SDGsに取り組む意義が見いだせず、特別な取り組みをしていないという企業もあるかもしれません。
しかし、SDGsに取り組まないことには、実は明確なリスクがあるのです。
そこでこの記事では、SDGsに取り組まないことで発生するリスクと、今からSDGsに取り組むためにできることを解説します。
SDGsに取り組まないとどのようなデメリットがあるのか知りたい方は、ぜひご覧ください。
目次
SDGsに取り組まないことで発生するリスク
SDGsに取り組まないことで発生するリスクは次の6つです。
・人材を確保しにくくなる
・他社との取引が難しくなる可能性がある
・資金調達が難しくなる
・新たなビジネスの機会を逃す可能性がある
・企業のイメージが低下する
・従業員のモチベーションを維持しにくくなる
それぞれ、詳しく解説します。
人材を確保しにくくなる
長く続いている少子化の影響もあり、日本の労働人口は減少しています。
すでに多くの業界で人手不足が心配されていますが、SDGsに取り組まないと、さらに人材の確保が難しくなる可能性があります。
優秀な人材ほど、企業がどのようにSDGsに取り組んでいるかを応募の際の基準とする傾向があります。
また、SDGsには「働きがいも経済成長も」という、労働問題に直結する目標もあります。
この目標に積極的に取り組んでいる企業は、従業員から見て働きやすい企業です。
応募者はできるだけ働きやすい場所で仕事をしたいと考えているため、SDGsへの取り組みを行わない企業は、今後人材を確保しにくくなる可能性があります。
他社との取引が難しくなる可能性がある
SDGsに取り組まない企業は、他社との取引が難しくなる可能性があります。
今後、取引先を選ぶうえでも、SDGsに取り組んでいるかどうかが重要になる可能性があります。
特に、SDGsに対する意識が高い、欧米をはじめとした海外企業との取引では、SDGsへの取り組みが重要になるでしょう。
他社との取引なしでビジネスを行える企業はありません。
今後、取引先を減らさないためにも、SDGsへの取り組みは必須と言えます。
資金調達が難しくなる
SDGsに対して取り組まないことで、資金調達が難しくなる可能性もあります。
現在では、銀行や投資家もSDGsに注目しています。
ESG投資も活発です。
ESG投資とは、企業の財務状況だけでなく、環境や社会、企業統治の状況にも注目しながら投資をすすめることです。
投資によってSDGsに貢献できるだけでなく、運用面でも成績が良い傾向があります。
ESG投資は、銀行や投資家にさまざまなメリットがあるのです。
ESG投資がますます普及すると、SDGsに取り組んでいない企業は、資金調達の機会が減ってしまうと言えます。
新たなビジネスの機会を逃す可能性がある
SDGsに取り組まないと、新たなビジネスの機会を逃す可能性があります。
SDGsは、大きなビジネスチャンスです。
SDGsに取り組む中で、新たなビジネスが生まれる可能性もあります。
例えば、環境問題に配慮した電気自動車は、SDGsに関連して大きくなったビジネスだと言えるでしょう。
日頃から積極的にSDGsに取り組んでいれば、こうしたビジネスチャンスをいち早くつかめる可能性が高まります。
企業のイメージが低下する
SDGsに取り組まないことは、企業イメージの低下にもつながります。
現在、多くの企業がSDGsに対する取り組みを行っています。また、消費者のSDGsに対する意識も高まっています。
例えば、SDGsに積極的に取り組む企業を調べ、そうした企業の商品を優先的に購入する消費者や、環境に悪影響を与える素材を使った商品をなるべく選ばない消費者もいるのが現状です。
このように、社会や環境に配慮しながら商品を選ぶやり方は「エシカル消費」とも呼ばれます。
エシカル消費を意識する消費者が増えれば、SDGsに積極的に取り組んでいない企業の商品は選ばれなくなってしまうだけでなく、企業自体のイメージが低下する可能性もあります。
従業員のモチベーションを維持しにくくなる
SDGsに積極的に取り組まない企業は、従業員のモチベーション維持も難しくなるでしょう。
SDGsには「働きがいも経済成長も」をはじめとして、労働に関連する目標も複数あります。
労働に関するSDGsに積極的に取り組んでいる企業は、SDGsに直接関連しない部分でも働きやすい環境が整っている傾向があります。
働きやすさを感じられる環境なら、従業員もモチベーションが高い状態で仕事を進められるでしょう。
また、自分の働いている会社が積極的にSDGsに取り組んでいれば、従業員はその会社で働いているだけでも社会貢献していると感じられ、モチベーションにつながります。
このように、SDGsに取り組まない企業では、従業員のモチベーションを維持しにくくなるリスクがあります。
今からSDGsに取り組むためにできること
まだSDGsに取り組んでいない企業が、今からSDGsに取り組むためにすぐできることは次の4つです。
・まずはSDGsについて知る
・自社で取り組めるSDGsの課題を探してみる
・少しの工夫ですぐにできることから始めてみる
・定期的に取り組みの内容を見直し、レベルアップする
それぞれ、詳しく解説します。
まずはSDGsについて知る
SDGsへの取り組みは、まず知ることから始めましょう。
特に、経営陣はきちんとSDGsに関する知識をつけておかなければなりません。
経営陣のSDGsに関する知識が浅いまま、表面だけほかの企業のマネをしてSDGsに取り組むと、効果が低い取り組みにもかかわらず従業員に負担がかかってしまう可能性があります。
また、SDGsウォッシュの批判を浴びるリスクもあります。
※SDGsウォッシュについてのコラムはこちら
そのため、まずはSDGsについての正しい知識をつけることから始めてみてください。
自社で取り組めるSDGsの課題を探してみる
次に、自社で取り組めるSDGsの課題を探してみましょう。
SDGsの目標は非常に広い範囲にまたがっており、1つの企業がすべての課題に取り組まなければならないわけではありません。
まずは、自社が関係する課題を探してみてください。
例えば、製造業なら「つくる責任つかう責任」、建築業なら「住み続けられるまちづくりを」といった目標に注目してみるとよいでしょう。
SDGsのどれにも該当しない、無関係だという企業はありません。
各目標に複数のターゲットも設定されているため、より自社と関連の深そうな目標を選んでみましょう。
少しの工夫ですぐにできることから始めてみる
SDGsへの取り組みには、さまざまな方法があります。
始めたばかりの時はついつい大幅なてこ入れをしたくなりますが、最初は労力やお金をかけず、すぐにできることから始めてみましょう。
一気に環境を変え、負担がかかるやり方でSDGsへの取り組みを行うと、社員のモチベーションが下がる原因となります。
業務に支障が出ないよう、小さな取り組みから進めていくことが重要です。
定期的に取り組みの内容を見直し、レベルアップする
最初の少しだけの取り組みで満足せず、定期的に見直して少しずつ活動をレベルアップさせていくことも重要です。
新しい取り組みを追加するだけでなく、PDCAサイクルを回し、現状の取り組みに問題点があれば改善していきましょう。
定期的に見直しの機会を設けることで、取り組みの形骸化を避け、質の高い取り組みを維持できます。
SDGsへの取り組みでリスクを避けられる
SDGsに取り組まないことには、多くのリスクがあります。将来のさまざまなリスクを避けるために、今から少しずつでも、SDGsへの取り組みを始めてみましょう。
できるだけ従業員に負担がかからないところからスタートし、少しずつレベルアップしていくやり方がおすすめです。
この記事を参考に、まずは経営陣がSDGsについて知るところからスタートしてみてはいかがでしょうか。
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