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探究指導コラム

NOLTYスコラ 探究プログラム

中学校・高校の「探究」に関する記事をまとめています。

2022.06.15

高校生がSDGsに取り組むメリット、探究学習で行った取り組み事例

学校教育現場でも多く取り上げられているSDGs。高校での取り組みのポイントと、実際の事例をご紹介します。

目次

SDGsの基礎知識

SDGsとは?

SDGsとは「Sustainable Development Goals」の略称で、持続可能な開発目標のことをいいます。2030年までに持続可能でよりよい世界を目指すために、世界全体で取り組むべき目標として2015年9月の国連サミットで採択されました。17のゴール(目標)と、ゴールを実現するための169のターゲット(具体目標)から構成されています。例えば、「貧困をなくす」というゴールを達成するためのターゲットの1つが、「2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる」と設定されています。

SDGsについて教育で取り上げる理由

SDGsの実現に向けて、国際社会においても持続可能な開発のための教育=ESD(Education for Sustainable Development)は重要視されています。日本では2017年3月に公示された小・中学校学習指導要領及び2018年3月に公示された高等学校学習指導要領において、教科に絡めてESDに関連した記述が多く見られます。

⇒「学習指導要領におけるESD関連記述」https://www.mext.go.jp/unesco/004/1339973.htm

また、現在企業においてもSDGsに取り組む必要性は高まっており、SDGsの知識を身に付けた人材の重要性が増しています。SDGsの視点を身に付けることは、生徒たちが将来社会で活躍するためにも大切と言えるでしょう。

教育現場において、SDGsをテーマとして取り入れやすいのが探究活動です。探究とは、生徒自らが課題を設定して、その解決に向けて情報を収集・整理・分析し、意見交換や協働しながら進めていく学習活動のことをいい、小学校中学年~中学校で行う「総合的な学習の時間」や、高校で行う「総合的な探究の時間」といった授業で実施されています。積極的に取り組むことで、社会的な考え方を身に付けるきっかけになること、どうすれば問題を解決できるのか考えることによって論理的思考力を培うことができることなど、探究学習には多くのメリットがあります。その中においてSDGsを取り扱うと、地球環境の保護やジェンダーの平等など、グローバル社会における重要な問題を生徒に認識してもらうことができます。

SDGsの17のゴール

・貧困をなくそう
・飢餓をゼロに
・すべての人に健康と福祉を
・質の高い教育をみんなに
・ジェンダー平等を実現しよう
・安全な水とトイレを世界中に
・エネルギーをみんなに そしてクリーンに
・働きがいも経済成長も
・産業と技術革新の基盤をつくろう
・人や国の不平等をなくそう
・住み続けられるまちづくりを
・つくる責任 つかう責任
・気候変動に具体的な対策を
・海の豊かさを守ろう
・陸の豊かさも守ろう
・平和と公正をすべての人に
・パートナーシップで目標を達成しよう

高校生が日常生活で実現できるSDGsの取り組み

学校内でSDGsを推進するためには、子どもたちが身近に感じることができ、自分ごとと捉えられるような仕掛けづくりが必要です。学校で取り組みやすく、生徒が興味を持ちやすいアクションをご紹介します。先生が呼びかけるのもよいですが、生徒会や委員会から発信すると生徒を巻き込みやすくなります。

電気をつけっぱなしにしない

限りある資源を節約することで、SDGsの貢献につながります。一人ひとりが貢献すれば、大きな取り組みになるうえ、誰でも簡単に実施でき、取り組みやすいものです。学校全体で取り組むのもおすすめです。

マイバッグやマイボトルを持参する

ゴミが発生しないため、資源が無駄になりません。一人ひとりが取り組めば、ゴミの量が減っていきます。こちらも同様に学校やクラスで意識付けしていくとよいでしょう。

社会問題についてクラスメイトと会話する

他者の意見を聞くことで、どのような意見があるのか参考にでき、自分の考えを客観的に分析できる能力が身に付きます。1人ずつ興味のあるニュースをSDGsに絡めて発表し、クラスメイト同士で意見交換を行う機会を持つと生徒の視野が広がります。

高校の探究学習でSDGsの取り組みを行った事例

①SDGsを自分ごと化し、探究活動に取り組む(都内/私立高)

この学校では「自分ごと化」をポイントに、体験を交えながら学校全体でSDGsに取り組んでいます。 パラスポーツである「ボッチャ」の体験や、アイマスクを装着して学校を歩く体験、発展途上国支援の活動など、生徒自身が体験することでSDGsに興味を持ち、問題を自分ごと化することを狙いとしています。 総合的な探究の時間でもSDGsを共通のテーマとしており、1年次はSDGsのゴールごとに分けて調べ学習、2年次でチームを再編し、任意の社会課題の解決についてSDGsと絡めて考える取り組みを行っています。SDGsの問題についてしっかりと自分ごと化してから探究活動に取り組むことで、深い学びとなっているようです。

②探究で地域活性化に取り組む(関東/公立校)

SDGsの目標11「住み続けられるまちづくりを」と密接に関わる「近隣地域の活性化」をテーマに取り組んでいる事例です。 1年次は 地域の現状を知り、活性化の芽を見つけることを目的とし、講演会や商店街の方にインタビューを行います。講演会でもただ聞くだけではなく、講演内容をもとに生徒にグループディスカッションをさせ、積極的に質疑応答に参加させているところが特徴です。
2年次では1年生で学んだことを発展させ、様々な立場の方から指導を受けて構想を練り、校内外にて提案を行う活動を行います。校内で行う模擬市長選挙では、生徒が地域の活性化のために政策を考え、発表する取り組みです。発表の場には市議会議員も招き、フィードバックをもらうことでより考えを深めることができます。

③他国の生徒との交流

文化祭において、アフリカのタンザニア・ダルエスサラームに青年海外協力隊の看護師隊員として赴任中だった卒業生と協力し、「鉛筆贈ろうプロジェクト」「アートマイルプロジェクト」などに取り組んだ事例です。現地とSkypeでの交流会を実施したことによって、国際理解教育にもつながっています。両国の生活の違いを理解し、「だれ一人取り残さない」という思いを学んだだけでなく、交流を通じ、異なる文化や歴史をもつ人たちとの共生やあらゆる多様性に気づくきっかけとなったようです。総合的な探究の時間はもちろん、英語関連科目の授業時間を利用して取り組むのもおすすめです。

【出典】文部科学省「教育現場におけるSDGsの達成に資する取組 好事例集 小・中学校 高等学校」
https://www.mext.go.jp/unesco/sdgs_koujireisyu_education/1418147.htm

(まとめ)高校生がSDGsに取り組むメリット、探究学習で行った取り組み事例

これからの未来を生きる若者世代にとって、SDGsの知識は必要不可欠と言われており、学校教育においてもSDGsへの取り組みの重要性が増しています。学校内でSDGsを促進するためには、マイボトルや生徒同士の意見交換など、生徒が身近に感じ自分ごと化しやすいところから始めるのがおすすめです。また、SDGsは総合的な探究の時間でも取り組みやすいテーマです。「NOLTYスコラ 探究プログラム【SDGs教育旅行編】」では修学旅行先(または学校の周辺地域)とSDGsを絡め、探究活動を行うことができます。

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