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探究指導コラム

NOLTYスコラ 探究プログラム

中学校・高校の「探究」に関する記事をまとめています。

2021.11.16

総合的な探究の時間でSDGsをどう扱う?先生方に聞いてみた

目次

昨今、耳にしない日が無いのではないかと思うほど、よく聞かれるようになったSDGs。高校においても探究活動の中にSDGsを取り入れたい、あるいは既に取り入れている、どのように組み込もうか思案しているというお話をよく聞きます。探究活動におけるSDGsの扱いについてどのようなことが考えられるのでしょうか。



◆先生たちの意見は?



弊社主催の探究座談会の中で、『総合的な探究の時間とSDGsをどの程度、関連付けていきますか』というテーマで先生方にご意見を伺いました(一部抜粋)。


・「探究を始めるときは欠かせないものと考えていたが、期限である2030年は近い。必ずSDGsと絡める必要はないのではないか」


・「SDGsは必ずしも探究に必要なものではない。SDGsで掲げているゴールをそのまま課題にすると生徒の課題設定の過程が抜ける。SDGsは視野を広げたり、考え方を具現化したりするような使い方がより良い」


・「SDGsは探究を行う上では”深まり”が出ない。目指すゴールがあるところから探していくことが探究では馴染めないし、どのように探究活動につなげればよいか分からない。最初からSDGsで取り組むよりも、探究活動を一通り終えた後にどのゴールと関わるかを考える程度の使い方がちょうどいい」



生徒が自ら課題を発見し解決するプロセスを経験することで、生徒の成長を狙う『探究活動』と、17のゴールが示されている中でどのような解決方法を実行していくのかを考える『SDGs』。一見、親和性が高そうに見えますが、そもそものスタートが違うという特徴があり、両方をどのように組み合わせていくか、難しさが垣間見えます。



◆地域探究 から SDGsに変わっていくには振り返り方が大切



各校の取り組みを聞かせていただきますと、1年生で地域探究を実施した後、2年生でSDGsを組み込むという流れが多いように感じます。しかし、その繋がりについて別々の活動になっているのではないか、ぶつ切りに感じている先生が多いように思います。



地域探究からSDGsに内容が変わっていくためには『振り返り方』が重要になります。

地域探究を実施した後に振り返りで、生徒たちが考えた内容がSDGsのどのゴールに連動しているかを確認、考えさせると連動性が出てきます。さらに地域探究の内容がSDGsに生きてくるためには振り返りでもう一つ工夫が可能です。それはSDGsのウエディングケーキモデルで振り返るということです。



◆ウエディングケーキモデルで振り返る



ウエディングケーキモデルとは、ヨハン・ロックストローム氏とパヴァン・スクデフ氏により提唱された、SDGsの17ゴールを環境、社会、経済に区分したモデルです。


例えばSDGsについて探究すると環境のみ、社会のみについて、自身のできることや考えをまとめるケースが多いです。しかし、SDGsは環境・社会・経済の3つが良い状態、良いバランスになるという視点が大切です。

最初の地域探究で17ゴールのどこに自身の探究が当てはまるか考え、次の振り返りで環境・社会・経済という視点で振り返ることで、その足りない部分が次のSDGs探究で深めていける部分になります。そうすることで探究活動に繋がりを持ち、より深い探究の実践ができるようになります。



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