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NOLTYスコラ プログラムの導入事例

NOLTYスコラ プログラム

導入校の事例をご紹介します。

「書く力」を身につけて自己表現力を高める!
取材日 : 2019.08.04
  • 高等学校
埼玉県立大宮商業高等学校 様

「書く力」を身につけて自己表現力を高める!

進路実績、資格取得率、施設・設備においては、埼玉県でも有数の実績と規模を誇る埼玉県立大宮商業高校。
就職試験などの面接における「自己表現力」を高める目的で、「書く力」から「コミュニケーション能力」を育むために学生手帳を活用されている、一年次ご担当の白土裕子先生にお話を伺いました。

プロフィール
スペシャリストが求められる現代社会に対して、多くの資格取得や技術を身につける教育を推し進めている高等学校。社会に出てから臆することなく活躍できるように、会社業務の実体験に近い「総合実践」などの授業を取り入れることで、多くの有用な企業人を輩出している商業高等学校。

第1回手帳甲子園優秀校受賞校

手帳甲子園の詳細はこちら
都道府県 埼玉県

生徒に自己を表現する技術を身につけさせたい

手帳を利用しようと考えたきっかけを教えてください。

私は国語の教師ですので、生徒に「書く力」をつけさせたい、と常に考えております。
最近の傾向として活字離れとか、表現力が足りない、欠如しているということが叫ばれています。その様な部分を何とか取り戻してあげたいという気持ちを持っています。特にこの学校に赴任してからその様に感じることがありました。
本校は卒業後に就職する生徒が多いのですが、就職試験の際には面接試験が合否の判定の鍵を握っています。
企業の担当者の方に面接をしていただき「一生ここで働こう」と意欲を見せるのですが、うまく話ができないんです。

「就職活動では自分を表現することが大切ですよね。

本校の生徒は女子が9割で、教師の指示通りに素直に従順にコツコツやるたち子供たちが多いんです。
その反面、自分たち自ら何かを始める、切り開く、ということはあまり見られませんし、その様なことが苦手な生徒が多いと感じます。
ですから企業の担当者の方に「三年間高校生活を過ごして、自分が何をしてきたか」と問われて、答えられないのです。挨拶などの受け応えは充分できるので、 コミュニケーション能力を身に付けるというのも本校の課題の一つだと思いますね。

課題解決には手帳が有効だと感じたきっかけはありましたか?

以前に務めていた浦和北高校という単位制の学校では、生徒が自分で時間割を作るという埼玉県で初めての学校でした。
その学校で私は、独自の取り組みで生徒の司会による朝のSHR(ショートホームルーム)を行っておりました。
生徒自身が「書いて」「確認しながら」自分たちの生活を作っていく、このスタイルをこの学校でも実現できないか?試してみよう、と年度当初に思いました。
本校では商業科で総合実践という授業があります。本校におけるメインの特徴的な授業だと思います。
週に二日、計四時間、3〜4人のグループで仮想の会社を作り、社長、営業、販売というような役割分担をします。
小切手を切ったり発注をしたり、営業計画を立てたり、ということを実践します。その授業の中で手元を見ずに相手の顔を見ながらメモをする、という技術をマスターします。
就職試験の面接において、その技術が企業のご担当者から大きな評価を頂いています。
他の学校の生徒さんに比べ、本校の生徒だけが手帳を出して話を熱心に聞きながらメモをとる。面接試験において企業のご担当者の方に褒めてもらいました、と生徒が報告をしてくれます。
私たちが学校で学んだ技術は間違いではなかった、自信を持てました、と喜んで報告をしてくれます。やはり、書く力があってこそだと思います。

大きなきっかけになったのでなないでしょうか?

本校の生徒はしっかりと聞き書きができる技術を習得できる、ということから、訓練をすれば「書く力」が備わり「表現する力」や「コミュニケーション能力」が育つ、と考えました。
であれば、早い時期から取り組ませたいと強く考えるようになったんです。
意向を教務主任に伝え、是非自分のクラスで実践させてくださいと相談をし実現しました。
基本的な考えは「国語」からきているのですが、本校の生徒なら「かならずできる」と思ったことが、大きなきっかけでした。

手帳導入前は他のツールを利用されていたのでしょうか?また、そのツールに問題点はあったのでしょうか?

三年生でメモを用意しなさいと指導していたので、基本的には1,2年生ではツールなどは用意していませんでした。
教師が前に立って「今日の連絡は・・」と言っても、生徒によってはメモをとらずに聞いているだけ、ということもありましたね。

目標を実現するために不可欠な「書く力」

「書く力」というのはゴールに向かう学生にとって重要なスキルなのですね。

就職試験においては「履歴書を書く」「1〜2分で自己PRをしてください」と多くの企業では指示をします。
事前に準備をさせるのですが生徒によっては書けないのです。書いてくれれば修正の指導もできるのですが、書けない生徒がいるのです。
話を、言葉を操れないのです。「楽しかった」「嬉しかった」という話は出てくるのですが、「どこが?」と聞いてもその語彙がないんですね。
朝のSHRや家庭学習などを通してなるべくその様な力を養いたい、伸ばせるきっかけになれば、と考えています。

手帳を「目標を達成するためのツール」としても活用しているように見受けられます。

本校の生徒の場合、検定という明確な目標があります。毎月1つ以上の検定があります。
スケジュールを立てると追うことについては、一般の高校生よりも本校生は先の見通しを立てなければならないという事はあると思います。

手帳によって育まれる「考える力」

手帳の導入によって、生徒に「考える力」が生まれたとお聞きしました。

朝のSHRは生徒自身で運営をしていて、ホームルーム委員が司会をしています。生活委員や体育委員なども話をします。
他の生徒が聞いた内容を手帳に書くので、話す側はいい加減にボソボソとではなく、ポイントを押さえて話ができるように考えていると思います。
分かりやすいように伝えなくては、と考えているので、原稿を作って自分の手帳のメモ欄に話す内容を書いています。
あの手帳を使うことで話す側の立場として、聞く側の立場として、考えるようになったと思います。
他のクラスの生徒に比べて、より考えるようになったと思いますね。

提出率の向上など、他にも効果が現れているとお聞きしました。

教師が生徒に言うよりも生徒自身が生徒へ伝えることで、しっかりと記録しなければいけない、と自覚していると思います。
アンケートの結果にもありましたが「忘れ物をしない」という点は、確かに私のクラスは他のクラスよりも提出率が良くなっていると思います。
また、スケジュール管理の点でも時間を凄く意識して5分前行動がとれています。書くことで行動は明らかに早くなると思います。

シンプルな装丁が生徒の個性を引き出す

生徒たちは渡された手帳に対して、どの様な印象を持っているのでしょうか?

生徒たちは多分、あのようなしっかりとした手帳を持つのは初めてだと思います。
高校生になって、大人になった、自分が憧れの女子高生になった、という意識を持っています。
初めての受験、苦難を体験して、涙を流しながら受験戦争を勝ち抜いてくる学生たちが、輝かしい高校生になって手帳を与えられる。
大人のツールを手に入れた、という感じなのだと思います。
一般社会の大人が持っているものを持たされ任された、というそういうプライドがあるように思えます。
独り立ちしたい、という意識もあるのだと思います。

生徒には好印象だったんですね。

待ってたんだと思いますね。きちんとした書くものを。凄く役立っていると思います。
また、同じクラス全員に同じ物を与えられて、大宮商業の制服を着た時と同じような一体感が生まれたと思います。
共通した同じ物を使う喜び、そのような感覚があると思います。
ただし、基本的に同じものを使っていたいという反面、自分なりに個性を出したいとも考えているので自分なりに工夫しているようです。
誰かが「いいね」というと、自分も「いいね」と思ってなくても言ってしまう傾向もありますが、手帳などで個性を出していると思います。

生徒たちにはどの様に手帳を活用し、楽しんでいるのでしょうか?

女子ですから使い方や装丁を工夫していますよね。
また、手帳のデザインがシンプルなので自分の好きな絵を書く、好きな言葉を書く、好きな歌手の歌詞を書く、などの生徒もいるようです。 また、スケジュールでは検定の予定やバイトの予定などを書いている生徒もいます。

手帳は生徒の身に着いたと思いますか?

本校では週番目標があり「規則正しい生活をしよう」「5分前行動を心がけよう」「学習計画をきちんと立てよう」など、色々な目標を立てます。
朝にホームルーム委員が目標を伝え、帰りに一人の委員が今日の反省を考えることを促す、その内容をメモする生徒もいます。
行事で私のクラスはダンスを踊りましたが、そのダンスチームのフォーメーションやお互いの連絡なども手帳でやり取りをしていたようです。
講演会などがある時には、クラスの生徒たちは手帳をスッと持っていきます。自分にとって「メモはこの手帳」という意識を強く持っていると思います。

委員・係からの連絡事項はきちんと手帳にまとめておこう、という意識があるようです。
入学当初で中学校生活と全く異なる高校生活において、学食の利用や提出物、朝の連絡など新しい事柄が多いので、メモすることが必然的に多かったことも事実です。
結果として手帳を使いこなすことができたんだと思います。
自分たちがこの高校でどんなふうに動くかということを手帳に書くことで、生活のサイクルみたいなものを作れたんじゃないでしょうか。
やはり、一年生で持たせて良かったと思います。

早くから始めることで社会で活かせる技術を身につけられる

生徒にとって目標を達成するとともに、大切な記録、財産として残りますね。

早くから取り組ませることで、手帳を使いこなせれば、社会に出てから活きてくると思います。
本校の生徒は6割が就職でその生徒たちは学校生活が最後なのです。
この短い三年間の色々な記録が手帳に残って大人になってから見直せます。「あの時こんなことやったっけ」「検定こんなに頑張ったんだ」「合格した!」ということも。
日記のようにして使っているという面もあると思います。
生徒たちにとって財産になる手帳だと思います。

株式会社NOLTYプランナーズ