手帳に使い方の基本を貼り、必ず手元に置くことを徹底
吉村先生が赴任した時の状況が、『スコラ』の導入につながるとのことですが
はい。私は4年前の平成22年に安塚高校に赴任したのですが、そのときの生徒たちの印象は課題が多いものでした。具体的に言うと提出物の提出期限を守れない子が多いというようなことを感じたのを覚えています。
そもそも本校は、卒業後、就職する生徒が約半数いるのですが、こういった課題を解決しておくことがとても重要だと考えていました。 そんなときに目にしたのが、手帳の『スコラ』だったんです。実は私の妻も新潟県内で教員をやっていて、彼女が勤務する学校が『スコラ』を採用するというので家で見せてもらったのが最初です。初めて手にしてパラパラと中身を見たときに、「これはいい」と率直に思いました。
それですぐ、導入しようと決めたんですか?
そうですね、私の前任校が中高一貫校で、そこの中学では1日の学習記録をプリントに記入してファイリングしていました。そのような習慣が、ここの生徒たちにも定着するといいのではないかと。そのツールとして、中高生向けに作られた手帳ならうまく活用できそうだと思ったんです。
さっそく同じ学年の先生に相談して、初年度は当時の1年生2クラスで『スコラ』を使うことにしました。
「明日を映して」は生徒へスムーズに浸透したのですか?
生徒たちに、「生活の記録をとっていくとあなた方の高校生活の質が変わるんだ」ということを充分に伝えることができなかった所があり、うまく活用できないところもありました。一年間を通して記録をさせながら、我々もこれを面談等で使いました。徐々に浸透していったと思います。
ただし、昨年の場合(「明日を映して」使用開始の初年度)は、1年次のみの実践でしたので、指導に限界はありました。生徒が接するのは、担任の先生、部活動の先生、その他いろいろな先生方がいるわけです。年次を超えて、学校全体の実践としないと、なかなかうまくいかないというのが昨年の反省点でした。
具体的にはどんな取り組みをしているのでしょうか?
まずは、『スコラ』をいつも自分の手元に置くことを徹底しています。毎日、学校に持ってきて、家に持って帰るのが基本です。教室以外で行われる授業の際にも、必ず手帳を持参して、授業中は机の上に出しておくというのがルール。毎朝のSHRや各授業での連絡事項(宿題や提出物の提出期限など)はすべてこの『スコラ』に記入します。 最初はなかなか手帳の使い方に慣れていないところもあるので、連絡事項も黒板に書き出して、それをメモするように指導しました。1年間かけて手帳にメモするという経験を積み、2年生になってからは、口頭で話していることをメモするという形に変えています。 手帳の使い方のルールについては、下に紹介している「スコラの使い方」というプリントを生徒に配付して、手帳に貼るようにいってあります。
スコラの使い方
- 1. 手帳は毎日必ず家に持ち帰る。
- 2. 自宅で手帳を開き、次の日の予定を確認する。
- 3. 手帳は毎日必ず学校に持ってくる。
- 4. 授業中は手帳を机の上に出しておく。
- 5. 授業担当者から、宿題や提出期限などの指示が出たら手帳に書く。
- 6. 全ての授業(教室での授業以外にも)、手帳は持っていく。
- 7. 毎朝のSHRでの連絡をメモする。
- 8. 週に1回担任の先生に提出してコメントを記入してもらう。
- 9. 教務室に入るときは、以下のように礼儀正しくする。
- 入る時:ノック
- →失礼します。
- →2年〇組〇〇ですが、〇〇先生に用があってきました。
- →手帳を持ってきましたので、コメントをお願いします。
- 出る時:失礼しました。
- 10.4限終了後に、教務室の担任まで手帳を提出しに行く。
- 11.昼休み終了5分前に、教務室の担任の先生まで手帳を取りに行く。