目次
中学校に導入されたキャリア・パスポートとは？
キャリア・パスポートとは？
2020年4月より実施されたキャリア教育の取り組みの一つです。文部科学省が推進し、国全体で取り組みが始まり、小学校、中学校、高等学校まで連続して、キャリア教育で用いられるものです。中学校においては、小学校で作成したキャリア・パスポートを引き継ぐことになります。小学校の6年間と中学校の3年間で、一貫性のあるポートフォリオを作成して、高等学校でのキャリア教育につなげることが目的です。
キャリア・パスポートを作成する目的
1年ごとに作成するキャリア・パスポートに児童生徒自身が記録を残すことで、過去の活動が蓄積され、キャリア形成へ向けた振り返りができます。将来的なビジョンや、自分の生き方を考えるきっかけになるほか、過去と現在の自分を見つめ直し、自己評価することで成長を実感でき、自己肯定感や学習意欲を向上させる効果も期待できます。
中学校のキャリア・パスポートの様式や、小学校との違い？
中学校のキャリア・パスポートの様式
キャリア・パスポートの様式は、文部科学省が、中学校指導者用に様式例を提示しています。最初に生徒や保護者へ向けて、キャリア・パスポート活用で伸ばしたい能力や、作成のねらいについて解説する構成となっており、学年ごとに、「学年初め」「学期の振り返り」「学年末」のシートに分けられています。学年初めには、なりたい自分のビジョンや、目標達成のための取り組みを記入させ、学期ごとに振り返りを行い、学年末で1年間の成長や頑張りを実感させる流れとなっています。
小学校のキャリア・パスポートとの違い
基本的には、小学校で用いたキャリア・パスポートの様式とほぼ構成が変わりません。ただし、目標設定や振り返りでは、中学校のキャリア・パスポートでは実現するために必要なことを考えさせる欄が増えて、発展した内容となっています。ほかにも中学校のキャリア・パスポートでは、新たに「自己PR（自分のよいところ）」の欄が設置されており、生徒が自分を客観視することで、キャリア形成において重要な自己分析の取り組みができるようになっています。
中学校のキャリア・パスポート活用で伸ばしたい能力
学生のキャリア発達を実現するには、複数の能力が必要とされています。中学生活ではキャリア・パスポートの作成を通じて、以下の4つの「基礎的・汎用的能力」を育成することが大切です。
人間関係形成・社会形成能力
自身の置かれた立ち位置と役割を理解し、他者と協力して社会活動に参画し、社会を形成する力のことです。多様な人が活躍する社会では、他者を認めながら協働することが重要であるため、コミュニケーション能力、チームワーク、リーダーシップなどが該当します。
自己理解・自己管理能力
自身のやりたいこと・できることを前向きに理解・行動する力、自らの思考や感情を律し、今後の成長のためにすすんで学ぼうとする力を指します。「やればできる」と考えられる自己肯定感を持ち、自己の動機付けやストレスマネジメント、主体的行動が具体的な要素として挙げられます。
課題対応能力
仕事をする上での様々な課題を発見・分析し、適切な計画を立ててその課題を処理・解決できる力です。従来の考え方や方法にとらわれず物事を進めるために必要な力であり、情報を主体的に選択し活用する力も必要と言われています。具体的には情報処理・本質理解・課題発見・計画立案・実行力等が挙げられます。
キャリアプランニング能力
働くことの意義を理解し、多様な情報を取捨選択・活用しながら主体的に判断してキャリアを形成する力です。この能力は社会人として生活するために生涯にわたり必要となる能力で、学ぶこと・働くことの意義や役割の理解、将来設計、選択、行動と改善等が具体的な要素として挙げられます。
（まとめ）中学校のキャリア・パスポート｜小学校との違いや伸ばしたい能力は？
中学校のキャリア・パスポートは、小学校に比べ「目標達成のために何をするべきか」を考えさせる内容になっており、今後のキャリア形成において大切な能力を育てることを目的としています。 キャリア・パスポートの記入は一年に数回とタイミングが限られていますが、手帳に目標達成に向けての計画を立てたり、日々あったことを記録しておくと、キャリア・パスポートの活用がよりよいものになるでしょう。
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