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NOLTYスコラ プログラムの導入事例

NOLTYスコラ プログラム

導入校の事例をご紹介します。

生徒が自己管理能力を身につけるために。
取材日 : 2019.08.05
  • 高等学校
東京都立小山台高等学校 様

生徒が自己管理能力を身につけるために。

平成19年度に東京都の進学指導特別推進校に指定され、進路指導の中で、キャリア教育や学習指導について、様々に工夫を重ねている東京都立小山台高等学校。
ここ数年、国公立大学及び難関私立大学への合格者数を大きく伸ばしており、進路指導の中で能率手帳スコラをどのように活用して生徒を指導なされているのか、山本先生にお話を伺いました。

プロフィール
教育目標である「敬愛・自主・力行」という行動指針のもと、他者を敬い、謙虚に学び(敬愛)、自ら考え工夫し(自主)、高い志をもって努力し(力行)、社会に貢献できる人を育てる教育を目指している都立の高校。
都道府県 東京都

能率手帳スコラの導入の経緯

能率手帳スコラを導入した経緯をお聞かせください。

そうですね、まず、低学年の家庭学習時間を増やすにはどうしたらいいかということが学校としての課題の1つでした。
これといって良いアイデアがなかったのですが、試験的に昨年の1年生が学習記録簿を導入しました。
毎週土曜日朝のSHRで学習記録簿を生徒に渡し、1週間単位で自分が勉強したところをマーカー(記録)させ、帰りのSHRで担任が回収しました。
その結果、それまでの生徒たちより学習時間が増えたというデータが取れました。それで、「記録する」ことが有効であるということが解りました。

能率手帳スコラを導入するきっかけはありましたか?

私は進路主任をしており、毎年難関大学に合格した卒業生と話をする機会があります。
そのうち2人の卒業生から、受験の時に学習記録をつけ続けて、第一志望に合格したという話を聞きました。ノートを1冊買い、計画を立てて、実践した記録をつけ、定期的にふりかえって、計画の調整を行ったのです。
1人は高3の4月から、もう1人は6月から始めて、夏以降に成績が伸びたそうです。学習記録は、自分の勉強の癖、科目ごとの時間配分、次に何をするべきかなどが一目でわかり、またこれだけ勉強したという達成感も味わえるので、受験勉強にとても役立ったそうです。 私はそれを進路通信で紹介しようと考え、コピーを取らせてもらいました。
ある日の進路部会の際に、朝日新聞に掲載された能率手帳スコラの記事を進路部の先生が持ってきて「これがいいんじゃないか?」という話がありました。
その後、能率手帳プランナーズさんへ連絡をして営業の方に訪問をいただき、実際の手帳を拝見したところ、とても良いということが解り、学校で導入の検討を行いました。
そして、導入、及び使用開始は4月からの新入生を対象にということになりました。

導入の目的

導入の目的を教えて下さい。

ひとつの大きな目的は「自己管理」です。
学校として、生徒に対して勉強の仕方などを含めて時間の使い方を指導しますが、実際には放課後の時間をどう使うかということは、生徒自身が考えなければなりません。
「自分で自分の時間を管理する」力をつければ、限られた時間を上手く使わなければならない大学受験も上手く乗り切れるし、いずれ社会人として仕事をするときにも、必ず役に立つはずです。
高校時代に、「自分を知って、自己管理をする」という力をつけるために、手帳は非常に有効で役に立つのではないかと考えています。

もう一つの目的は「生徒に自分の学習スタイルを手帳を使うことで見つけて欲しい」ということです。
例えば、自分は朝型なのか、それとも夜型なのか。
一日のうちに複数の教科を勉強するのが効率が良いのか、好きな教科ばかりを勉強していないか、隙間時間はないのかなどそれぞれ生徒自身が手帳に記録をつけて、振り返りをすることで気づきが生まれます。
自分に合った学習スタイルは先生や友達に聞いてもなかなかわかりません。
「手帳を使って記録をつけ続ける」ことで自己分析ができて、見つけられると思います。そういう点でも、手帳は役に立つのではないかと考えています。

能率手帳スコラの導入後の生徒の変化

能率手帳スコラの導入後に、生徒たちにはどの様な変化が現れましたか?

それまでの学年と比べて大きく異なるのは「提出物の提出率が全く異なる」という点ですね。
宿題や申込書などの提出物が非常に良いです。
また、忘れ物が大きく減り、集会などの集合時間などの時間を守ってくれるようになりました。

生徒たちに能率手帳スコラを活用してもらうための指導

生徒にどの様な指導を行なっていますか?

入学式後に、学習オリエンテーションで、各教科の学習方法や、高校での単位修得(履修と単位の修得)、高校生活の過ごし方などを指導します。
その中で「手帳の使い方」という時間を設け、能率手帳プランナーズの方へ講義をして頂き、手帳を使う目的や使い方の事例などのお話を頂きました。
また、脳科学の観点から、記録することの有効性も紹介しました。本校の卒業生が出演しているDVDも鑑賞しましたね。

各クラスにはどうような指導を行っているのですか?

各クラスでも、ホームルームの時間にはかならずメモを取る、など、いろいろな場面で手帳を使うように指導しています。
クラスによってはホームルームの時間に連絡係の生徒が、話す連絡事項を能率手帳スコラに書き込んでおり、それを読み上げます。
それを聞いた生徒たちも、自分の能率手帳スコラにメモを取る、ということを実践しています。

さまざまな取り組みをされているんですね。

他にも、学年集会や進路講演会の時には、かならず能率手帳スコラを持参して、自分が必要だと思うことはメモを取るように指導しています。
それでも、全員が使いこなすことはなかなか難しいので、5月の中旬から約1ヶ月「スコラ強化月間」というイベントを設けて、ポスターなども作成して啓蒙を図りました。
強化月間終了後は、担任の先生が生徒から手帳を回収して内容をチェックし、フィードバックを行いました。
また、二者面談の際に生徒の手帳を見ながら、学習状況や、学校生活などの話をしています。

能率手帳スコラの生徒たちの活用

能率手帳スコラ導入から半年が経過し生徒はどのように活用していますか?

生徒全員がフルに活用しているには到っていません。しかし、多くの生徒が、宿題の提出日、小テストの日程、行事予定、班活動(クラブ活動)の予定などは、まめに書き込んでいます。
また、勉強の予定を立てて、それが終わると予定を線で消したり、各教科の勉強時間をメモして、1週間の合計を出している生徒もいます。
1週間記録をつけ続けて、1日の過ごし方を見直したところ、意外にも隙間時間があったと気づく生徒もいるようです。

具体的にはどのように活用してるのでしょうか

例えば電車に乗っているときに単語を勉強するとか、休みの日にいろいろな科目を勉強するとか、自分で1週間のスケジュールを手帳を見て把握し、スケジュールを調整している生徒がいます。
生徒に手帳を使ってどの様な点が良かったか、ということをヒアリングをしてみると、「まず自分が次に何をするべきか」ということが把握でき優先順位がつけられる、また、忘れ物をしなくなったとも言っています。
1週間の最後に振り返りをするのですが、科目によって学習時間にバラつきがあるなど、自分の学習方法のクセに気づいたという生徒もいます。
また、大きな目標に向かって小さな目標を毎週書き込み、実践することで自分を奮いたたせる事ができる、ということを言っている生徒もいました。

能率手帳スコラを活用することで、生徒たちにどの様なメリットが生まれていると思いますか?

手帳を活用することで「書き込んだ記録」が常に手元にあるので、ふり返りができます。
例えば1学期の中間テストの記録を確認し、成績の芳しくなかった科目の学習の記録を見返してみると、やはり学習に偏りがあったと気づき、期末テストではそこを修正しようという行動が生まれる事も、常に手元に記録が残っているからです。
また、1日の過ごし方で「どこかに無駄な時間があるのでは」という気づきが生まれ、それらを分析しながら時間を効率的に活用できるようになるという点でも、手帳は優れていますしメリットがあるのではないかと考えています。

能率手帳スコラの導入による効果

能率手帳スコラを活用することで、生徒たちにどの様なメリットが生まれていると思いますか?

手帳を使って、直接この教科の点数が上がる、というようなことではないのですが、手帳を使って自己管理ができるようになり、規則正しい生活を送ることができるようになったという話を聞きます。
勉強する時間も定まり、机に向かうことが習慣化し、睡眠時間もしっかり確保できるようになります。結果として心身ともに健康になるので、良い状態で勉強もできます。生活習慣をきちんとすることが、学力をつけるうえで大切な土台になると思います。
いろいろな学校の先生方から聞くお話として、提出物の出が良い学年、宿題や予習をしっかりとやってくる率が高い学年は、最終的に進路実績も良くなる、という話があります。
手帳はそれらを実現するための、大変よいツールになると考えています。

生徒の学習管理が成績も向上に繋がるんですね。

手帳を活用することで、
・予定を立てる
・実践をする
・振り返る
というサイクルが生まれますが、勉強に置き換えると、
・予習をする
・授業を受ける
・復習をする
という事と全く同じ事なんですね。
このように、手帳を使うことで、「自分を知り、自分にあった時間の使い方、学習方法を見つける」ことが目的です。それができれば、生徒たちは、自分で考えて、前に進むことができるはずです。

今後の学校の指導や方針について

生徒たちに能率手帳スコラをもっと活用してもらうために、どの様な指導が有効でしょうか?

「使っていくと便利だよ」ということを実感させる指導が一番良い方法ではないかと考えています。
機会をとらえて、メモを取ろうね、チェックしようね、というような呼び掛けをしています。その様な指導の仕方が無理がなくて良いと考えています。

それはなぜでしょうか?

先日、卒業生(大学生)と話をする機会があったのですが「大学の授業は黒板を使わない。先生がずーっと話しているだけなので、メモを取る習慣が定着していないと本当に困る」と言っていました。高校の時に、もっとメモを取ることを習慣化していればなぁとも言っていました。そのような点からも、メモを取る、ということを習慣化することが必要なんだと感じました。
また、メモの取り方にしても、高校生の時から、人から教わるのではなく、試行錯誤を繰り返しながら自分が一番理解しやすいスタイルを、発見し工夫する、ということが大切なんだろうと考えています。
その様な点からも、この1冊の手帳で非常に多くのことを学べるのではないかと考えています。

能率手帳スコラを活用するための、学校としての方針や方向性がありましたら教えて下さい。

現在の1年生については、3年生まで使い続ける予定です。
手帳が本当に威力を発揮するのは、本格的に受験勉強にはいる高校3年生の時です。
学習計画とその実践、様々な模擬試験の予定と結果の記録、入試日程など、自分で時間をしっかり管理しなければなりません。
1年生、2年生のうちから、時間のマネジメントやメモの取り方、予定の作り方などを学んでおけば、スムーズに受験勉強に入っていけると思います。
そういう意味では、この手帳は受験期に本領を発揮すると考えていますので、そこへ向かって手帳を使えるように指導していきたいと思います。

現在の1年生は能率手帳スコラを使いこなしていますか?

現在使い始めて半年ですが、一年が経過した時点で上手く使いこなしている生徒がいれば、
次に入ってくる新1年生に対して「この一年間で手帳をこんな風に活用してこんな一年を過ごしました」というような話ができると良いと考えています。
それを学校の伝統のようなものとして築いていけるような流れができると、学校としても更に活性化ができて良いと考えています。

株式会社NOLTYプランナーズ