生徒の自発性を養うための手帳
明和県央高等学校で『スコラ』を導入することになった経緯を教えてください
(石坂先生)
以前、私が特進クラスの担任をしていたときの経験から、手帳を使うことを思いつきました。当時、生徒たちが勉強するようになるために、どうしたらいいか考えて「自由と戦え」「自分と戦え」「時間と戦え」という3つのルールを設定。例えば、誰かが遅刻したら全員が居残り授業をするなど、生徒たちをとにかくがんじがらめに束縛することで勉強する環境を作るというやり方だったんです。
しかし、結局それではダメだということがわかったんです。束縛してやらせているうちは、決して自分から勉強をやるようにはならない。自分から進んでやれる人間になるためには「自己管理」が必要だと気づきました。
「自己管理」を育むために、スコラを導入しようと考えたのですか?
はい、自分で自分のことができる人間こそが、最も学力が伸びる。それは受験勉強だけでなく、将来、自分のやりたいことができるようになるということです。
そこで、また特進クラスを受け持つことになったときに、校長に『スコラ』の購入を直訴したというのがきっかけです。
特進クラスに導入してから1年後には、全校生徒を対象に拡大していますね。
特進クラスで第2回手帳甲子園の取り組み優秀校を受賞しました。そういうような評価を受けるくらいの実績をあげられたということですね。それで、今度は全校生徒に広げてみよう、ということになりました。学校としても、全校生徒が手帳を使って自己管理に取り組んでいることが、ひとつの特色となっています。
どんな生徒に使って欲しいですか?
本校には特進とアスリート(Ⅱ類進学)コース、普通(Ⅰ類進学)コースの3つがありますが、私としては、普通コースの生徒にこそ、手帳が必要なのではないかと感じていたということもあります。勉強や部活に特化しているほかのコースの生徒たちに比べると、普通コースの生徒には最初から3年間の高校生活で自分の核となるものがあるわけではないんです。だからこそ、手帳に記録をすることで、その核となる何かを見つけてもらいたい。それは、私が学年主任を経験したことで気づきました。
スコラを持つこと自体にはどのような効果があるとお考えですか?
社会人が当たり前のように手帳を持つのと同じように、これからは高校生も手帳を使う時代になってくるのではないでしょうか?
現に『スコラ』は全国の800校で、中高生24~25万人も使っているんです。そうやって、周りがみんな使っている、誰もが知っているという市民権を得ていることが、生徒たちのモチベーションにはとても大事になってくると思っています。