校長の声
NOLTYスコラ プログラムを導入した経緯
学校教育目標を実現するために具体的に何をすべきか。そう考えたとき、私たちのこれまでのやり方が、生徒の自律を阻んでいるのではないかと思いました。これまで普段の授業や学校生活においては、先生が生徒に対して“指導する”というスタンスが当たり前になっていました。
生徒が自ら学んだり、考えたり、取り組んだりする。そのような生徒の自律を促す学校全体の仕組みづくりの一つとして取り入れたのがNOLTYスコラ プログラム(スコラ手帳=本校ではBU手帳※1)です。スコラ手帳(BU手帳)を導入する以前は生活記録ノートを使用していました。生活記録ノートは、授業や持ち物のチェック、先生とのコミュニケーションが中心でした。一方で、スコラ手帳(BU手帳)であればそれらに付随して生徒が自ら自分の生活を管理することができるため、自律に繋がると考えました。
また、メタ認知(非認知スキル)のうち、自分と向き合う力や自分を深めようとする力を育成する上でも手帳はその一翼を担うと考えています。
教科センター方式による生徒の多様な学びへ
生徒によりそれぞれの専門教科を好きになってもらいたいと考えたとき、先生方に今まで以上に教科の専門性を発揮してもらえる環境を整えることが必要でした。そこで今年度取り入れたのが「教科センター方式※2 」です。当初は生徒指導上の懸念の声もありましたが、生徒たちは割とすぐに慣れていきました。
教科センター方式により先生方の移動時間が減り、授業準備がスムーズになりました。その結果、先生方の働き方改革に繋がり、ICTを利用した工夫された授業など生徒の多様な学びに繋がっています。また、生徒たちは毎時間移動があることで、集中と休息の気持ちの切り替えになっているようです。
この一連の取り組みによる「生徒の変化」とこれから
スコラ手帳(BU手帳)×教科センター方式により、主体的に行動できる生徒も徐々に増えてきました。実際に保護者からは、家でも積極的に物事に取り組むようになったとの声もいただいております。
また、現在の社会においては多様性が大切だと感じています。相手のことを考えたり、繋がったりするためには、まず自分のことを客観的に理解することも必要だと考えます。上記の取り組みを通して自律から貢献、志へ。友達や家族、地域など他者との繋がりを持ち、学びを深めていってほしいと思います。
※1 BU(=Brush Up)
※2 従来の教師が授業ごとに教室を移動するのではなく、教科ごとに生徒が教室を移動する仕組み