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開発ストーリー

NOLTYスコラ プログラム

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もの作りの答えは現場にある

NOLTYスコラは成り立ちからそうであるように、徹底した現場主義の商品といえる。現場の声を拾い、課題に寄り添いながらいまも進化を続けている。
2013年版から登場した「NOLTYスコラライト」はその好例だ。これは従来のNOLTYスコラがB6サイズであるのに対して、一回り大きいA5サイズ。PDCAサイクルを回すという基本設計は変わらないものの、たとえば学習の記録欄を削るなど簡略的なレイアウトになっている。中心となって開発したのは制作開発部の田村素子である。

「大きくしたのは、とくに中学生の男子の多くは、小さな文字を書けないという課題があったからです。また、NOLTYスコラのように時間管理や学習記録までは難しくても、スマホ世代の生徒たちにとにかく文章を書く習慣を付けさせたいという現場の先生方の声が多く聞こえてきました。それでメモスペースを充実させるなど、『書くこと』を際立たせた内容にしています」。

振り返り欄は、それだけだと「日本人にありがちな反省文の羅列になってしまう」ため、あえて(うまくいったこと)(うまくいかなかったこと)の二項目に分け、両方を記入させるよう工夫した。これは後にさらに改良され、自己肯定感を高めるための仕掛けとして(うまくいったこと)の行数を増やし、さらに改善行動を促すために(次へ向けて)という項目も加えている。
また、月間予定は当初あまり重要視していなかったが、とくに女子生徒が友人の誕生日にシールを貼るなどして意外に活用されていることがわかった。手帳を楽しんで使ってもらえればそれだけ開く回数も増える。そこで見やすくスペースを広げ、バレンタインデー、ホワイトデー、ハロウィンといった生徒好みのイベントも記載した。

このほかにも、現場発で手帳に取り入れられた工夫は数多い。たとえばNOLTYスコラの学習の記録欄は、生徒がマーカーペンをよく使っていることをヒントに、学習時間を教科ごとにマーカーペンの幅で塗れるように途中から変更している。時間を「見える化」することで、やる気を引き出すのが狙いだ。さらに書体は見やすいか、罫線の太さ・幅はどうか、紙の書き味はどうかなど、素人には〝何もそこまで〟と思えるような細かな部分も毎年議論して変更を加える。もの作りに終わりはない。そのこだわりが、老舗手帳メーカーとしての矜持でもあるのだろう。

株式会社NOLTYプランナーズ