MENU

NOLTYスコラ プログラムの導入事例

NOLTYスコラ プログラム

導入校の事例をご紹介します。

「自ら気づく力」を高めるために。
取材日 : 2019.08.06
  • 高等学校
九州産業大学付属九州高等学校 様

「自ら気づく力」を高めるために。

平成25年に創立50周年を迎える九州高等学校は、昭和38年、九州産業大学の付属高校として建学されました。「自ら考え、判断し、行動する」という創設者中村治四郎先生の掲げる「卓然自立」の建学の精神のもと、読書教育・道徳教育・芸術教育の3つの柱を教育の根幹とし多くの有為な人材を世に輩出しているのが九州産業大学付属九州高等学校。
特別進学クラスの国公立大学現役合格率は60%を記録し、福岡東部地区の男女共学私立高校として福岡地区三私大に合格者を多数輩出している高等学校ですが、能率手帳スコラをどのように活用して生徒を指導なされているのか、特別進学クラス担任の松本先生にお話を伺いました。

プロフィール
当校の「卓然自立」とは、際立って自立していることです。九州高校は、自ら考え、判断し、行動する、真に自立した人間を育成している福岡市の高等学校。

第1回手帳甲子園優秀校受賞校

手帳甲子園の詳細はこちら
都道府県 福岡県

能率手帳スコラの導入の経緯と生徒の変化

能率手帳スコラの導入のきっかけについてお聞かせください。

能率手帳スコラを採用する以前は、毎週用紙を配り、書かせる、という生徒の記録のとり方を指導していました。
しかしこの用紙では、紙の紛失や、途中の記録が抜け落ちるなど、一元的な管理が出来ず、また、毎週配る用紙であるために先の計画を立てることが難しいという欠点がありました。
なにか良い冊子状のものがないかと探していたところ、能率手帳スコラを紹介いただき、モニターとして導入し、2年目に至ったのが現状です。

能率手帳スコラ導入前の用紙の使いかたや指導方法を教えてください。

用紙の表面には毎日の記録、裏面にはその日・その週の計画を立てさせ、1週間を過ごした後に反省を記入し提出させるという指導をしていました。
毎週用紙を配る形だったため、用紙を紛失したり、ファイルに綴じても上手くまとまらず、残念ながら有効な活用までは至っておりませんでした。

能率手帳スコラを導入後、どの様な使い方の指導をされたのかを教えて下さい。

はじめの1年間は、内容については問わず、とにかく毎日の出来事をありのまま記入する、という事を指導しました。
記録することで、自分の1年間を振り返ることができ、自分を見つめなおす良い材料になればと考えていました。

生徒達はすぐにスコラを活用する事はできたでしょうか?

当初は半分ぐらいの生徒が書けませんでしたね。
中間考査の結果が良かった生徒の手帳を確認すると、能率手帳スコラの生活記録表に様々な事柄を多くメモを残していました。
きちんと記録をとっていた数名の生徒の手帳をコピーし、良い例として他の生徒に配布をしたところ、少しずつ生徒達が自ら工夫をして手帳を活用し始めました。結果として、書けない生徒はいなくなりましたが、書かない生徒が残りました。

「書かない生徒」というのは、どのような生徒だったのでしょうか?

気さくに「なんでもいいから書いてみて」と指導すると、普通に書くことができるんです。
面倒くさくて書かない、自分のことを赤裸々に書けない、恥ずかしい、という理由からあえて「書かない」と割りきってしまった生徒たちでしたね。

「書かない生徒」にその後、変化はありましたか?

少しずつではありますが書きたいことがあると書いてくる生徒が出てきました。
例えば好きなことや、映画のこと、友達と遊んだこと、テレビ番組のことなど、楽しかった出来事を書いてくるようになりました。ただし、勉強については、学習した時間のみを書いてきます。
少しずつですが書くこと、記録することの楽しみを見いだしてきているようで、とても良かったと感じています。

書く力の低下や書く機会の減少が叫ばれていますが、御校の生徒についてはいかがでしょうか?

生徒が書いてくれる以上に、教師が多くのコメントを書く、という姿勢が、生徒にとっての期待感につながり、書く機会や内容が増えてきているように感じていますね。
どの様な内容でも、生徒にとって「見てくれている」という安心感が書く機会や書く力の向上に結びついているのではないかと思いますし、書くことで生徒達も自分自身を見つめなおすきっかけが出来たみたいです。

能率手帳スコラの活用方法で成長する生徒

能率手帳スコラで生徒とのコミュニケーションが深まっているのでしょうか?

能率手帳スコラをきっかけとして、昼休みなどに話す時間を作ることができたり、手帳の記録の様子で生徒の変化を知ることができるなど、教師が生徒の異変に早めに気づく事ができるという点でも、非常に役立つ材料になっていると感じています。
また、生徒にしても、書くことで「気づいてもらえる」「自分を客観的に見つめることができる」といった点で役に立っているんじゃないでしょうか。

生徒と話をする機会においても、能率手帳スコラが役に立っているお聞きしました。

生活記録を確認することで、教科担当の教師に詳細を確認をしなくても、ある程度の学習状況を想定することができるんです。
1日のうちの2、3分程度の短い時間でも、生活記録をもとに生徒と話をすることで、その時間の積み重ねで双方向のコミュニケーションが深まっていくことを実感しています。

スコラを配付した時の生徒達の反応はいかがでしたか?

非常に喜んでおりました。面倒くさいと言うような声もほとんど見受けらませんでした。
几帳面に定規で線を引き、字も丁寧に綺麗に書き、丁寧に扱っていましたし。
手帳を手にして、ひとつ大人になったような印象があります。

配布されていた用紙との扱いに差はありますか?

大きく違うようです。
以前は用紙を受け取ると、授業で配るプリントや連絡プリントと同じ扱いで、すぐに仕舞いこんでしまった印象もありましたが、能率手帳スコラはサイズ的にも丁度よく、すぐに取り出すことができるように配慮しているようです。

初年度と2年目の指導に違いはあるのでしょうか?

1年目には楽しく使い活用する、ということに重点を置いた指導でした。生徒もシールを貼るなど、楽しく使えるように工夫していたと思いますね。
2年目からは、シールやハンコなども利用をしますが、より沢山記録するように指導をするとともに、私達もより細かく目を通すように心がけています。

生徒の記入内容はどの程度の頻度で目を通されているのでしょうか?

教師によって、1日1回から週に数回程度目を通すようにしています。

男子と女子の生徒の使い方の違いをお聞かせください。

1年生の頃は女子生徒はカラフルで絵なども多かった印象がありましたが、2年生からは記入内容だけでは男子生徒なのか女子生徒なのかの見分けが難しくなった印象があります。
女子生徒も男子生徒も細かく記入をする生徒が増えてきており、内容については男女の差が無くなってきた印象があります。
一般的に女子的な手帳というのは、カラーペンを使ったりシールを貼ったりという印象が強いと思うのですが、生徒たちの目的が「手帳を作る」というものではなく、「自分の一日をはき出す、記録する」という点であるために、華やぎはなく、自分の悩みや毎日したことを細かく記入するなど、手帳の使いかたに関する考え方が変わってきたのだと思います。
男子生徒にしても、ビジネスマンが手帳を使うように、細かく奇麗に使用しています。一方で女子生徒が奇麗に記入するかと言えばそうでもなく、本当に必要な事柄を記入し、色使いも必要最低限で、まさに記録を残し、振り返りのために活用している印象があります。

男子生徒と女子生徒に対しての指導方法に差はあるのですか?

女子生徒は自分のスタイルを頑(かたく)なに守る、という傾向が強いので、それは尊重しています。私が望む使い方や書き方を受け入れてもらうことは難しいという印象があります。しかしそれも一つの個性であり、本校の建学の精神「卓然自立」に沿っているのかなとも思っています。
その点、男子生徒は柔軟な印象があり、良い例を掲示しアドバイスをすると、その方向に活用をしていきます。
ただ、「書かない」という点では男子生徒の割合が多いので、そういう生徒達にどんな刺激を与えていけば良いのかが今後の課題かも知れませんね。

コメント欄から見る生徒達の自分らしさ

コメントの際に先生が意識しているポイントをお聞かせください。

悩みについては、あえて書面には残さず、後で話をしようとメモを残します。それ以外の、前向きな楽しい内容については、書面で、できる限りたくさん書き込むようにしていますね。
悩み事については、会話で沢山のアドバイスをしますが、解決方法を生徒自ら考え、見つけて欲しいと考えているため、直接的な解決方法は書かないようにしています。

先生のコメントに対して生徒達もコメントを書いてくれるとお聞きしました。

友達同士でカラオケに行った生徒たちが、それぞれ自分の手帳に「友達とカラオケに行った」と書いてきます。
私が三者三様にコメントを残すのですが、同じ時間を共有している生徒たちが、それぞれ異なる想いを持って返事を返してくる、コメントに自分らしさがプラスされて戻ってくる、というような点が、私にとっても大きな楽しみです。

コメント欄をとても活用されているのですね。

別の教員はコメント記入欄が小さすぎると言っていますね。
私達教師も、生徒達の1週間に対して沢山の言葉を投げかけてあげたいと考えています。

能率手帳スコラを活用した「卓然自立」・教材として活かすスコラの可能性

御校の建学の精神に「卓然自立」についてお聞かせください。

卓然自立とは自ら考え行動することです。自己を凝視して自らの人生を切り開いて行く根幹です。
手帳を使い始めてから、自分たちの行動や物事の順序を計画することで大きく役に立ち、考えて行動する力が身に付いてきていると感じます。
書くことが苦手だった生徒たちも、手帳を活用しているがために、教師が手帳を預っている時間が長いと不満を言うようになりました。早く返却してくれと。
結果論かもしれませんが、1年半使い続けてきて、「卓然自立」が身についてきているのではないでしょうか。

それは手帳への書き込みにも現れていますか?

反省文などを見ていると「計画がうまくいかなかったので次回はこうしたい」と「自ら気づいて」行動するような面が見受けられます。
人に言われて行動するのではなく、自ら気づいて行動するという点がとても重要です。
卓然自立の目指す先と、手帳で自らを振り返り律する、という点で、新たな一歩を踏み出させるという面で手帳が大いに役に立っていると感じています。

能率手帳スコラの巻末ページの資料についてご意見をお願いします。

手帳の使い方の中に、PDCAの説明が掲載されています。
PDCAの説明は、導入当初も読ませましたし、今年の4月にも読ませました。長い人生を送る中でPDCAを意識して行動していってもらいたい、という目標があります。
そのような意味では、本校の「建学の精神」と「手帳の目指す方向」が相まって、よい効果を生み出す「教材」になっていると感じていますね。

今後ご利用をいただく上で、能率手帳スコラに対してのご意見があれば教えて下さい。

現在は生活を記録し見返すために使用しておりますが、今後はこの先の自分自身の人生を見据えてプランニングをするような使い方ができると良いと思います。
計画を立てて実践をした結果を見返すことができる手帳は、一生の宝物になるのではないかと思います。
将来、くじけそうになったときには、自らの支え強みになる、そんな教材になって欲しいと思います。

キャリア教育の教材としてご活用できる可能性はあるでしょうか?

オープンキャンパスにこの手帳を持って行き、聞いたことをメモする生徒や、講義を聞いて、最初のページに講師のサインをもらってくる生徒もいます。
そのような経験値が、この先の人生のパートナーの様な存在になってくれればとも考えます。
キャリア教育は高校でも重要な考え方になってきており、偏差値とは違った視点での人生教育に、手帳を活用できればと考えます。

1年間のモニターを終了して、2年生に進級した際も同じ手帳を使いたいという要望が多かったとお聞きしました。

2年次で引き続き、能率手帳スコラを使用するかどうかは、生徒達に伝えることが出来ないまま1年次を修了しました。
生徒達は春休みに自ら4月始まりの手帳を購入し、学校に登校してきました。
私たちはそのことを知らずに、4月から能率手帳スコラを使用します、と連絡した所、たくさんの生徒から購入する前に言ってくれないか、という不満を言われました。

生徒たちはどんな手帳を買っていたんですか?

手帳はスコラと似ていましたね。
生徒達の多くはバーチカルタイプの時間軸がついている手帳を選んでおり、普通であればマンスリータイプやウィークリータイプを選択しそうなものですが、生徒達が時間軸のついている手帳を選んでいてとてもビックリしました。
能率手帳スコラを再び配付した後は1年次と同様に手帳を提出するという習慣が身に付いており、生徒達の成長を実感することが出来ました。

株式会社NOLTYプランナーズ