独自の視点を加えて実践しています。

主体的に過ごす高校生活のために手帳を使う

今を生きることはもちろん大切ですが、やはり過去を振り返り、未来を目指していく過程の中に「今」があります。だからこそ、平面図形である「今」を、過去・未来含めて立体(空間認識)的に捕らえる能力を身につけるためには手帳が必要だと感じています。手帳を通して一覧でその空間を見ることで認知能力が身につけられると思います。今だけを生きていると場当たり的になってしまい、その結果、ストレスを抱えたり他人に攻撃的になったりします。また、スケジューリング力は段取り力に繋がると考えています。料理をするにしても事前に準備をして、実際に料理をして、後片付けをしてなどと先々を考えながら作業をしますよね。スケジューリング力とは、そのようなことと同じだと思います。そうした取り組みの積み重ねの中で生徒たちは自分の可処分時間(自由に使える時間)を作っていくことができます。自分の生活の中でこの時間が空いている、この時間だったら好きなことをやれるみたいな。生徒たちにはやらされていると感じながらそれに流されるのではなく、自分で可処分時間を作りその中で様々なことを主体的に取り組み、自分の人生の主人公になって欲しいと思っています。

Google Classroom(以下Classroom)を活用したチェック

本校ではClassroomを利用して生徒の手帳を回収し評価やコメントをしています。以前は先生が手帳を回収して、それを全部チェックして生徒に戻していました。それはそれでうまくいっていたのですが、手帳活用が身についた生徒であればあるほど、手帳の存在が大きく、一瞬たりとも手放したくないのに、先生が回収している間は、その間は記録することができず、活用から離れてしまっていました。特に本校の場合、先生によっては終日実習のため、朝のSHRで回収して帰りのSHRで返却といったケースもありました。そこでデジタルを活用することで手帳が生徒の手元に残る運用に変更しました。私の学年では、毎週月曜日の朝にClassroomから手帳の週間ページを課題として写真で提出させています。Classroom内に手帳のトピックを立てておくことで、毎週の記録が蓄積されていきます。生徒は手帳を撮影しアップロード、提出ボタンを押すだけなので提出に手間はかからず、常に手帳を持ち歩けます。先生も画像を見て評価をして必要があればコメントをするだけで済むため、手帳を都度回収して当該箇所を開き手書きでコメントする作業を簡略化できます。

手帳をルーブリックで評価する目的

Classroomの課題には、優・良・可・不可の簡単なルーブリック評価を設定しています。しっかり書かれており他の模範となりうるものが優で10ポイント、しっかりと書かれており整理されているものが良で7ポイント、書かれているが不十分であるものが可で5ポイント、全く書かれていないまたは欠けている部分があるものが不可で0ポイントとしています。手帳で人を評価することは大して大事なことではありません。ただ、ルーブリック評価を行うことでゲーム性が高まり、生徒たちの継続的な手帳活用に繋がるため実施しています。この評価方法の最大の効果は、生徒たちが自分の立ち位置を発見し、自覚してここよりももっと高いところに行きたい、目指したいという意欲的な学びに繋がることです。ですから、ルーブリック評価には難しい言葉ではなく生徒たちも理解できる言葉で明確に提示することがポイントになります。

生徒の伴走者としての時間を大切にする

一番大事なことは生徒が継続して手帳を活用していくことです。しかし、手帳を習慣化させるためにはやはり誰かの伴走がないと厳しいと思います。そのため1週間に1回は回収して評価やコメントをしています。私は先生というものは生徒の隣で一緒に同じ時間を共有することが一番大切な仕事だと思っています。だからこそ、その時間を何よりも先に確保しなければならない。そのためにいわゆる「作業」の時間はなるべく効率化していく必要があります。そして、今やっている先生の仕事の“忙しい部分は一体何か”は棚卸しする必要があるかと思います。そういった意味でClassroomを活用して回収している点は先生の作業の効率化であり、ルーブリックでの評価やコメントは生徒とのコミュニケーションだと思っています。

生徒の声①

手帳を活用し始めたきっかけ

元々手帳を使ったことがなく、初めて手帳をもらったときはちょっと書くのが面倒臭いなと思いました。実際に2年生になってから段々と手帳活用が習慣化しきました。私の担任の先生は、ルーブリックの点数と一緒にコメントでアドバイスをくださるので、使い方の改善や継続のモチベーションに繋がっています。以前手帳の提出期限を少し過ぎたとき「よく書けているのでしっかり期限を守りましょう」とコメントをもらいました。注意だけではなく“よく書けている”という部分が嬉しく、次は提出期限を守ろうと思いました。先生のおかげもあり毎日使う習慣が身につき、時間割の記入や確認、部活動の予定、勉強の計画など様々なことを記入しています。手帳を書くことは今では毎日の歯磨きと同じくらい大切な習慣です。

手帳を活用してからの変化

手帳を書くようになってから、時間割、授業で使うものなどが全て同じページに書いてあるため忘れ物が減りました。手帳の上のチェックボックスに、忘れないようにやることリストや持ち物を書き、次の日の持ち物をバッグに詰めたらチェックマークを入れています。また、時間を有効活用できるようになりました。手帳を確認しないと行き当たりばったりに時間を過ごしてしまいますが、手帳を書き確認することで空いている時間を見つけ、そこで自分の好きなことや趣味の予定を入れたり、勉強の時間に当てたりすることができるようになりました。

寮生活と手帳

本来全寮制の学校ですが、現在新型コロナウイルスの感染拡大防止のため私は実家から通っていますが、昨年一年間の寮生活を経て以前より、家の手伝いなどを積極的にやるようになったと感じています。また、先輩との上下関係から毎日の基本的な挨拶などが身につきました。寮生活では、手帳に部活動の予定や寮の公共場の使用方法、ルールなどを主に書いていました。

Classroomでの回収・コメントについて

私は自分のスマートフォンで手帳を撮影し、Classroomのアプリから写真を添付して先生に提出しています。データでの提出であれば、常に自分の手元に手帳がある状態で先生も確認できますし、ルーブリックでも評価してくださるので便利だと思います。

生徒の声②

手帳について

まず学校から手帳がもらえることに驚きました。1週間の予定や実際にやったことが、時間単位で書ける点がこの手帳の使いやすさだと思います。やることと一緒に時間を記録できるため生活習慣も管理しやすいです。以前書店で買っていたものは段々と書かなくなってしまいましたが、この手帳は書くことが日課になっています。

手帳の使い方

週間ページ下の思った事・感じた事・メモの欄にその日の感想や簡単な日記を書いています。今日はこういうことがあって楽しかったとか、部活動ではこういうところが悪かったから明日は直そうとか、そういったことを主に書いています。書いておくことで、朝や帰りのSHRのときに手帳を見返し「そういえば昨日ここを注意されたから直さないと」と振り返りが次に生かしやすくなります。また、日記を書く際少しだけ嫌だったことも書き出すことで、一人で抱え込みがちな自分の思いを吐き出し、ストレス発散にも役立っていると思います。

手帳を活用してからの変化

あらかじめ書いておくことで「どのように過ごそうか」という計画が立てやすくなるため、今週の目標は必ず書くようにしています。手帳を見るといつ試験があるかがすぐに分かるので、自分の中のスイッチが入って勉強することができます。また、手帳を見返した際に「ここでちゃんとスイッチが入ったな」「この週は休憩したな」と自分の生活の様子が一目で分かるようになりました。そのため、以前はだらだらとゲームをしたり漫画を読んだり、趣味に使う時間が多かったのですが徐々に勉強に使う時間が増え、手帳を見返したときに自分自身でも成長を実感しています。

寮生活と手帳

寮での生活を通して、いつ何をやるのかを自分で決められるようになりました。週末に家に帰った際も、やりたいことを自分で整理できています。また現在は寮役員という寮を回す役目も任されているため、手帳に役員の集まりがある日をメモしておいたり、そこで決まったことをメモしたりしています。特にコロナ禍で、寮内での時間が細かく決められているため手帳によくメモを取るようにしています。

Classroomでの回収・コメントについて

現物を先生に提出すると自分の手元に手帳がない時間が生まれます。手帳が手元にあることで自分がメモしたいときにすぐにメモができますし、先生方も見ることができる時間が決まっていると思うので、空いた時間に見てコメントをして自分達のChromebookに送るのは、私達生徒から見ても先生方から見てもやりやすいのかなと思います。私は自分のスマートフォンで手帳を撮影して、GoogleフォトでChromebookに共有し、Classroomに提出しています。

株式会社NOLTYプランナーズ