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NOLTYスコラ プログラムの導入事例

NOLTYスコラ プログラム

導入校の事例をご紹介します。

自己管理力の向上へ。
取材日 : 2019.08.16
  • 高等学校
埼玉県立草加高等学校 様

自己管理力の向上へ。

校訓「まこと」に基づき、知・徳・体の調和のとれた人間の育成を図る進学校として、地域に根ざし愛される活力のある教育指導をおこなっている埼玉県立草加高等学校。能率手帳スコラを活用した自己管理力の重要性、目標計画の実行力の育成についてお話を伺いました

プロフィール
平成25,26年度 県指定事業「進路実現・学力向上重点推進校」に指定された埼玉県の公立高校。キャリアアップと学力アップ推進プロジェクト「プロジェクト5」をスタートさせ、次世代を担うリーダーの育成に取り組んでいる。

第2回手帳甲子園最優秀賞受賞校

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都道府県 埼玉県

能率手帳スコラの導入

能率手帳スコラの導入の経緯をお聞かせください。

中堅校である我が校は、将来に対する目標や目的意識が明確でない生徒もおり、潜在的に一定の学力を有していても、現状に満足してしまう傾向が見られていました。授業への積極性や学習意欲の向上を図るため、生徒一人一人が自分の将来像を明確化し、キャリア意識を向上させることが必要と考え能率手帳スコラを導入いたしました。

キャリア教育についての学習指導についてお聞かせください。

本校は、卒業後に大学進学を希望する生徒が大多数です。大学へ進学し、社会へ出て5年後、27歳か28歳のときに、それぞれが所属する企業や組織の中で、若手のグループリーダーが必要となる機会があると思います。本校では、その際にグループリーダーになれるような人材を育てることを目標としています。

能率手帳スコラがどのような役割を担っているのでしょうか?

リーダーに求められる資質は豊かな人間性、高い道徳心、目標設定能力、課題解決能力、コミュニケーション能力等、多々ありますが、その基盤となるのが自己管理能力です。 つまり、自己を管理して、時に己を振り返り、そして前方を見たときに問題を見つけ出す、ということです。 それには、ビジネス手帳に書き込み、振り返るということが大切だと思うので、 高校時代からその習慣を身につけていくことができるツールが必要と考え、能率手帳スコラを選びました。

取り組みであるグランドデザインについてお聞かせください。

先ほど、本校の目標を「社会に出て5年後、グループリーダーを育てる」と述べましたが、 それを我々は「プロジェクト5」とよんでおり、「ファイブ」=「5」にこだわり、各学年で5つの目標を設定しています。1年生の目標の中には「計画実行力の育成」、2年生の目標の中には「自己管理能力の向上」がそれぞれ含まれています。 生活を記録をして振り返り、短期的・長期的目標を立てるという点で能率手帳スコラの目指すことと合致すると思い、能率手帳スコラを活用し、目標の実現に邁進しています。

能率手帳スコラを活用した取り組み

グランドデザインから能率手帳スコラの活用までの経緯をお聞かせください

埼玉県では、各学校の校長の学校運営方針を受けて企画委員会で目指す学校像というものを定め、 そのためにどのような方策・施策が必要かを考えるという取り組みを行っています。本校では、それをうけ「プロジェクト5」として、校長の意思を得て、学力向上委員会、企画委員会で審議を通し、職員会議での賛同を得て、能率手帳スコラの全校的な活用における取り組みを実行しました。

導入期と使用後3週目の短期間で2回活用講演を開催した狙いをお聞かせください。

近年、デジタルの機器やサービスの発達によって、青少年の中でアナログで書くことの重要性が意識として薄れてきてしまっているのではないかと思います。しかし、携帯電話の中に入っているメールや写真といったデータは、実際には機種変更等をしてしまえば2年ほどの命です。一方、アナログの手帳の存在というのは、自分が捨てない限りずっと残るもの。 そして自分の過去を振り返ることができ、過去の反省を持って将来を組み立てることにも役立ちます。 デジタルも長所はありますが、アナログの手法による自己管理の重要性も感じてもらえたら…そう思いました。

生徒たちにアナログで書くことは浸透しましたか?

導入初期に生徒がアナログで書くということの重要性を実感するのは難しいと考えました。 放っておくと書くことが面倒で、1・2週間で書かなくなってしまうでしょう。そこで、生徒が「これって本当に効果があるのかな…」と疑い始める2・3週間目に、学年集会を設け、 実際にサンプルを見せながら、記入例を用いて期待できる効果等を伝え、学校側で生徒を後押しする意味をもって講演をおこないました。

2回目の講演の後の生徒さんの反応はいかがでしたか?

導入当初に挫折してしまっていた生徒も少なからずいました。しかし、色使いや記号、イラストを用いることで思い出す際のヒントを残す、 大切なことだけでなく全てのことを記録し蓄えることで生活習慣等の改善点を見つける、といった効果も少しづつ多くの生徒に見えるようになっていきました。 実際、「中間テストや期末テストで成績が上がった」という生徒の声も聞いています。

教育の一環としての能率手帳スコラ

2回目の講演での具体的な活用術の講演は1回目の講演内容を踏まえての施策でしょうか?

いくらアナログで書くことの重要性を説いても、嫌々に使うことや義務であっては、「つまらない」で終わってしまうでしょう。 そこで、「○○へ買い物に行った」「○○で食事をした」「テレビでお笑い番組を見た」というサンプルを示すことで、 「書くということは楽しいことなのだ」ということを示して「せっかくやるなら楽しもう」という活用術を打ち出し指導に工夫をしました。

夏休み中の生徒さんのモチベーションを維持するために何か工夫をされましたか?

夏休み期間のモチベーション低下については6月から心配をし始めました。 徐々に定着してきてはいるけれど、定期的なチェックがないと挫折してしまうのではないか…と。 ともすれば、9月最初の回収の際に夏休みの生活を書いている生徒がいなくなってしまう...と能率手帳スコラの導入が失敗になってしまうのではないかと考えました。そこで、1・2年生の先生と若手の先生方を中心に様々な案を出し合いました。

具体的にはどのような案がありましたか?

自分の子供がどんな生活を送っているのか意外と知っているようで知らないという保護者が多いのではないかという話が出ました。 そこで、実際に生徒の記入しているスコラを見てもらい、コメントをつけてもらうことで、親子のコミュニケーションにもつながるのではないかと考えました。中には保護者が忙しくてチェックができないということもあると思いますので、部活の顧問にチェックしてもらってもよい、ということにし 夏休み中のモチベーション維持に努めました。

保護者の反応はいかがでしたか?

多くの生徒は保護者によるチェックとコメントをもらっており、保護者からのコメントも温かいものが多いように感じられました。 例えば、「計画通りにうまくいかなかったようだけど、部活はとても頑張っていたみたいだね」「部活で疲れているようだけど、生活を充実させて下さい」など。普段、面と向かって言うのが照れくさいようなことをコメントで書いてくれているので、読んだ生徒自身も心が温かくなるといったこともあったのではないでしょうか。保護者にとって、子供が家で学校のことをあまり話さないといったこともあり、何をやっているのかわからない部分もあるとは思います。 夏休み中にコメントを書いていただくことにより、手帳を用いて自己管理能力を高めようとしている取り組みについてご理解をいただけたと思います。

能率手帳スコラのメリット

先生方の間では指導で何か仕組み、工夫などはあったのでしょうか?

特別なことはしていません。コメントを書くのは大変ですからね。 しかし、生徒の書いた能率手帳スコラに目を通すことで生徒それぞれの全体像把握に活用できる点で有意義であると、 コメントを書くことを前向きにとらえるようになりました。学校全体のグランドデザインという大きなベクトル、同時に、1年生・2年生のキャリアアップ教育の一環として活用しています。

最後に、今後の目標や取り組みについてお聞かせください。

現在、1・2年生でスコラを導入していますが、正直なところ、全員が活用できているとは言えない状況です。今後、教育の力で活用できる生徒の数を増やしていくというのが我々の課題であり目標です。また、能率手帳スコラを書いて先生に提出しコメントをもらう、というのは生徒にとってある程度強制力のあることだと思います。 しかし生徒たちに記録をつけるという習慣、自己管理能力が少しずつ身に付いてきているように感じます。しかしながら、過去の記録の振り返りからこれからの課題を見つけるという応用の部分において、本校生徒はまだ十分だとはいえません。 過去の記録の蓄積が多ければ、応用部分にも取り組みやすくなると思います。 ですので、次のステップとしては、自己管理プラス将来設計のできる生徒を増やしていくということが、我々の課題であり、目標であり、また、夢です。目標は書くことで実現させることが出来ると思います。ただ、生徒の能率手帳スコラを見ても、表紙を開いた所に自分の夢を大きく書いている生徒はいません。今後は、夢を持つことやそれを書くことの大切さ、文字の力、言葉の力、それらをもっと知ってもらえたらと思います。

株式会社NOLTYプランナーズ