能率手帳スコラの導入の経緯と生徒の変化
能率手帳スコラの導入のきっかけについてお聞かせください。
能率手帳スコラを採用する以前は、毎週用紙を配り、書かせる、という生徒の記録のとり方を指導していました。
しかしこの用紙では、紙の紛失や、途中の記録が抜け落ちるなど、一元的な管理が出来ず、また、毎週配る用紙であるために先の計画を立てることが難しいという欠点がありました。
なにか良い冊子状のものがないかと探していたところ、能率手帳スコラを紹介いただき、モニターとして導入し、2年目に至ったのが現状です。
能率手帳スコラ導入前の用紙の使いかたや指導方法を教えてください。
用紙の表面には毎日の記録、裏面にはその日・その週の計画を立てさせ、1週間を過ごした後に反省を記入し提出させるという指導をしていました。
毎週用紙を配る形だったため、用紙を紛失したり、ファイルに綴じても上手くまとまらず、残念ながら有効な活用までは至っておりませんでした。
能率手帳スコラを導入後、どの様な使い方の指導をされたのかを教えて下さい。
はじめの1年間は、内容については問わず、とにかく毎日の出来事をありのまま記入する、という事を指導しました。
記録することで、自分の1年間を振り返ることができ、自分を見つめなおす良い材料になればと考えていました。
生徒達はすぐにスコラを活用する事はできたでしょうか?
当初は半分ぐらいの生徒が書けませんでしたね。
中間考査の結果が良かった生徒の手帳を確認すると、能率手帳スコラの生活記録表に様々な事柄を多くメモを残していました。
きちんと記録をとっていた数名の生徒の手帳をコピーし、良い例として他の生徒に配布をしたところ、少しずつ生徒達が自ら工夫をして手帳を活用し始めました。結果として、書けない生徒はいなくなりましたが、書かない生徒が残りました。
「書かない生徒」というのは、どのような生徒だったのでしょうか?
気さくに「なんでもいいから書いてみて」と指導すると、普通に書くことができるんです。
面倒くさくて書かない、自分のことを赤裸々に書けない、恥ずかしい、という理由からあえて「書かない」と割りきってしまった生徒たちでしたね。
「書かない生徒」にその後、変化はありましたか?
少しずつではありますが書きたいことがあると書いてくる生徒が出てきました。
例えば好きなことや、映画のこと、友達と遊んだこと、テレビ番組のことなど、楽しかった出来事を書いてくるようになりました。ただし、勉強については、学習した時間のみを書いてきます。
少しずつですが書くこと、記録することの楽しみを見いだしてきているようで、とても良かったと感じています。
書く力の低下や書く機会の減少が叫ばれていますが、御校の生徒についてはいかがでしょうか?
生徒が書いてくれる以上に、教師が多くのコメントを書く、という姿勢が、生徒にとっての期待感につながり、書く機会や内容が増えてきているように感じていますね。
どの様な内容でも、生徒にとって「見てくれている」という安心感が書く機会や書く力の向上に結びついているのではないかと思いますし、書くことで生徒達も自分自身を見つめなおすきっかけが出来たみたいです。