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来年度からの『総合的な探究の時間』の実施に向けて、各校での準備が始まっています。
今回は総探の担当者が準備する必要があると思われることについて、私たちが様々な学校を支援させていただく中で気づいた全11項目を2回に渡り、お伝えできればと思います。
コラム後半はこちら⇒『総合的な探究の時間』授業開始に向けて準備すべきこととは?【後編】
①なぜ、総合的な探究の時間を行うかを先生方に共有する時期や回数、内容を決めている
私たちの経験上、一度の共有だけで周囲の先生方へ全てを伝え、理解していただくことは難しいと感じています。また、大人数よりも少人数で共有を行った方が理解しやすいです。先生間の理解を図るために、いつまでに、何を伝えるのか、研修等の計画を立てていくことが必要と感じます。
研修例【1回目】
・育成したい生徒像を明らかにする
例えば先生たちからみて生徒に物足りないと感じることを付箋に書き出し、分類する。それを探究活動に紐づけるワークを行う。
・探究授業で予定しているイントロダクション内容とポイントを伝える
研修例【2回目】
・前回、付箋に書き出し分類、整理したものを提示し、振り返る
・興味関心、課題設定のワークを実施する
例えば担当の先生が先生役になり、参加している先生たちが生徒役を行う
②総合的な探究の時間で扱うテーマを決めている
テーマを生徒自身が決めて活動することが本来の探究の狙いですが、いきなり実践することが難しいことも事実です。最初に探究に慣れるという意味で先生からテーマを与えて練習するという方法を検討することも必要です。
例:地域、文化祭、修学旅行などイメージしやすいものをテーマにしていく
※多くの実施例がありますが、最初の探究テーマは地域と設定するケースが多いと感じます。また、2年次にSDGsにテーマにする学校も増えています。
③総合的な探究の時間の年間計画を立てる(可能なら3年間の計画があるとなお良い)
学校行事や突発的な事象によって、総探の時間は削られるケースが非常に多いです。また、コロナ禍で授業時間が確保できないということも多いのではないでしょうか。年間計画を立てる際に学期に1コマ程度、予備を入れておくと安心です。その為に各分掌へ早めの打診が必要となります。
実際にスタートするとクラスごとに進度が異なってくるケースも発生します。一概には言えませんが、途中で無理に調整をするよりも、最終のゴールに間に合わせる方が調整しやすいケースが多いと感じます。
また、初めて探究に取り組む場合、年度の途中でまとめ表現(発表)を行うと、先生、生徒ともに活動時間が足りないと感じることがあります。初めての場合には時間を詰めすぎないようにすることをおすすめいたします。
【年間計画の作成からご相談承っております。お気軽にお問い合わせください】
④グループワークの人数を考えておく
実際に探究活動を始めるとグループワークが多くなります。生徒たちが話し合いを深めていくという観点で3~5人のグループが望ましいです。
ゼミ形式の場合は8~10人ぐらいのケースが多いです。
話し合いが深まらない可能性がある場合には役割(司会、書記)などを決めたり、時間の中で全員が意見を言うというルールを作ったりすると良いでしょう。
⑤総合的な探究の時間を固定する
探究担当の先生が実際の授業を確認して、他の先生を支援するためには、他クラスの授業を見学できるようにカリキュラムを調整する必要があります。初めて授業を実施する先生には特に支援が必要となります。授業現場を見学するためには学年の総探の時間を固定にして、探究担当の先生の授業を空き時間にすることをおすすめします。
また、探究はグループや個人ワークが多い授業です。生徒が眠くなりやすい昼休み直後にコマを持ってくるのもおすすめです。
コラム後半はこちら⇒『総合的な探究の時間』授業開始に向けて準備すべきこととは?【後編】