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SDGコンパスとは?5つのステップと活用のためのポイントを解説
企業のSDGs導入の指針となるSDGコンパスには、5つのステップがあります。今回ご紹介するSDGコンパスステップ1は「SDGsを理解する」です。
SDGs導入の最初のステップとはいえ、具体的にどんなことをすればよいのかわからないというご担当者の方も、多くいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで本記事では、SDGコンパスステップ1で何をすべきか、具体的に解説します。学習方法の例も紹介していますので、ぜひご覧ください。
目次
SDGコンパス ステップ1:SDGsを理解する
SDGコンパスのステップ1は「SDGsを理解する」です。自社でどのような取り組みを行うにしても、まずはSDGsについての基礎知識を身につけていなければ、会社としての方針を決めることはできません。 目標設定や目標達成に至るまでの計画策定などは、SDGsについての基礎知識があることが前提となります。
また、経営陣がSDGsについて理解しているだけでなく、社員が自分自身の生活や自社の事業に関連する「自分ごと」として考えることができなければ、よいアイデアは生まれません。
SDGsは、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指すために掲げられた国際目標です。企業がSDGsに取り組むべき理由 には、次のようなものがあります。
●企業価値の向上
●消費者の購買行動を促進する
●価格競争から脱却できる
●海外進出に役立つ
●将来的に必須項目になる可能性がある
●コスト削減に繋がる
●人材の確保に繋がる
SDGsへの取り組みを行うと、企業としての社会的責任を果たせるだけでなく、上に述べたメリットを享受できる機会が得られます。そのためには、まずはSDGsの理解を社員に促すことが必須です。
SDGコンパス ステップ1でやるべきこと
SDGコンパス ステップ1で取り組むべきことは、次の2つです。
●SDGsを理解するための学習
●SDGsに関連する自社事業を見つける
それぞれ、具体的な内容について解説します。
SDGsを理解するための学習
まずは、SDGsを理解するための学習を行います。具体的には、次のような内容です。
●SDGsとは何か
●企業がSDGsに取り組むべき理由
●企業がSDGsに取り組むメリット
●具体的に何を・どんな手順で進めればいいか
世界中の企業が、SDGsについて理解を深めたうえで取り組みを行うことで、SDGsの達成により近づきます。 SDGsについて学んでから行動するのと、指示された通りに動くのとでは、目標達成度に差が生じるのは必然です。ひとつの企業で生じる差は小さくても、それが世界規模で積み重なれば、大きな差となります。
つまり、SDGsについて学んだ後に具体的な行動を起こすことで、取り組みの効率アップが狙えるでしょう。 また、ステップ1でできるだけ多くの社員がSDGsについて学んでいると、ステップ2以降をスムーズに進められます。
SDGsに関連のある自社事業を見つける
SDGsについて学んでいると「この項目は自社の業務と関連がありそうだ」「この項目はあの企業とパートナーシップを組むとうまくいきそう」といったアイデアが浮かぶことがあります。
このような、考えたことや気づきなどは、忘れないようメモしておきましょう。この時点では、実際に効果があるのか、実現できるのかなどを考える必要はありません。
自社の事業に関わるSDGsの項目の洗い出しについては、SDGコンパス ステップ2で行います。ステップ1では、ステップ2で行う作業のサポートとなるように、気づいたことをメモしておくだけで充分です。
可能であれば、メモした項目がSDGsの17の目標のどれに該当するかについて簡単に記載しておくと、よりスムーズにステップ2に進めます。
SDGsについて学習する方法
SDGsについて学ぶには、次のような方法があります。
●資料や本を利用する
●動画を利用する
●セミナーに参加する
●研修会を行う
●通信講座を利用する
それぞれの方法について、メリットや具体的な教材の例を紹介します。
SDGsの資料や本で学習する
資料や本を活用することで、SDGsについての学習を進められます。
SDGsについて学ぶときにチェックしておきたい資料が「持続可能な開発のための2030アジェンダ」です。「持続可能な開発のための2030アジェンダ」とは、2015年にニューヨーク国連本部で開催された「国連持続可能な開発サミット」の成果文書として発表されたものです。
2030アジェンダ には、次のような内容が書かれています。
●17の目標と169のターゲット
●実施手段とパートナーシップ
●フォローアップとレビュー
これを読めば、SDGsとはどんなものか、どんな行動が貢献につながるかが書かれています。そのほか、SDGsに関する書籍も数多く出版されているので、ぜひ学習に利用してみてください。
本や資料を使って学習するメリットは次の3つです。
●セミナーや研修会の事前知識を得るのに役立つ
●音を出せない場所でも学習を進めやすい
●書き込みをしながら自分なりに理解を深められる
YouTubeなどの動画を利用して学習する
YouTubeなどの動画を利用しても、SDGsについての学習を進められます。例えば、国連WFPやNHKなどがSDGsに関する動画を配信しています。
また、SDGs.TVは、2016年にSDGsの普及啓発を目的にスタートしたメディアです。多数の動画が掲載されており、生徒向け動画だけでなく教員向け動画やビジネスチャンネルも配信されています。
動画を使って学習するメリットは次の4つです。
●移動中の時間を使って学習できる
●わからない部分だけ繰り返し見直せる
●興味がある分野を重点的に学習しやすい
●映像の効果で学習内容についてよりリアルに感じられる
セミナーに参加する
セミナーに参加して、SDGsについて学ぶのもひとつの方法です。セミナーは各地で行われていますし、オンラインで実施されるケースもあります。
例えば「日経イベント&セミナー 」のページには、これから実施されるSDGsに関するセミナー情報が多数掲載されています。
セミナーでSDGsについて学ぶメリットは次の3つです。
●専門家から直接話が聞ける
●他のセミナー参加者と交流できる
●最新の情報が学べる
研修会を行う
外部で行われているセミナーに参加するのではなく、自社で研修会を行う方法もあります。例えば、茨城県古河市 では2022年に若手職員を対象とした講義やグループワークを実施しました。
他にも、研修を行ったことを公開している企業や自治体は数多くあります。自社でどんな研修を行ったらよいのかわからない場合には、そうした事例を参考にしてみるとよいでしょう。
研修会を実施してSDGsについて学ぶメリットは次の3つです。
●自社にあった内容の研修を受けられる
●継続して研修を実施できる
●繁忙期などを避けて実施できる
通信講座を利用する
通信講座を利用して、SDGsについて学ぶことも可能です。カリキュラムや学習方法などを比較しながら、受講する講座を選びましょう。
例えばNOLTYプランナーズが提供している通信教育プログラム「SDGs超入門」では、SDGsの基礎知識からビジネス活用までを高速で学べます。動画で学習を進められるだけでなく、レポートの提出や添削によって理解度を引き上げられるカリキュラムが特徴です。
通信講座を利用してSDGsについて学ぶメリットは次の3つです。
●個々の社員のペースに合わせて学習を進められる
●添削によって理解度を確認できる
●専門家が作成したカリキュラムに沿って学べる
SDGコンパス ステップ1でSDGsについての理解を深めよう
SDGコンパスステップ1は、SDGsについての理解を深めるステップです。SDGsについての学習を実施するとともに、自社の業務と関連する項目を見つけることから始めましょう。
SDGsを学習するには、資料の確認や研修会の実施以外にも、動画や通信講座を利用する方法もあります。本記事を参考に、SDGsの学習方法を検討してみてはいかがでしょうか。
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