導入実績
CASE

社会福祉法人恩賜財団済生会 様
時代とともに変化するコミュニケーションツールとしての手帳
職員向けの手帳を長年作成いただいています。
手帳をどのような目的で活用いただいているのか、広報視点からの工夫など詳しくお聞きしました。
お客さまの会社情報
明治天皇が「恵まれない人々のために施薬救療によって生活困窮者を救済しよう」と明治44(1911)年に設立。以来110年以上の活動の中で「施薬救療の精神」という済生会理念の下、「生活困窮者を済(すく)う」「医療で地域の生(いのち)を守る」「会を挙げ、医療・福祉の切れ目ないサービス」の三つの目標を掲げ、日本最大の社会福祉法人として全職員約66,000人が40都道府県で医療・保健・福祉活動を展開している。
従業員数 | ー名 |
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資本金 | ー万円 |
インタビューを受けていただいた方
総務部 広報課
課長心得 河内 淳史 様
杉山 菜央 様
※お写真は河内様
済生会様で手帳を導入し始めた経緯を教えてください
済生会が職員向けの手帳を導入し始めたのは、記録が残っているのは1987年(昭和62年)からですが、それ以前から手帳の制作が行われていたようです。
表紙デザインに込めている想いがあるとお聞きしました
当初は赤や黒といった一般的なカラーの表紙を採用してきました。しかし、広報が手帳の担当となり、少しずつ表紙の色や素材に工夫を加え、2025年版では大きく仕様を変更しました。
北海道の発達支援事業所で描かれた絵を表紙デザインに採用しました。そこに通う子どもたちが自由に描いた絵を、地域のデザイナーの方に一つの作品として仕上げてもらいました。
デザイン:OTARU FONT (https://otarufont.jimdofree.com/)
今回のこの取り組みは、済生会が医療や福祉を通じて地域社会を支える“誰一人取り残さないまちづくり”をしていることを形にしたものです。済生会の職員だけでなく、地域の人々と共に作り上げた表紙デザインは、組織の中で大切にされるべきエンゲージメントを高めるための一環としても期待しています。
手帳を通じて済生会の理念や取り組みに興味を持ち、知ってもらうことも毎年デザインを変更している目的にもつながっています。
広報の視点から済生会様の手帳はどのような役割を期待していますか?
以前は、手帳の主な役割はスケジュール管理や全国の支部や施設の住所録など、職員の業務の利便性を重視したものでした。しかし、現代のデジタル化に伴い、業務の中でもパソコンやデジタルツールが普及し、手帳の基本的な機能はデジタルツールで管理する職員も増えてきました。
そのため、手帳は単なる業務ツールから、済生会の活動や理念を社内へ広報するツールへと役割に変化させていきたいと考えました。その最初の一歩として、表紙の色やデザインを毎年変更することで、職員が手帳を手に取る機会を増やし、済生会の使命や組織の一体感を感じてもらうことを期待しています。
例えば、新型コロナウイルスの影響を受けた年(2021年~2023年版の手帳)には、青を基調とした表紙を採用しました。青は医療従事者への感謝と応援の意味が込められており、手帳を通じて職員を励ますことができればと考えました。 このような取り組みの成果として、新しい手帳を楽しみにしてくれる職員も増え、多くの職員に活用されています。
職員のみなさんのエンゲージメントを高める施策として他にどのようなことを行っていますか?
半年ごとの壁掛けカレンダーも制作しており、職員等が撮影した写真を採用しています。テーマは済生会の紋章である「なでしこの花」。実際に施設で育てているなでしこの写真や、家族や利用者と一緒に写っている写真などをこれまで選んできました。
※壁掛けカレンダーは別会社にて制作
職員や利用者と一緒に作り上げているという一体感も、エンゲージメント向上に寄与すると期待しています。
手帳もカレンダーも、どちらも実用性がありながら長く使ってもらえることがポイントです。コストパフォーマンスの高さも、これらを採用し続けている理由です。
今後の展望をお聞かせ下さい
手帳のデザインを毎年変えていますが、その発表を楽しみにしている職員も増えています。新しい手帳を受け取るたびに「今年はどんなデザインだろう?」と興味を持ってもらうことも、手帳を活用してもらうための一つの工夫です。 手帳が全国に配布されることで、地域の取り組みが全国に知れ渡り、他の地域でも同様の取り組みが始まる可能性が増えてくれると嬉しいです。
例えば、今回採用した北海道で始まった取り組みが、済生会の手帳を通じて日本全国にまで届くことで、新しいプロジェクトが生まれるかもしれません。手帳を通して地域を超えて人と人を繋ぐ役割も果たしてくれるのではないかという期待もしています。
今後の展望としては、カレンダーのように手帳の表紙デザインを職員や利用者から公募や、アイデアを取り入れることで、より一層の愛着と一体感を生むことができたら良いなと考えています。
済生会の手帳が持つアピール力を利用して、他企業や団体とも連携し、地域社会全体に広がるような活動を推進していきたいと考えています。
インタビューを終えて
済生会様の手帳は、時代とともにその役割や期待を変えながら長く続けられてきました。スケジュール管理ツールとしての役割から、広報ツール、地域との連携を深めるコミュニケーションツールへと成長し、職員のエンゲージメントを高めるための一因を担っていました。
手帳やカレンダーを通して、済生会という大きな組織の中で働く職員が自分たちの位置を再認識し、連帯感を深めるための重要なツールとして、今後も済生会の理念を伝え続け、職員間および地域との繋がりを強化する一助として、重要な役割を果たし続けていただけるように今後もご支援できればと考えております。