コラム COLUMN

2022.10.18

ISO対応をSDGsに活用する方法とは?関係性も詳しく解説

目次

ISO対応に取り組んでいる企業も多いでしょう。

実は、ISO対応はSDGsに関する取り組みにも活用できます。

しかし、それを聞いてもどのように活用すればよいのかイメージできないという方も多いでしょう。


そこで本記事では、ISO対応をSDGsに活用する方法や、ISOとSDGsの関係性について詳しく解説します。

ISO対応に取り組んでいる企業の方や、これからSDGsに関する取り組みを行おうと考えている担当者は、ぜひご覧ください。



ISOとは

ISOとは「International Organization for Standardization(国際標準化機関)」の略で、スイスのジュネーブに本部を置く非政府機関です。


世界的に同じ品質の商品を提供することを目指す機関で、提供する商品の基準を制定しています。

ISOが制定した規格はISO規格と呼ばれ、参加国の投票によって制定や改定が行われます。


ISOで規格が定められているものの例は、以下のとおりです。


・非常口のマーク

・カードのサイズ

・ネジ


例えば、参加国であれば海外に行っても非常口のマークは同じなので、非常時にはすぐに見つけられます。

また、海外ブランドのクレジットカードでもサイズは同じなので、日本で買った財布のカードケースに入らず困る、といったトラブルも起きません。


ISOでは、製品だけでなくマネジメントシステムに関する規格も制定しています。

マネジメントシステムに関する規格は「ISOマネジメント規格」と呼ばれ、次のような種類があります。


・品質マネジメントシステム規格

・環境マネジメントシステム

・情報セキュリティマネジメントシステム規格

・労働安全衛生マネジメントシステム規格

・医療機器の品質マネジメントシステム規格


マネジメントとは、組織内のメンバーが同じ目標に向かって行動できるよう管理することです。

マネジメントシステムとは、マネジメントを適切に運用するための仕組みのことを指しています。

マネジメントシステム規格の認証を受けることで、社会的な信頼を得られる点がメリットです。


つまりISOとは、物や組織運営に関する標準化を認証する機関のことです。



ISOとSDGsの関係

ISOとSDGsは、一見なんの関係もないように感じられるかもしれません。

しかし、実はISOのマネジメントシステムとSDGsの目標の中には、非常に相性のよいものがあるのです。


特に、ISO14001は「持続可能な開発のための経済人会議」から要請を受けてISOが策定した国際規格です。

つまり、ISO対応のマネジメントシステムを活用しながらSDGsに関する取り組みを行えば、どちらにも対応しながら効率よく業務を進められる可能性があります。



ISOのマネジメントシステムを活用したSDGsへの取り組み

ISOのマネジメントシステムを活用したSDGsへの取り組みとしては、次の3つの方法が考えられます。


・ISOマネジメントシステムの目標をSDGsに対応させる

・ISO14001の目標でSDGsに対応する

・ISO26000を活用したSDGsの目標設定を行う


それぞれの項目について、詳しく解説します。



ISOマネジメントシステムの目標をSDGsに対応させる


ISOマネジメントシステムの目標をSDGsに対応させることで、SDGsへの取り組みが行えます。


ISOマネジメントシステムでは、まず目標を設定し、その目標を達成するための運用が求められています。

ISOマネジメントシステムの目標として、SDGsにも貢献できるものを設定すれば、ISOマネジメントシステムを運用しながらSDGsに対する取り組みも行えます。


各ISO規格が、SDGsのどの目標に貢献できるか調べるには「ISO&SDGs」を確認してください。

まずは、自社ですでに取り組んでいるISOマネジメント規格の中で、SDGsに貢献できるものがあるか確認してみるとよいでしょう。



ISO14001の目標でSDGsに対応する


ISO14001とは、環境マネジメントシステムに関する規格です。社会経済的なニーズとのバランスを取りながら、環境保護と汚染の予防を目指すためのガイドラインです。


ISO14001において「環境」とは、次のような項目のことを指しています。


・自然環境

・借入先

・従業員

・国・公共

・地域社会

・株主

・顧客

・仕入先


一般に「環境」と聞いたときにイメージしやすい自然環境だけでなく、企業を取り巻く全てのものが「環境」として指定されています。


従来、公害が発生した場合には特定の発生源に対して法規制を行うことにより対策が行われていました。

しかし、法規制だけでは対応できない問題も多く発生してきたことから、自主的に環境保護を行い持続可能な社会へ移行するために、環境マネジメント規格であるISO14001が誕生したのです。


ISO14001は、「持続可能な社会へ移行するための環境マネジメント」という点で、SDGsと非常に関連の強い規格でもあります。

ISO14001は、SDGs17の目標のうち12の項目に貢献可能です。


このように、ISO14001とSDGsは親和性が高いため、同時に運用可能です。

ISO14001の目標を設定する際に「SDGsに貢献できるか」という視点を持ったり、すでに設定しているISO14001の目標のうち、どれがSDGsにも対応できるかを確認したりすることで、効率的な取り組みが実現します。


ISO26000を活用したSDGsの目標設定を行う


ISO26000とは、組織の社会的責任に関する規格です。

企業だけでなくすべての組織に適用可能な規格で、持続可能な発展への貢献を最大化することが目的とされています。

認証規格ではなくガイダンスとして利用するものであり、登録審査などはありません。


ISO26000には、社会責任の原則として以下の7つが定められています。


1.説明責任

2.透明性

3.倫理的な行動

4.ステークホルダーの利害の尊重

5.法の支配の尊重

6.国際行動規範の尊重

7.人権の尊重


中核主題として以下の7つの項目が設定されています。


1.組織統治

2.人権

3.労働慣行

4.環境

5.公正な事業慣行

6.消費者に関する課題

7.コミュニティ参画および発展


さらに、社会的責任を組織全体に統合するための手引きもあります。

ここまでを見るだけでも、SDGsと関連の強い項目であることがわかるでしょう。


SDGsに関する目標を設定する際には、ISO26000を手引きとして活用できます。



ISO対応がSDGsへの取り組みにつながる

ISOとSDGsは一見あまり関係がないもののように思われるかもしれませんが、実は密接な関係があります。

特にISO14001は、「持続可能な開発のための経済人会議」から要請を受けて作られた、SDGsと関連の深い項目です。


ISO&SDGs」では、各ISO規格がSDGsのどの項目に貢献できるかが詳細に解説されています。

ISOマネジメントシステムを運用する際には、SDGsに貢献できる目標を設定するとよいでしょう。


ISO対応をSDGsに活用する際には、ぜひ参考にしてください。


▼お役立ち資料ダウンロード「ISO・SDGs対応表」

https://www.noltyplanners.co.jp/sustaina/materials/1280961_9719.html 




株式会社NOLTYプランナーズ