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NOLTYスコラ プログラムの導入事例

NOLTYスコラ プログラム

導入校の事例をご紹介します。

スコラ手帳×教科センター方式で“自律”へ導く
取材日 : 2020.11.20
  • 中学校
酒田市立東部中学校 様

スコラ手帳×教科センター方式で“自律”へ導く

導入の目的
・自律した生徒の育成
都道府県 山形県
学校概要 公立中学校
学校教育目標 自律(よく考え、よりよく生きる人に)、貢献(他を思いやり、人や社会に尽くす人に)、志(未来に向かってたゆまず歩んでいく人に)

校長の声

NOLTYスコラ プログラムを導入した経緯

学校教育目標を実現するために具体的に何をすべきか。そう考えたとき、私たちのこれまでのやり方が、生徒の自律を阻んでいるのではないかと思いました。これまで普段の授業や学校生活においては、先生が生徒に対して“指導する”というスタンスが当たり前になっていました。
生徒が自ら学んだり、考えたり、取り組んだりする。そのような生徒の自律を促す学校全体の仕組みづくりの一つとして取り入れたのがNOLTYスコラ プログラム(スコラ手帳=本校ではBU手帳※1)です。スコラ手帳(BU手帳)を導入する以前は生活記録ノートを使用していました。生活記録ノートは、授業や持ち物のチェック、先生とのコミュニケーションが中心でした。一方で、スコラ手帳(BU手帳)であればそれらに付随して生徒が自ら自分の生活を管理することができるため、自律に繋がると考えました。
また、メタ認知(非認知スキル)のうち、自分と向き合う力や自分を深めようとする力を育成する上でも手帳はその一翼を担うと考えています。

教科センター方式による生徒の多様な学びへ

生徒によりそれぞれの専門教科を好きになってもらいたいと考えたとき、先生方に今まで以上に教科の専門性を発揮してもらえる環境を整えることが必要でした。そこで今年度取り入れたのが「教科センター方式※2 」です。当初は生徒指導上の懸念の声もありましたが、生徒たちは割とすぐに慣れていきました。
教科センター方式により先生方の移動時間が減り、授業準備がスムーズになりました。その結果、先生方の働き方改革に繋がり、ICTを利用した工夫された授業など生徒の多様な学びに繋がっています。また、生徒たちは毎時間移動があることで、集中と休息の気持ちの切り替えになっているようです。

この一連の取り組みによる「生徒の変化」とこれから

スコラ手帳(BU手帳)×教科センター方式により、主体的に行動できる生徒も徐々に増えてきました。実際に保護者からは、家でも積極的に物事に取り組むようになったとの声もいただいております。
また、現在の社会においては多様性が大切だと感じています。相手のことを考えたり、繋がったりするためには、まず自分のことを客観的に理解することも必要だと考えます。上記の取り組みを通して自律から貢献、志へ。友達や家族、地域など他者との繋がりを持ち、学びを深めていってほしいと思います。

※1 BU(=Brush Up)
※2 従来の教師が授業ごとに教室を移動するのではなく、教科ごとに生徒が教室を移動する仕組み

先生の声

生徒に起こった「変化」①

学習する場所へ自分で向かうことで、開始時間に間に合うように行動する生徒が増えたように感じます。またその中でBU手帳が、生徒一人一人の「携帯する連絡ボード」の役割を果たしています。そのためメモを取る必要感から、1日の自分の行動予定を計画する生徒が増え、自主的に行動できるようになったと感じています。生徒の中には苦手教科の克服のため、授業前に質問時間を確保するため早めに移動する生徒も見られるようになりました。

生徒に起こった「変化」②

手帳を使う前は定期テストの範囲を一覧にして配布していましたが、現在は各教科担当が授業内で連絡し、生徒自身がメモを取るようにしています。当初は自分でメモできるか心配しましたが、予想を裏切り生徒たちは柔軟に対応しています。
また手帳を使う時期に合わせ家庭学習の取り組みも変化しました。以前は「毎日家庭学習ノートを〇ページ取り組む」という指示でしたが、日々の提出や点検を廃止し自主学習という形に変更しました。生徒自身が予定を確認し、自分で考えノートまとめやワークなどに取り組む形式です。現在では手帳を活用しながら「明日の社会の小テストのために今日はこれを勉強しよう」と計画を立て学習に取り組んでいます。

先生方の変化“指導者からアドバイザーへ”

今年度は新型コロナウイルスの影響もあり、夏休み後に生徒に手帳の使い方を紹介しました。以前の生活記録の指導では「書かせること・記録すること」に焦点を当てコメントなどを書き支援していました。しかし今年度は、帰りの会などで生徒が書き込んでいる手帳を見て回り、声をかけるようにしています。「書いてあること」より「何のためにどの様な計画を立てているのかアドバイスする」という支援の形になりました。
現在、本校では主体的な生徒の育成を目指し、生徒や保護者、教員のフィードバックをもとに新たな取り組みの形を模索しています。その中で意識していることは「生徒一人一人が自律するためにはどうするべきか」を出発点とすることです。生徒を支えるご家庭の力と、アドバイザーとしての教員の支援を土台に、手帳や教科センター方式などの手段で自律を促す。新たな取り組みの中でこのような意識が芽生えたことが教員側に起こった変化だと思います。

生徒の声

BU手帳(スコラ手帳)について

BU手帳はシンプルなデザインで、自分なりにアレンジして使えるところが気に入っています。活用のポイントは、こだわりすぎず短時間で書いて、さっと振り返ることです。そのため、基本手帳に書き込む際は黒一色で書きます。ただ、それだけだと手帳を使っていて楽しくないので、週の初めと日曜日の夜にご褒美として色ペンで可愛く彩り「楽しく使う」ようにしています。
また、BU手帳は時間ごとに区切りがあるため「今日の時間の使い方がどうだったか」「昨日と今日を比べて時間の使い方がどうだったか」などを簡単に振り返ることができます。そのため、以前より振り返りや改善する力が身につきました。

教科センター方式について

正直移動面では少し大変ですが、教室移動があることで先を見通して行動する力が身につくと思います。また、このやり方の方が私には合っていると感じます。手帳に関しては、毎時間移動教室なので、移動先を確認したり、持ち物や提出物をチェックしたりする際に使っています。さっと確認できるので、授業前にとても便利です。

手帳をなかなか継続して使えない人へのアドバイス

今は週の初めと終わりに楽しく書くことをご褒美にしていますが、以前は毎日手帳を確認できたら週末に1つお菓子を食べてよいとしていました。ご褒美が目的でも続けていくと自然とルーティンになり、その中で少しずつ手帳を使う利点が見つかり、ご褒美がなくても継続して手帳が使えるようになると思います。

株式会社NOLTYプランナーズ