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NOLTYスコラ プログラムの導入事例

NOLTYスコラ プログラム

導入校の事例をご紹介します。

学習記録を録ることで生まれる個々の成長。
取材日 : 2019.08.09
  • 中学校
  • 高等学校
私立 清真学園高等学校・中学校 様

学習記録を録ることで生まれる個々の成長。

徳性豊かで、知性・創造性に富み、広い視野を持った心身共に健康な人間の育成を目指し、中高一貫・少数精鋭教育を実践している茨城県の中高一貫校である清真学園高等学校・中学校。「学習記録を残すこと」の重要性、能率手帳スコラを活用した「保護者・生徒・教員」の三者間のコミュニケーションについて学年主任網敷俊志先生、1学年担任中島敬介先生、1学年担任白木結佳先生にお話を伺いました。

プロフィール
1978年(昭和53年)に創立され、2007年(平成19年)に茨城県の私学として初めて、スーパーサイエンスハイスクールに指定される。各界で活躍する卒業生を送り出している中高一貫校。

第1回手帳甲子園優秀校受賞校

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都道府県 茨城県

能率手帳スコラの導入から活用まで

能率手帳スコラの導入のきっかけについてお聞かせください。

(学年主任 網敷 俊志 先生)
本校は文部科学省からスーパーサイエンスハイスクールという指定をされており、今年から2期目の5年間が始まりました。
その中で教育指導のひとつとして「生徒に学習記録を残させる」活動を取り入れ、能率手帳スコラを導入させて頂きました。

能率手帳スコラを配付した時の生徒達の反応はいかがでしたか?

(学年主任 網敷 俊志 先生)
本校では中学1年生に「家庭学習の記録」というものをつけさせていて、毎週A4版の紙1枚に1週間の学習状況を記録して、提出させるという指導をしていました。
能率手帳スコラの利用を開始した際にも、従来の「家庭学習の記録」と手帳があわさった形、というイメージで活用しており、従来の指導とそれほど違和感が無く、使用しているように思われました。

生徒達は能率手帳スコラをスムーズに活用できたでしょうか?

(学年主任 網敷 俊志 先生)
「家庭学習の記録」の前例があるため、ある程度の部分では使いこなせるだろう、と想像しておりました。
しかし、実際使用させてみたところ、教員の予想を超えて、巻末のメモ欄などまで上手に使っていました。
中学1年生でも十分に使いこなせるのではないかと思いますね。

保護者の欄の使用方法に関する意図をお聞かせください

(学年主任 網敷 俊志 先生)
家庭で学習している状況を教員が出来る限り把握するように、「家庭学習の記録」にも“保護者のコメント記入欄”がありました。
スコラ上でも、“保護者のコメント記入欄”に対応するものを記してもらおうと、入学当初に担任から保護者の皆様へコメントの記入をお願いしました。これについても協力をしていただけているのではないかと思います。

保護者の方々の反応はいかがでしょうか?

(学年主任 網敷 俊志 先生)
保護者によって反応には差があり、判子だけを押す保護者もいらっしゃれば、熱心に記入して頂ける保護者もたくさんいらっしゃいます。
そういった保護者のお子さんの方が、意欲的に学習をしている傾向がありますね。
生徒の学習状況が把握できるとともに、保護者の方々と教員との距離感を掴めるという点でも活用しています。

保護者と教員との距離感を掴むことで指導方法にも影響が出るのでしょうか?

(学年主任 網敷 俊志 先生)
保護者の方々との面談、PTAの集まりなど、通常は、年に多くても5から6回しか、教員と保護者が顔を合わせる機会はありません。
そこで、毎週手帳を通してやり取りすると、保護者の方々の意見・考え方が教員側に伝わるとともに、教員側の考えもお伝えできるので、コネクションを多くする、といった点でとても有効なのではないかと思います。

保護者とのコミュニケーションを活発にするのに役立っているのですね。

(学年主任 網敷 俊志 先生)
そうですね。記録が残るというのが重要ですし。また教員も、過去に保護者が指摘していた点を振り返るということができるため、1冊で把握ができるという点はとてもありがたく思っています。

2年生、3年生の教員の方々の反応はいかがでしょうか?

(学年主任 網敷 俊志 先生)
希望者だけではありますが2年生、3年生に進級しても能率手帳スコラを使用する生徒がおります。
高校3年生の主任や担任からは、受験時にスコラが非常に有効に活用できる、と聞いており、いろいろな場面でも生徒に伝えてもらっておりますので、少しずつですが意欲的な生徒達が増えてきているのではないかと思いますね。

今後、能率手帳スコラを活用する上での指導方法などありましたらお聞かせください。

(学年主任 網敷 俊志 先生)
教育業界ではポートフォリオと呼ばれる、記録を残しリスト化するという考え方があります。
手帳の中にリストがあることで、そのリストから当時はこのような学習をした、このプリントを使用した、といったことを振り返ることができます。
そのような意味で、手帳を6年間の教育の中で6冊揃え、いつ自分がどのように学習したかという、学習歴が残れば、一番良い活用法なのではないかと思い、すすめています。

今後、能率手帳スコラを生徒達にどのように活用してもらいたいでしょうか?

(学年主任 網敷 俊志 先生)
デジタル化されている世の中なのですが、紙に書いて留めるというのが、学習の上で非常に重要ではと考えておりますので、やはりこう言った紙媒体はずっと残してもらいたいと思いますね。
手帳は教員として積極的に活用し、生徒達に使ってもらいたいと思います。

能率手帳スコラを活用した指導方法・生徒の変化

能率手帳スコラを配付したときの生徒達の反応をお聞かせください。

(1学年担任 中島 敬介 先生)
入学する前に能率手帳スコラを使うということを生徒達に予告するとともに、春休みから使い始めるようにと指導をしました。
生徒達は、最初はこの手帳はなんだろう、といった反応だったと思います。
入学する前だったために、何が何だか分からずに手帳を持たされてしまった状況にあったみたいで。
4月の時点で使いこなせている、といった生徒はほとんどいなかったと思います。
一言で言えば、戸惑いがあったと思います。

(1学年担任 白木 結佳 先生)
生徒たちは緊張していることもあり、貰って嬉しいというような反応はありませんでした。
私の方では、どうしたら生徒達が手帳をスムーズに活用出来るか、ということを考え、自分の1日の予定、振り返りを記入し、教員と共有できるような交換日記のようなものにしたい、と提案しました。

生徒への指導方法と、能率手帳スコラを使い始めてからの生徒の変化をお聞かせください。

(1学年担任 中島 敬介 先生)
主任から生徒達に「明日以降の予定を含め、様々なことを記入しなさい」、という指導がありました。
ことあるごとに、手帳を持っていきなさい、集会にも持っていきなさい、という指導をしていました。また、できる限り、連絡事項は自分でメモを取るようにしなさいと指導をしました。
例えばテスト範囲などは全員にプリントを配布するのではなく、黒板に掲示をし、それを手帳に書き写す、という指導をしました。

その効果はどうでしたか?

結果として、多くの生徒が手帳にメモを取るようになりました。
全員が完璧にできてはおりませんが、手帳を持ち歩き、開き、メモを取るという習慣が身に付いてきたように感じられます。
また、工夫して手帳を使う生徒をよく見ます。
色を使用する、付箋を使うなど、各々の個性によって工夫が生まれていますので、使いこなせているのではないかと思いますね。

能率手帳スコラの活用方法で気をつけていた点をお聞かせください。

(1学年担任 白木 結佳 先生)
手帳は、紙切れ1枚では無く、全てが1冊になっています。
今の自分を確認し、文字で残していくことで、自分がどのくらい勉強していたか、何をしていたか、そのときの体調など、記録として見ることができます。
今の時点で記録をしないということは、後になって振り返った時、何も残っていないことになります。手帳にきちんと記録をするということが、自分の蓄積になり、それが自分の軌跡になる、といった話をしています。

親子、教員の三者間での活用

書く力の低下が叫ばれていますが、能率手帳スコラを活用した指導方法についてお聞かせください。

(1学年担任 中島 敬介 先生)
手帳の大きさの問題もありますが、長い文章を書くのには適していないと思うんです。
一方で、直接的に役立つ点があります。
1点目は「自分の手で、とにかく書く」という点で、現代の子供達に必須なことと考えること。
汚い字でも、誤った字でもとにかく書くことを心がけるのが大事です。
教員は手帳を見るわけですが、そのときにこれは誤っている、と正す指導も出来るようになります。
それは非常に些細な作業ではありますが、現代の中学生にとっては非常に重要なことなのではないかと思います。
2点目は、生徒は最初、多くのことを手帳に書くのですが、全部書いているとスペースが無くなってしまいますよね。
そこで生徒達は自分に取って必要な情報を取捨選択するようになっていきます。
それは言語活動の教育に繋がっていくだろうと思います。
さらにそこから先の、文章能力や、話す能力といった点に繋がっていくのではないかと思います。

能率手帳スコラ活用の取り組み方法をお聞かせください。

(1学年担任 白木 結佳 先生)
保護者の方々にはとても協力的に取り組んで頂いています。
まず生徒達が1週間の振り返りを記入し、その内容を保護者の方々に確認して頂きます。そして保護者の方々にコメントを記入して頂きます。生徒の振り返りと保護者の方のコメントが記入された後に、私がコメントを書く、といった3者間での取り組みをおこなっています。
この流れの中に、普段教員が見ることができない、生徒と保護者のやり取りを垣間見ることができます。
また私が生徒に声かけをする際に、保護者の方のコメントに触れながら話をすることで、生徒にとってもプラスに働いているように感じます。
教員側と保護者が常に関わり合い、同じ方向性に向かっているということを生徒にメッセージとして伝えることが出来ていると思います。

保護者の反応はいかがでしたか?

保護者の方においても、担任のコメントを確認することで、子どもと教員の間でのコミュニケーションが文字で見えてくるから安心する・面白い、と言って頂けましたね。
保護者の方にコメントをお願いするにあたり、生徒達には保護者に記入をお願いする際は、依頼される側のことを考え、忙しい時間を避ける・時間に余裕をもってお願いする、など、タイミングを考えるように指導をしています。

能率手帳スコラでの保護者との繋がり・今後の指導方法へ

保護者の方と先生方の距離が能率手帳スコラによって縮まっているように感じます。

(1学年担任 白木 結佳 先生)
私自身もその点は強く感じております。
保護者面談でお会いする機会があるといっても、年に2回、もしくは3回です。
手帳を活用することで週に1回、保護者の方のコメントが見えることは、大変貴重で、コミュニケーションがとれることは幸せなことだと思います。

手帳を通して円滑にコミュニケーションが取れるんですね。

そうですね。保護者の方がコメントしてくださった内容に対して、こちら側からもお伝えしたいことを文字で残すことで、保護者の方から更にコメントを記入していただくこともありますし。
そのようなやり取りが出来ることは、生徒にとって、良いことだと考えています。
「お母さんが付箋を貼ってくれたので見てください」と生徒から手帳を受け取り、私のほうも「ここに書いたからお家の人に読んでもらって」と生徒に手帳を返します。
手帳を活用することにより、教員と保護者との間のやり取りが生徒にも分かるという点で、学校と家庭が連携して教育をしていく場面の一つとして役立っているのではないでしょうか。

保護者との関わりで能率手帳スコラはどのように役立っているのでしょうか?

(1学年担任 中島 敬介 先生)
インターネットやメールが発達した世の中で、本校でも公式のWebサイトを設けて情報を発信はしています。ただし、保護者の方が常にそこを見ているとは限りませんよね。
また、Webサイトがあるからといって、クラスの様子や学年の様子が伝わるといったことはありません。
そんな中で、手帳を介することで、「今こんなことをしている」と伝えられる、あるいは保護者の方から返事が返ってくるといった、この様なやりとりがとても大事なのではないかと思っています。
私立の学校では、保護者の方の学校への参加がとても大切で重要です。
手帳はそういったキッカケになっており、教員と保護者が繋がるための1つのツールにはなりつつあります。
大変些細なことではありますが、とても重要なことであると思いますね。

今後、能率手帳スコラを活用する上での指導方法などありましたらお聞かせください。

(1学年担任 中島 敬介 先生)
2つの道があり、1つは教員がかかわらない方向に進む道だと思います。
生徒には自立をしてもらいたいので、つきっきりで中学3年生、更に高校生になってまで指導を続けることは良くないのではないかと思います。
教員は関与せず、自ら手帳を使いこなしていける、という方向にどのように持っていけるかということになります。
生徒達が本当の意味で手帳を自己管理のツールとして使えるように指導していくことが大事であると思います。
現在は保護者とやり取りをしてチェックをする形で活用をしていますが、いつか手を放すようにもっていかなければならない、と考えています。

もう1つは、能率手帳スコラはいろいろな特徴を持っているという利点を活かして、生徒達がこれから先に歩んでいく道においてのツールとして、手帳を組み込んでいけないだろうかと考えています。
本校は中高一貫のため高校入試がありませんので、進路選択、大学入試、が次の関門です。受験会場にもスコラを持参してもらいたいと考えていますので、進路指導部との連携を図りながら、そのような新たな工夫を加えられたら良いと考えています。
(1学年担任 白木 結佳 先生)
生徒とのやり取りで約1年、手帳での指導に取り組んできて、生徒は主に、家庭学習の内容と時間を記録として残していますが、時間に振り回される、時間を気にし過ぎてしまう生徒がいるようにも見受けられます。学習時間は、時間さえ取っていれば内容はどうでも良いということではありません。
なので今後は、一日一日、その日に得た知識や新しい発見などを、必ず1つは書いていけるように指導をしたいと思いますね。
それは学習に関することだけではなく、普段の生活に関すること、挨拶の大切さ、靴を揃えることなど何でも良いので、1日1つは何か記入するように指導して行きたいと思っています。

株式会社NOLTYプランナーズ