
「タッチポイント」と聞いて、なんとなく意味は理解していても、活用方法などがよくわからないという方は多いでしょう。
この記事では、タッチポイントの意味や活用する手順について紹介しています。タッチポイントを効果的に使って、商品やサービスのブランディングやロイヤリティを高めたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
タッチポイントとは
タッチポイントとは、企業自体やそのサービス・商品と利用者の接点を意味します。また、顧客接点ともいわれます。
展示会やセミナーなどは、タッチポイントのわかりやすい例です。
ちなみに、必ずしも対面・物理的とは限りません。「Webで広告を見てサービスや企業を認識したとき」「SNSでの商品の口コミを見たとき」などもタッチポイントに含まれます。
タッチポイントの具体例
タッチポイントの例は以下のとおりです。わかりやすいように、物理的な商品がある場合を想定して記載しています。
タイミング | 分類 | タッチポイントの具体例 |
購入前 | 広告 | CM・パンフレットなど |
Web | 自社サイト・メディア・動画サイト・SNSなどのプロモーション | |
購入時 | 店舗 | スタッフ・パッケージ・包装など |
通販サイト | 使い方や商品紹介ページ | |
購入後 | カスタマー サービス | 電話やメールなど |
イベント | 企画したイベントやユーザーコミュニティなど |
商品やサービスを知るところから、購入・利用、アフターサポートまでに、関わるすべての部分をタッチポイントといいます。
タッチポイントとチャネルの違い
タッチポイントと同じような意味でチャネルという言葉があります。タッチポイントとチャネルの違いは分類の粒度で、チャネルのほうが大きな分類です。
例えば、タッチポイントがSNSの場合のチャネルはWebです。また、販売スタッフがタッチポイントの場合は、チャネルは店舗です。
実際に商品やサービスが顧客の手にわたる「接点」かどうかを基準に考えると、違いがわかりやすいでしょう。
タッチポイントが重要な理由
タッチポイントが重要である理由は3つあります。
●認知度やブランドイメージを高めるため
●商品やサービスの利用を促進するため
●マーケティングに役立てるため
続けて、それぞれの理由について解説します。
認知度やブランドイメージを高めるため
タッチポイントは、認知度やブランドイメージを高めるために重要です。
認知してもらえないと、どんなによいサービスであっても広まりません。まずはタッチポイントを増やし、認知してもらえるよう意識しましょう。
さらに、ブランドイメージも合わせてコントロールできる点も、タッチポイントを活用するメリットです。
商品やサービスの利用を促進するため
商品やサービスの利用を促進するためにも、タッチポイントは重要です。
顧客満足度やロイヤリティを向上させるためには「よい体験をした」と顧客に感じてもらう必要があります。
こうした体験が、長期的な顧客ロイヤリティの構築につながります。サブスクリプションで、月額課金モデルを採用している商品やサービスの場合は、とくに重要です。
長期的に利用してもらいLTV(顧客生涯価値)を高められれば、売上を伸ばせるでしょう。
商品自体の質の向上はもちろん、問い合わせ対応でのコミュニケーションや利用サポートなど、購入後・契約後のタッチポイントも大切です。
マーケティングに役立てるため
タッチポイントはマーケティングに役立ちます。それぞれのタイミングで顧客のデータが取得できるからです。
既存顧客や見込み客の行動を推測して、SNSや店舗などでの販売戦略を立てて実行するというところにもつながります。
データを取って、SNSで認知されている一方で、実店舗での購入が想定を下回っている場合は、店舗限定のキャンペーンや店舗の購入をSNSが連動するような施策の実施などの企画を考えられます。
タッチポイントでデータが取れると、マーケティング戦略としての選択肢が広がるでしょう。
タッチポイントを設定して活用する手順
タッチポイントを設定して活用する手順は、以下の4つに分かれます。
1.ブランドイメージを明確にする
2.ペルソナを定める
3.カスタマージャーニーを作成してタッチポイントを決める
4.タッチポイントについての施策の実行と振り返り
それぞれの手順について詳しく説明します。
1.ブランドイメージを明確にする
タッチポイントを設定する前に、まず企業や商品サービスのブランドイメージを明確にしましょう。
顧客にどのような印象を持ってもらいたいのか、どんな価値を顧客に提供したいかを言語化するのが大切です。
ここで、イメージを明確にしていないと、闇雲に広告を打ち出しているというようなマイナスイメージを持たれる場合があります。逆効果にならないよう、慎重に取り組みましょう。
2.ペルソナを定める
次に、ペルソナを決めます。自社のサービスや商品のターゲットとなる顧客の特性を把握するところからはじめましょう。
顧客のニーズや行動パターンをある程度理解したうえで、どんな人物なのかを具体的に定義するとタッチポイントを戦略的に決められます。
3.カスタマージャーニーを作成してタッチポイントを設定する
次ブランドイメージ・ペルソナが決まったら、カスタマージャーニーマップを作成してタッチポイントを設定しましょう。
カスタマージャーニーマップとは、顧客が商品やサービスを認知してから購入するまでの一連の流れを可視化したものです。
具体的な例としては、SNSで認知して、口コミサイトを調べて、通販サイトで購入する、といった流れを資料にまとめます。
このマップをもとに、タッチポイントの設定をします。どのような情報、あるいはコミュニケーションを求めているかを把握してタッチポイントを戦略的に使いましょう。
4.タッチポイントについての施策の実行と振り返り
タッチポイントを設定したら、それぞれに合う施策を実行しましょう。Web・店舗・コンテンツなど、タッチポイントによって取り組み内容は変わります。
別の方から同じイメージが提案された場合は、ブランドパーソナリティとして共通の認識を持ちやすいと判断できます。
施策を実行したら、一定期間で振り返りを行い、実行前後で何を変えて数字がどう変わったのかまで詳細にチェックしてください。施策の実行と改善点探しを繰り返して、売上増加の戦略を立てましょう。
タッチポイントを強化する際のコツ・注意点

タッチポイントを強化する際に気をつけるべき点は3つあります。
●タッチポイントの特性を事前に知る
●タッチポイントをWebとリアルで複数用意する
●タッチポイント同士を連動させる
タッチポイントには、特性があります。例えば、テレビCM・Web広告はアプローチ層が広く、店舗や営業担当などの人については対話ができます。同じような考え方で利用するのではなく、特性に合わせてタッチポイントを活用しましょう。
また、タッチポイントはWebとリアルで複数あるようにするとよいです。オンラインではWebサイトやSNS、オフラインでは店舗やセミナーなど、複数の接点を配置することで、幅広い顧客層にアプローチできます。
最後に、タッチポイント同士をうまく連動させる仕組みを考えましょう。広告での打ち出し方、実際の店舗での顧客体験など、顧客体験を良くできれば、総合的にブランド価値が高まりやすいでしょう。
タッチポイントを戦略的に利用しよう

タッチポイントは、商品・サービスの認知から利用、アフターサポートに至るまでの顧客との接点をいいます。
Webメディア・店舗・アフターサポートなど、タッチポイントによって特性が異なるため、その違いを理解したうえで、戦略的に利用するのが重要です。
なお、対面でのタッチポイントとして、ビジネス手帳の配布が効果的な場合があります。長く使ってもらえるので、よい顧客体験やロイヤリティ向上につながるでしょう。
また、ビジネスで訪問する際や、年末年始の挨拶などにも手帳の活用がおすすめです。タッチポイントの活用方法の1つとしてぜひ、ご検討ください。ご不明な点やお悩みの際は、NOLTYプランナーズにご相談ください。