目次
総合的な探究の時間の活動における課題を4つに分けて考え方や対策を連載していきます。
第4回目は『探究の評価方法が難しい』です。
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第1回:生徒は課題設定が苦手
第2回:探究授業の設計に時間が掛かる
第3回:周囲の協力を得る
第4回:評価方法が難しい
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総合的な探究の時間を実施する先生方にとって、頭を悩ませるものの一つが『評価』ではないでしょうか。ここでは学習指導要領の解説などを参考にしながら評価について考えたいと思います。
①探究の成果を評価できるか
総合的な探究の時間についてのお悩みを伺うと、先生方から「探究活動の『成果』をどのように評価したらいいかわからない」とのお声をよくいただきます。しかし、年間35コマという限られた時間の中で探究活動を行い、成果を出すことは非常に困難です。生徒がどんな成果を出すことができたかよりも、生徒が探究活動を通じていかに能力を伸ばすことができたかという観点を重視すべきではないでしょうか。
②学習指導要領ではどう書かれているか
学習指導要領の143ページには以下のように記載されています。
・総合的な探究の時間における生徒の学習状況の評価に当たっては,これまでと同様に, ペーパーテストなどの評価の方法によって数値的に評価することは,適当ではない。
・具体的な評価については,各学校が設定する評価規準を学習活動における具体的な生徒の姿として描き出し,期待する資質・能力が発揮されているかどうかを把握することが考えられる。その際には,具体的な生徒の姿を見取るに相応しい評価規準を設定し,評価方法や評価場面を適切に位置付けることが欠かせない
また、同143ページには以下の3点が重要であるとされています。
・総合的な探究の時間における生徒の具体的な学習状況の評価の方法については,信頼される評価の方法であること,多面的な評価の方法であること,学習状況の過程を評価する方法であること,の三つが重要である。
・第 1 に,信頼される評価とするためには,教師の適切な判断に基づいた評価が必要であり,著しく異なったり偏ったりすることなく,およそどの教師も同じように判断できる評価が求められる。例えば,あらかじめ指導する教師間において,評価の観点や評価規準を確認しておき,これに基づいて生徒の学習状況を評価するなどが考えられる。
この場合には,各学校において定められた評価の観点を,一単位時間で全て評価しようとするのではなく,年間や,単元などの内容のまとまりを通して,一定程度の時間数の中において評価を行うように心がける必要がある。
・第 2 に,生徒の成長を多面的に捉えるために,多様な評価方法や評価者による評価を適切に組み合わせることが重要である。多様な評価の方法としては,例えば次のようなものが考えられる。いずれの方法も,生徒が総合的な探究の時間を通して資質・能力を育てることができているかどうかを見ることが目的である。成果物の出来映えをそのまま総合的な探究の時間の評価とすることは適切ではなく,その成果物から,生徒がどのように探究の過程を通して学んだかを見取ることが大事である。
・ プレゼンテーションやポスター発表,総合芸術などの表現による評価
・ 討論や質疑の様子などの言語活動の記録による評価
・ 学習や活動の状況などの観察記録による評価
・ 論文・報告書,レポート,ノート,作品などの制作物,それらを計画的に集積したポートフォリオ(小学校中学校からの蓄積があると望ましい)による評価
・ 課題設定や課題解決能力をみるような記述テストの結果による評価
・ 評価カードや学習記録などによる生徒の自己評価や相互評価
・ 保護者や地域社会の人々等による第三者評価 など
参考:文部科学省 『高等学校学習指導要領(平成 30 年告示)解説 総合的な探究の時間編(平成 30 年 7 月)』
③NOLTYスコラ 探究プログラムでの評価のしかた
上記の解説を参考に、NOLTYスコラ 探究プログラムではルーブリック評価を採用しました。ルーブリックはある程度評価の範囲を決める手法のため、評価のブレを少なくできる点、何をすれば評価が上がるのか(成長に繋がるのか)が分かりやすい点、各校の生徒の状況に合わせて内容を変更しやすい点がメリットとして挙げられます。評価の観点(範囲)は5段階と少し多めに設定し、生徒の様子を見て段階を減らすことができるようにしています。
評価においては生徒や先生が評価の観点を理解し、進めていくことが大切です。『出来ていない』から『出来ている』という段階と『出来ていてかつアウトプットや言語化ができる』、『他のことやチームのために活用できる』というような形でレベルを上げていくように設定をしています。
NOLTYスコラ 探究プログラムのルーブリック評価については下記よりお問い合わせください。