体操教室「レジックスポーツ」では、小学1年生から高校3年生までの選手たちが競技会出場を目標に日々練習に励んでいます。全国大会や世界大会にも挑戦する彼らは、日々の練習でフォーゼをどのように活用しているのでしょうか。
NOLTYスコラ 部活プログラムの導入事例
NOLTYスコラ 部活プログラム
導入校の事例をご紹介します。
自立した選手を育て、自走するチームを作る
先生の声
フォーゼは「自分を育てる」ツール
フォーゼを使う前は、独自の体操ノートを使っていました。選手に自由に書かせていたのですが、自由度が高すぎて「何を書けばいいのか分からない」と戸惑う選手が多く、振り返りや分析まで活用できているケースはほとんどありませんでした。
ノートは週1回提出させ、先生がコメントをして返していましたが、いわば先生と選手の交換日記のような状態になっていました。またそのやり取りの中で、つい指導まで書き込んでしまうため、ノートが指導ツールになってしまい、選手自身が主体的に振り返る機会にはつながりませんでした。
私は、指示どおりに動くだけの選手ではなく、自立した選手を育てることが大切だと常に考えてきました。中学生や高校生でも自立心は十分に伸ばせるはずです。その想いから指導法を見直す一環としてフォーゼを導入しました。
練習場だけで選手の成長を完結させることはできません。私生活も含め、自分を見つめる時間が必要です。そこでフォーゼを「自分を育てるツール」と位置づけ、日々の練習や生活を振り返らせることで、選手一人ひとりの主体性と自立心を引き出したいと考えています。
練習に取り組む姿勢が変わり、成績もアップ
最初のうちはほとんど書けなかったり、空欄が目立つまま提出したりする選手もいました。けれども続けるうちに書く内容が変わり、同時に練習内容への向き合い方、取り組む姿勢そのものが変化していきました。
練習メニュー自体は先生が決めていますが、以前は「45分で4種目をすべて行う」といった細部まで、手順を1から10まで指示していました。今では「この時間でこのメニューをこなす」という大まかな枠だけを示し、その中身は選手が自分の目的に合わせて組み立てるようになっています。
こうした自主性の高まりに伴い競技レベルも自然に向上し、今年はその成長が結果にも表れました。大きな手応えを感じています。
個人競技でもチームとしての結束力が必要
体操は個人競技であると同時に、チーム競技でもあります。チーム戦では各選手の得点の合計がチーム得点になるため、チーム全体での結束が不可欠です。ただし、全員が同じことをするわけではないので、共通の方向性を共有しつつ、各自が自分なりの方法で目標を設定し、その力を持ち寄ってチームを形づくる必要があります。
大会には個人戦とチーム戦の両方があります。チーム戦を控えた時期には、定期的にミーティングを開いて意見交換を行い、チームづくりを進めます。そのうえで選手一人ひとりが「チームにどう貢献するか」「自分に足りないものは何か」をフォーゼに記入し、課題を整理して強化を図っています。
試合ごとにチーム編成が変わるため(中体連なら中学生、高体連なら高校生、ジュニアクラブの大会なら中高生合同など)、そのチームづくりも選手たち自身で進めてもらいます。指導者は一切介入していません。必要なタイミングで自分たちで集まり、主体的に動いています。私たちから見ても、各チームが目標に向かって「どう進むべきか」をしっかり話し合い、自走できていると感じます。
主体的なチーム作りができるようになった
以前は「選手 対 先生」という関係で、チームづくりも先生主体でまとめ、選手はそれについてくるのが当たり前でした。ところが今では、私たちが到達点だけを示せば、子どもたちが自分たちでチームを作り上げるのが当たり前になっています。
フォーゼを導入して2年目、ちょうど1年ほど経った頃でしょうか。「あれ? 自分から動き始めている」と、小さな変化に気づきました。そのタイミングで私たち指導者も声のかけ方や指導法を話し合い、改善を重ねてきました。
今年は年度初めからチームづくりを始め、キャプテンが言いにくいこともズバッと言う、“ズバズバ係”として率先してチームをまとめました。ときには激しい言い合いになり、涙する場面もありましたが、コミュニケーションを重ねてチームを築いていったと思います。さらに、個人の目標を見える化したことで、チームと個人が相乗効果を生み出せたのではないでしょうか。
試合会場でも、私たちが指示を出さなくても選手たちは自分たちで動けていました。緊張をほぐす声かけすら必要なく、成長した姿を見守りながら試合に臨めたのは大きな変化です。昨年から今年にかけてメンバーは多少入れ替わりましたが、チームの姿勢は格段に進化したと感じています。
社会に出てからも役立つ力を身につける
体操競技には個人戦と団体戦がありますが、どちらかといえば個人競技の色合いが強いのが特徴です。そのため選手たちは競技力が高くても、対人コミュニケーション力などを社会で発揮しにくいことがあります。そこは私たちがフォーゼなどを活用しながら少し手を添え、体操で培った経験を社会でも活かせるよう導いてあげたいと考えています。
そうした変換さえできれば、社会でも十分に活躍できるはずです。小学生から高校生まで体操に取り組んできた経験は、その点でも大きな財産になっていると思います。
選手の声
Bさん:高校1年生、NHK杯出場・愛知県アジア事業強化選手
Cさん: 中学3年生、ジュニアナショナル選手 2026年3月国際大会に出場予定
Dさん:小学5年生、全日本大会で個人総合優勝 U12の次世代強化選手
フォーゼにはどのようなことを記入し、活用していますか?
Aさん:練習が終わって家に帰ってから書きます。まず1日に食べたものを全部記録し、それから練習の反省、種目ごとに気づいたポイントや、自分が意識したことを具体的に書き込んでいます。書き込んだ内容をもとに次の練習に活かしています。
Bさん:寝る前にまとめて書いています。練習で取り組んだ内容と、うまくできなかった理由を書いています。また練習でうまくいかなかった日も、家に帰ってノートをめくると、以前できたときの感覚を詳しく書いたページがあります。そこを読み返して次の日に意識してみるなど、振り返りと改善に役立てています。
Cさん:わたしも家に帰ってから書きます。今日行った練習の内容と、もし技ができなかったら、その理由と反省を書いています。翌日そのページを確認してから練習すると、ポイントを忘れずにできるようになりました。
Dさん:練習のことを記録することが多いです。1日の練習を振り返りながら感じたことや技のポイントを書いています。技がうまくいかなかったときに、まとめておいたポイントを見返すと、次の練習ではきちんと意識してできるようになりました。
フォーゼを書き続けて、どんな力が身につきましたか?
Aさん:最初は簡単な感想程度しか書けませんでしたが、最近は一つひとつの技を細かく分析できるようになりました。成功率の推移を自作の「確率表」にまとめ、今どの技が課題なのかを自分で把握しながら練習に活用しています。
Bさん:私も同じで、1年前までは「○○ができてうれしかった」と感想を書く程度でしたが、今は足りないポイントや改善策を具体的に記録できるようになりました。
Cさん:わたしも当初は「今日はこれができた」程度のメモでした。でも書き続けるうちに、できなかった原因や、できたときの要因を考えて書けるようになり、練習の質が上がりました。
Dさん:以前は技がうまくいかなくても原因がわからずモヤモヤして終わっていました。でも今はポイントをしっかり書き残しているので、次に同じ壁に当たったときにすぐ思い出して改善できるようになりました。
フォーゼはメンタル面でも支えになっていますか?
Aさん:うまくいかない日は、そのときの感情をとにかく書き出します。後日ふと思い立って読み返すと、「自分ってこんなことで落ち込んでいたのか」と笑えてきます。自分を客観的に見直せるのが面白いですね。
Bさん:私もストレス発散として感情を書きます。ノートに吐き出すだけで気持ちが軽くなります。
Cさん:私は、感情はあまり書きませんが、調子が崩れた日は「なぜできなかったのか」を徹底的に分析して残します。
Dさん:日記は付けていませんが、技がうまくいったときに「何を意識したか」を細かく記録しています。試合で先輩の演技を見たときも、その感想を書き留めています。
チーム作りという面では、フォーゼをどのように活用しましたか?
Aさん:年度初めに全員で集まり、最終目標を決めました。今年は「11月の全日本団体で表彰台に立つ」がゴールです。そこから逆算して「各自が何点必要か」「どの種目で何点取るか」を細かく洗い出し、枝分かれチャートにまとめて全員で共有しました。
話し合いだけだと時間が経つにつれて忘れてしまいますが、手帳に書いておけばいつでも見返せます。ページを開くたびに目標を再確認できるので、「もう一度頑張ろう」という気持ちが自然と湧いてきて、選手同士で確認し合える点も良かったです。
フォーゼのサポートツール(※)はどのように活用しましたか?
Aさん:目標達成MAPでは、今年はインターハイで3位以内という大きな目標を掲げ、小さな目標に分解しておき、試合ごとに振り返りを記入してマスを埋めていく方式にしました。そうすると次の試合でもうまくチームとしてまとまっていた実感がありました。 役割表はみんなの性格を考えたうえで決めました。選手同士は小学生のころからずっと一緒なので、お互いの性格は大体わかっていますが、改めて相手のことをよく考えて、より適切に役割を割り振れました。私はわりとズバズバものを言うタイプなので“ズバズバ係”になりました。気づいたことを遠慮なく指摘する担当です。
Bさん:私は“自信を与える係”です。不安そうにしている子や自信がなくなって泣きそうになっている子に『大丈夫、できるよ』と声を掛ける役目を担いました。
※…NOLTYスコラ部活プログラムは各自のノートとは別にチームビルディングのためにみんなで話し合って決める役割表や目標達成シートといったサポートツールが付属しています。
フォーゼの書き方で工夫していることはありますか?
Aさん:私は色分けをよくします。大事だと思ったところは色ペンで書き込んだり、棒人間のイラストを描いたりして、目に入りやすくしています。
Bさん:私は文章をたくさん書くわけではないんですが、大切だと思った部分を赤で囲んだりして強調しています。
Cさん、Dさん:私も色ペンや記号を使っています。
スマホでの記録と手書きでの記録の違いは何ですか?
Aさん:スマホは電源が切れたら見返せなくて不便です。それに、紙に書いた方がパッと開けるし、私は字を書くのが好きなので、文章で書き出した方が気持ちがスッキリします。
Bさん:スマホに入力すると頭に残らないんです。練習で気になったことも、ノートに書いた方が断然覚えやすいです。言葉に加えて目印も書けますし、そういう工夫はスマホではなかなかできません。
Cさん:スマホのメモに思ったことを残すより、手で書いた方がしっかり頭に入ります。考えを整理しながら書き留められるので、私はノートのほうが合っています。
Dさん:スマホだと打ち込むだけで終わってしまう感じがあります。紙に書くとある程度時間がかかるぶん、内容が頭に定着します。
書くことを習慣化するコツは何ですか?
Aさん:正直、もう習慣になっているので“コツ”と言えるものはあまりないんです。最初は書くのが好きではなく、『今日は面倒だからやめておこう』という日も続いていました。でも自分のレベルが上がるにつれて、考え方を変えないといけないと思い、整理する必要性に気づいたんです。それからは寝る前に必ずフォーゼを書くようにしています。
Bさん:私はフォーゼをどこに行くにも持ち歩きます。もし書くのを忘れてしまったときに、思い出したらすぐに書けるようにするためです。時間があるときを見つけてすぐ書くことが大事だと思います。
Cさん:小学生のころはまったく書かず、提出日に真っ白なノートを出して怒られたこともありました。でも怒られているうちに「書かないと振り返りができない」と気づきました。それからは自主的に書くようになり、自然と習慣になりました。
Dさん:特別なコツはありませんが、書かないと気が済まないから書いています。


