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NOLTYスコラ プログラムの導入事例

NOLTYスコラ プログラム

導入校の事例をご紹介します。

時間管理の意識を持つために。
取材日 : 2019.08.09
  • 中学校
東京都中野区立第十中学校 様

時間管理の意識を持つために。

「将来を見つめ、学び考える力、自他を大切にする心、たくましく生きる力を育てよう」を教育目標として掲げ、「学力の向上」「社会性の育成」「豊かな人間性の育成」「体力の向上」に関する取り組みを行っている中野区立第十中学校。生徒が手帳を通じて自らと向き合う時間を確保するために行なっている、能率手帳スコラを活用した学校全体の取り組みについて、関 年隆 校長先生、主任教諭 君田 浩子 先生にお話を伺いました。

プロフィール
1954(昭和29年)に創立され、二学期制の特徴を生かした年間計画のもと「確かな学力の向上」、「社会性の育成」、「豊かな人間性の育成」、「体力の向上」をめざした教育を実践している公立中学校。

第1回手帳甲子園優秀校受賞校

第2回手帳甲子園特別賞受賞校

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都道府県 東京都

能率手帳スコラの導入・時間管理の重要性

能率手帳スコラの導入のきっかけについてお聞かせください。

(校長 関 年隆 先生)
大きな目的は生徒の時間管理です。1週間単位で、生徒たちがどのように生活をしているか、という点の把握です。学校での授業や部活動での行動は捉えやすいのですが、家に帰ってからの生活を把握したいと考えました。私たち以上に、生徒自身にも、自分の生活を把握して欲しいと考えました。生徒たちが1週間というスパンの中で、どのように時間を過ごしているかを理解させることで、時間管理ができるようになることを目的として導入することにしたんです。

能率手帳スコラを導入して、生徒たちにどのような効果が見られましたか?

今までは、日記形式の生活記録ノートという活動の記録を毎日つけさせ、提出をさせていました。教員が毎日コメントを書き、返却をするため、生徒との交流という点では良いと思います。 ただ、「何を言って」「何を返して」といった点に焦点があたってしまうんですよね。私たちは1週間単位で、生徒に対して学校の目標を理解させながら、自らの目標を立てさせ、目標を実現するためにはどうのように生活するか、ということを考えさせたいと思ったんです。それに対してできた、できなかった、何故できかなったか、どのような生活をしていたのか、といった点を1週間単位で考えさせ、反省点も含めて記録させたいと考えました。

なぜ1週間単位での提出にしたのですか?

1週間の記録を提出させることで、教員は生徒の生活や目標が把握できます。それらに対して、教員がしっかりとコメントを書き込みます。このコメントが非常に重要で、生徒たちは「先生が見てくれている」と気づいてくれると思います。生活記録ノートのように毎日繰り返すことも良いことだと思いますが、教員によっては授業、その他で時間が全く取れないこともあります。普段は生徒たちと話しもできていますので、1週間単位で考える、という形で良いと思います。

能率手帳スコラを活用することで時間への意識が高まったのでしょうか?

はい、意識が高まりました。 生活記録ノートのような毎日の記録は、生徒からの情報が毎日入ってくる、という点ではメリットが有りましたが、時間管理、という点では効果がなかったと思います。私たち学校として考えたことは、生徒に対して時間管理の基礎を持たせたい、意識させたい、という点です。能率手帳スコラの導入の真の理由はそこにあります。

時間管理の意識をもつことは将来に向けてメリットになるとお聞きしましたが?

私たちも日々時間を考え、行動をしています。1週間を振り返り、あの日の行動は少し無駄があった、と思うことがありますよね。そのように、子供のうちから時間管理の意識への習慣付けが大切だと考えます。導入の際に、1年生から活用をするのは難しいだろうと考えていましたが、2年生、3年生と進級し、卒業をする時に 自分なりの活用ができていれば良いのではないかと考えたんです。中学校で導入している学校はあまり無いと聞いておりましたが、まずは実践してみて、1年間続けた結果を検証して、2年目、3年目にもつなげていこうと考えました。1年目で完璧にできなくとも、時間をかけて、活用することができるようになれば良いと考えています。それが学校としての大きな目標となります。

能率手帳スコラの3年間の活用を考えているとお聞きしましたが?

3年間続けることが一番大事なことだと考えています。3年間実践してみて、最終的な結論を出すようにしたいんです。保護者や地域の皆様の信頼という点もありますので、導入したのに止めてしまった、という状態では、いつまでたっても足踏み状態になってしまいます。実践してみて、駄目だったら止める、という判断ではなく、どこが駄目だったのか、という点を振り返り、改善をすることで2年目につなげていこう、2年目にはさらに改善して3年目につなげていこう、と考えています。他のこともそうですが、3年間実践することで、しっかりと定着すると考えています。

能率手帳スコラを活用した振り返り

学年ごとに指導方法を変えているとお聞きしました。

(校長 関 年隆 先生)
はい、1年生での使い方、2年生での使い方、3年生での使い方はそれぞれ異なると考えています。今年、初めて導入をしましたので、3年生は1年間、2年生は来年で2年間、1年生は来年、再来年で3年間の使用することになります。1年生にはここまで要求をしたほうが良い、2年生にはこのような使い方、3年生ではこのような使い方、と指導をしています。そのような指導で、言われて書くのではなく、自らが進んで書く、活用するようになるのでは、と考えています。手帳を見せる、見せないではなく、手帳を使いこなせるようになることが最終目標であり、その時には時間管理も出来るようになっていると思います。

学年ごとに指導方法を変える理由を教えてください。

学校側としても、1年生からの活用は無理があると考えているので、1年生への指導方法、2年生にはこのような指導方法、3年生ではこのような指導方法、と考える必要があると思うからです。あまり課題を与えすぎると、生徒にとっては苦痛となり「いやだなぁ」「書きたくないな」という状況となるので、そのような点は注意を払っています。

能率手帳スコラの導入後の生徒の反応や、活用状況をお聞かせください。

1年生については、女子生徒がうまく活用にしているように見受けられますが、改善点もいくつかあると感じています。1年生は中学校に入学すると手帳を使うもの、という意識で使いはじめるために、違和感がないように思えます。2年生、3年生は途中からの導入であるため、反応や使い方が異なると思います。はっきりとした検証結果は年度末に出てきますが、活用できていないという印象は全くなく、学年なりにそれぞれ活用できていると感じていますね。

年度末の振り返りも大切なのですね。

学校としても振り返りをしないと、次につながらないと考えています。やらせておけば良いということではありませんから。少なくとも学年単位、学級単位で押さえるポイントを決める必要があります。既に走り始めていますので、年度の切り替わりで押さえるべきポイント、ステップアップの方法などを学年全体、学校全体で取り組んでいくべきだと考えています。

能率手帳スコラを導入してからの先生方の反応はいかがでしょうか?

様々な話は聞いておりますが、うまく活用できる子もおり、大変良いツールである、といった意見はよく聞いております。教員からの話で、メリットとしては、短い単位で目標をたてることができるので良い、という話や、先生からのコメントを楽しみにしている生徒も多い、といった話も多く聞くことができます。総合的には、メリットの方が多い印象がありますね。

何か改善の要望はありましたか?

生活記録ノートの方が細かい情報が入りやすい、といった話もありますが、情報を入れるための手段の一つとして手帳が活用できるように、時間管理など、それ以上の活用もできるため、総合的にはメリットの方が多いと考えています。

学校としてのメリットはあるのでしょうか?

現在の学校というのは宣伝の時代でもあります。 能率手帳スコラを導入することで、生徒の活用状況や時間管理能力が向上した点などを地域や保護者の方々、教育委員会に伝える義務があると考えています。中野区の中学校は学校選択制ではないため、付近に居住する生徒が通います。 その点では宣伝などが必要か、という話もあるのですが、やはり能率手帳スコラを導入して効果を得られた、生徒たちがどのように変化、成長したかという点をホームページや広報で保護者の方々や地域の皆様に伝える必要があると考えています。

能率手帳スコラを活用した指導方法・生徒の変化

能率手帳スコラを活用する上で、注意して指導した事があれば教えて下さい

(主任教諭 君田 浩子 先生)
今まで書く習慣のなかったことを、毎日、毎週実施させるため、「書く」ということについての重要性について、1番最初に説明をしました。中学生は、忘れ物や遅刻で注意されることが多い、なぜ忘れ物や遅刻をするのだろう?という問題提起をして、それは書かないからではないか、というところから説明を始めました。手帳に書くことで覚える、手帳を見返すことで思い出すことができる、という点で書くことが大切だという説明をしました。

書く習慣をつけさせようとしたんですね。

はい。また、手帳であれば1週間単位、1ヶ月単位で振り返りができるので、うまくいった時やうまくいかなかった時の要因を把握することができる、ということを話しました。今まで毎日、毎週「書く」という作業に慣れていないので大変だと思うけれど、とにかく書き続けよう、それが一番だよ、という話を生徒に伝えたんです。

書く習慣を身につけさせるための指導方法を教えて下さい。

学校として決めている方針、指導として、月曜日の朝に担任が「今週の目標」を必ずチェックするようにしました。最初は忘れてくる生徒もいましたが、夏前には教師が注意をしなくとも、今週の目標を必ず書くようになったんです。生徒には、「今週の目標」は素晴らしい内容である必要はない、できることから始めよう、という指導をしました。最初の頃は「寝坊をしない」といった目標でしたが、少しずつ変化が現れ、テストのこと、友達のこと、部活のこと、など少しずつ進歩してきたようです。
また、すべての学年において、帰りの学活で学級委員や日直が次の日の予定を発表し、手帳に書かせるという指導をしています。生徒によっては、授業の際に宿題や明日の持ち物を書き写すといった活用が出来るようになってきました。

生徒達の反応はいかがでしたか?

最初は「書くことを習慣化」する、ということが大変だったようですが、書く行為そのものについては、授業で天声人語の書き写しの指導などもあり、負担にはなっていなかったようです。今では、生徒たちはゲーム感覚、とまでは言いませんが、何かあればすぐに手帳に記入するということで、書くことの楽しさ、安心感というのを得るようになったのではないかと思いますね。

能率手帳スコラを導入してから数ヶ月が経ちますが生徒たちの変化はいかがでしょうか?

女子生徒の方が書く習慣を習得することが早かったようで、書いていない男子生徒に「書きなさい」と書かせているような姿も見受けられました。手帳は必ず鞄に入っていますので、手帳を出して書く、ということが習慣化してきたように見受けられます。

学力の面で効果などはみられたでしょうか?

忘れ物が少なくなり、宿題忘れがなくなったことにもつながってきたため、学力の伸びにつながっているように思います。また、自分たちの掲げている目標にも到達してきているのではと思います。

生徒が良く使っている部分はありますか?

能率手帳スコラにはページ下部に学習時間を塗りつぶしていく箇所があり、1日何分勉強したといった点を励みにしている生徒もいるみたいですね。今週は十何時間勉強するといった目標をたてている生徒もいます。全員ではありませんが、学力の面では忘れ物をしなくなった結果として宿題の忘れがなくなったという点で、以前よりはかなり変化はしていると思います。

コミュニケーションツールとしての能率手帳スコラ

能率手帳スコラの導入から、今までの生徒の変化についてお聞かせください

(主任教諭 君田 浩子 先生)
しっかり記入する生徒が増えてきたように思います。 初めの頃は決まりきった固い内容だったものが、慣れていくにつれて個人的な内容も増え、打ち解けてきた感があります。3年生は1週間の振り返りの欄を使用して細かい受験の相談をしてくる生徒もいますし。教師からのコメントに対して、生徒からお礼のコメントがある、などのコミュニケーションもあります。

学校のこと以外の書き込みもありましたか?

最初の頃は、授業や部活、塾についての記述が多かったのですが、夏以降からは友達との遊ぶ約束なども書くようになりました。生徒によっては落ち込んでいる、沈み込んでいる時期などもあります。その生徒が普段一緒に過ごしている友達も把握ができるので、友達を通して落ち込んでいる生徒の様子を伺うこともできます。生徒達も担任が見ることを前提として手帳にメモを書いてくれているので、様子を伺う判断もでき助かりますね。また、生徒によってはプリクラの写真を載せている場合もあり、そのような点でも、少しずつ信頼関係が芽生えているのかなとも感じています。

能率手帳スコラがコミュニケーションツールになっているのですね。

以前よりはコミュニケーションを取りやすくなっています。日によっては、朝の学活、給食、帰りの学活と3度しか生徒と顔を合わせないこともあり、細かいところまではわからないこともあります。生徒にも日々、様々な状況があり、このぐらい声をかけておこうか、もう少し大丈夫かな、という感触を手帳の内容から推察することができます。また字を見ただけでも、普段と何か違うかも、ということの気付きになるので、そのような点で、コミュニケーションがとりやすくなったうえに、生徒の様子も把握できるようになったので、とても良いと感じています。

生活記録ノートと比べて能率手帳スコラの良い点を教えて下さい。

能率手帳スコラの方が生徒には書いていて楽しいようです。生活記録ノートは、その日の時間割や出来事、感想を記入するので、疲れたなどの短い文章が多かった印象があります。能率手帳スコラは、1週間の予定を振り返って、今週はこうだったなぁ、という感想を記入するため、とても良い習慣になっていると思います。

振り返ることが自ら考えるということにつながるということですね。

そうですね。勉強についてもそうですが、友達との遊びや喧嘩したことなど、その行動に対しての感想や反省など、自発的に振り返れることが、能率手帳スコラの強みなのではないかと思います。能率手帳スコラの1冊のみで生徒の失敗例や成功例が含まれていますので、それがとても大事なのではないかと思います。

生徒のプライベートも垣間見えてくるようですね。

生徒が、どこまでのプライベートを書いているかは分からないですが、教員に知られても良いといった所までは生徒が書いてくれているので、私たち教員が入って良い場所の判断材料になっていますね。

コメントを残すときに心がけている点をお聞かせください。

紙面に残して良いものについては、空いている場所へコメントを残します。顔を会わせて話した方が良いと思われる場合には、「時間をとって話そう」というようなコメントを書きます。

能率手帳スコラを導入する際の保護者の反応についてお聞かせください。

学内の導入決定判断の後、PTA役員の方に来年から能率手帳スコラを導入するということをお伝えしました。少し高いという点をお伝えするとともに、サンプルをお見せしました。PTA役員の方々は「そのように良いものであれば、お金は高くても大丈夫です、やってください」「先生方が話し合って、能率手帳スコラが良いというのであれば子供のためですので導入してください」と二つ返事でご承諾を頂きましたよ。

能率手帳スコラから見る生徒の成長

導入後の保護者の反応についてお聞かせください。

(主任教諭 君田 浩子 先生)
面談の際にお聞きした話で、男子生徒の保護者の方が、勉強をしていないので困りますといったことを仰っていました。その男子生徒の手帳をお見せした、1週間の振り返りや目標を確認してもらったところ、「幼稚っぽい目標なのですが、こういった目標をたてることが出来て良かったと思います。今までボーッとしているのかと思っていたのですが、うちの子も目標をたてているのですね」と喜ばれておりました。

手帳甲子園についてのご感想などありましたらお聞かせください。

最初は手帳甲子園に応募することは考えておりませんでしたが、取り組みをご紹介するつもりで応募した所、優秀校に選ばれて驚きました。生徒にも話した所、日々のことを週の終わりに書いていて、出来ることだけをしていたのに、と驚いていました。表彰式には校長と生徒2名が参加しました。生徒にとっても、表彰式のような場面に何度もでくわすことも無いと思いますので、とても良い経験になったのではないかと思いますね。保護者の方からも、よい経験をさせていただきありがとうございますとお礼を頂きました。

今後のご指導に関してご検討していることなどあればお話をお聞かせください。

能率手帳スコラの導入に関して生活指導部や教務が関わっているのですが、生活指導部からは全校での集会があるときには、手帳を持ってくることを指導し、生徒たちも筆記用具と合わせて持ち込むようになりました。毎年冬休みには、冬休み帳というB4両面のプリントを配って記入をさせておりましたが、やはり毎日を埋めるのが大変だったようです。日々を書いていくとどうしても、端的な表現の「寝た」「映画を見た」という記入になってしまいます。今年の冬休みは13日間しか無かったのですが手帳を活用して、プリントを手帳に貼り、目標を書き、担任が感想を入れて返却をするといった形をとることにしました。

スコラは来年度も使用されますか?

来年度は能率手帳スコラを活用することをもっと考えていこうといった体制がうまれてきています。生徒も何かあればスコラを見よう、という意識が芽生えてきています。今までは、学校の行事について別々のプリントを配布していましたが、今後はそのようなプリントも手帳に貼付けて活用しようという方針を検討しています。手始めとして、冬休み帳はスコラで進めてみよう、という話になりました。また各学年からの意見を生活指導部で取りまとめて、今後活用方法を改良していければと考えています。

能率手帳スコラを活用して卒業される生徒たちへの展望についてお聞かせください。

能率手帳スコラは、時間管理を自分で出来るようになる、ということを考え導入をしました。今の1年生は3年間スコラを使うことになりますので、そういう意味では卒業する時には宝物が3冊できると思います。生徒によく話すのですが、時間だけはみんなに24時間平等に与えられていて、その時間をどう使うかで1日の生活、1週間、1年間が変わっていく、と話をしています。無駄になる時間もあって良いと思いますが、有効に使える時間は帰宅してからの2時間ほどしか無いと思いますが、振り返ることによって反省して、次はこうしようという新しい目標を掲げ、中学1年、2年、3年を過ごし、「なりたい自分」になることを実現して欲しいと考えていますね。1年生ではこうしていたい、2年生ではこうしていたい、3年生ではこうなりたい、卒業したらこうなりたいという希望をもって生活していると思うので、中学卒業時に夢を描いていた「なりたい自分」になってもらえたら、と考えています。

株式会社NOLTYプランナーズ