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手帳指導コラム

NOLTYスコラ プログラム

中学校・高校の「手帳」に関する記事をまとめています。

2021.09.24

スコラ手帳で先を見通す力をつける 神田女学園中学校高等学校インタビュー③KANDA×NOLTYスコラ プログラム

神田女学園ではスコラ手帳を「LIFE NOTE」と呼び、生徒の生活の記録としてご活用いただいています。スコラ手帳を活用中の中学3年生・砂子澤さんと、スコラ手帳に関する取り組みを主導されている小堀先生にお話を伺いました。

 

強豪のソフトボール部で副キャプテンを務める砂子澤さん

 

――スコラ手帳を学校で最初に配られたときはどう思いましたか?

 

最初は「今日は楽しかった」ぐらいしか書いていませんでした。毎日先生に提出しているうちに、コメントを返してもらえるので先生とやりとりできるのが楽しくなってきて、一番下の行まで書くようになりました。

 

――スコラ手帳はどのように使っていますか?

 

1日のスケジュールを記入して、計画的に過ごせたかを確認するようにしています。学習面では1日の勉強予定時間を事前に記入して、自分がどれだけ勉強できたかを確認したり、定期テスト前はどの教科を勉強するか計画を立てたりしています。また、最後の定期テストの記録表にはあらかじめ目標点を書いて、結果を記入してどうだったのかを自分の中で振り返っています。

 

――学習面でスコラ手帳を活用しているのですね。砂子澤さんが副キャプテンを務めるソフトボール部は今年東京都で2位、関東大会にも出場予定とのことですが、部活動も多忙なのではないでしょうか。

 

スコラ手帳で自分の計画を立てられるので、生活リズムが崩れなくなりました。夜7時まで部活で8時に帰宅しても最低30分は勉強しようと思えるようになり、スコラ手帳で文武両道が実現できるようになったと思います。

 

――スコラ手帳の書き方で工夫していることはありますか?

 

中学1年生のときに担任の先生から言われて、スケジュールは全部英語で書くようにしています。模試で英単語の問題が出てきてもスラスラ書けるようになりました。

 

――継続して書くためのコツはありますか?

書かされていると思わず、毎日、自分が楽しかったことを書くようにしています。全部書かなくても今日、自分がやりたいことを書くだけでもいいと思います。自分の楽しみ方があると思うので、それを続けていければ毎日楽しく書けるんじゃないかなと思います。

 

――毎日コツコツ取り組む力が身に付いているのですね。その力が勉強や部活動でも活きているのだと思います。今、一番頑張りたいことは何ですか?

 

文武両道です。小学生の頃、テストは良い点が取れなかったのですが、中学生になってから急にスイッチが切り替わって、勉強に対して、意識が大きく変わりました。将来の目標はまだあまり決まっていませんが、理系科目が得意なので医療系の仕事に就けたらいいなと思っています。



――NCL(ニコル)・プロジェクト(総合的な探究の時間)にも取り組まれていると思います。探究の授業をやっていて楽しいのはどんな時ですか?

先日、校外学習として駿河台を歩いたのですが、いつも通っている道でも新しい発見があって面白かったです。友達と話していると「そういう視点から見るんだ!」と驚いたり、新しいことに気づくことも多いです。探究学習をやってから「不思議」「なぜだろう」と思う気持ちが出てくるようになりました。

 

――来年からは高校生ですね。もっとやってみたい、学んでみたいことはありますか?

 

中学1年生のとき、NCL・プロジェクト(総合的な探究の時間)でBluetoothの仕組みを大学の先生に聞く機会がありました。今はコロナ禍で難しいかもしれませんが、不思議に思ったことを大学の先生に質問して、話を聞いてみたいです。



(インタビュアーより)砂子澤さんが副キャプテンを務めるソフトボール部は、インタビュー後全国大会に出場されました!スコラ手帳を使っての文武両道の実現、これからも応援しています!

 



中学部主任としてスコラ手帳の取り組みを主導されている小堀 美和先生

 

――NOLTYスコラ プログラムの導入時からご尽力いただいております小堀先生にもお話を伺いたいと思います。当プログラムの導入目的について教えてください。

 

最初の導入目的は学習面で基礎学力を身に付けることでした。基礎学力を身に付けるためには提出物をきちんと期日までに提出できるか、基本的な約束事を守れるかが重要だと考え、手帳に提出日など今週の予定を書かせることからまず始めました。今では計画を立てて行動することは本校の生徒はだいぶできるようになってきて、今度は振り返り、PDCAのCheck,Actionの方に生徒たちの関心も移ってきているのかなと感じています。

 

――Plan,Doの繰り返しにせず、どうCheck,Actionに持っていくかが難しいところだと感じます。Check,Actionを促すために指導の中で伝えていることはありますか。

 

テスト後にやり直しを徹底させています。やり直しもただ解いて答えを書くではなく、じっくりと「なぜそこで間違えたのか、どうすれば正しい答えを導き出せたのか」まで書かせるようにしています。

それと同様に手帳でも今週1週間、過ごしてみて、達成できたこと、できなかったこと、うまくいったこと、いかなかったことを「次に向けて」というところを書けるようにしよう、と声がけしています。手帳を使い始めたばかりの1年生はまだ「今週の予定を書きましょう」「できたことを書きましょう」といったところを重点的に指導していますが、2年生、3年生は1週間の振り返りから、先を見られるようになればいいなと思っています。

 

生徒はPCも持っていますが、スコラ手帳にやるべきことを記入しましょうと伝え、常にPCとスコラ手帳を持ち歩かせています。PCは開いて立ち上げて、入力してある部分を探す手間がありますが、スコラ手帳にはそのひと手間がなく、ぱっと開けば来週何があるかがわかります。その手軽さが中学生に必要かなと感じています。

 

Plan,DoからCheck,Actionができるようになると、部活動だけに偏ってしまう、好きな科目しか勉強しないということではなく、全体を見られるようになり、勉強と部活動が両立できるようになると思います。先を見る力が付き、視野が広くなる。それが導入してからこの数年間の生徒の変化ではないかと感じています。

 

――Plan,DoからCheck.Actionにステップアップしている理想的な活用ですね。先生方のどういった取り組みが生徒全体のレベルアップにつながったと感じますか。

 

本校の規模なのでできることかと思いますが、先生たちが毎日生徒の手帳を見ていることだと思います。忙しくてハンコ一つになるときもありますが、「あなたたちをいつも見ていますよ」というメッセージが生徒たちの励みになっているようです。自分たちが見てもらえているという安心感によって、もっと頑張ろうとか先生の期待に応えようという気持ちが生徒たちに芽生えます。そうして手帳活用が続くことが生徒の自信につながっていると感じます。

 

――ご多忙な先生方が手帳を毎日見たり、コメントしたり取り組み続けることのできるモチベーションの要因は何でしょうか。

 

生徒の成長を感じる喜びではないでしょうか。だからこそ生徒に向き合っていけるのだと思います。先生方にとっても手帳を毎日確認することが当たり前になっていて、自分の時間割を見て朝手帳を回収する先生や、午後の自習時間(SAタイム)に生徒に学習させながらコメントを書く先生など、それぞれやり方を確立しているようです。中学3年生になると少し手が離れて、先生が短時間でパパっとコメントを書いても大丈夫になってきますね。

 

――生徒が自律できてくるからこそ、先生の手が離れるということですね。手帳に毎日コメントするのは先生方にとっても負担は大きいことだとは思いますが、そこに手間をかけることで最終的には生徒の成長が先生方のやりがいにつながるのですね。

 

特に中学3年生は義務教育最後の年になります。本校は基本的に皆内部進学しますが、高校では自分で単位を取り、勉強して大学進学をめざします。高校できちんと自分のことを自分でやるために、「基礎力をきちんとつけて卒業させよう」というのが中学校の先生方の共通の想いになっています。だからこそこの手帳を使って、自分でできるようにしていこうというのが3年間の目標でもあります。砂子澤さんはもういつ卒業してもいいレベルで活用できていますね(笑)。

 

――砂子澤さんの先ほどのお話でも、今は大会が近いから部活に比重がかかっているけど、部活も勉強もどちらも大切にしたいと自分で気づけているのが素晴らしいと思いました。

 

やはりそこに気付けた生徒は成績がものすごく上がると思いますし、その相乗効果の実感が彼女の中にあるのだと思います。砂子澤さんが2年生の時、私が副担任だったので手帳を日々見ていたのですが、手帳の書き方も充実してきて、Plan,DoからCheck,Actionができるようになってきているのを感じていました。そのころから成績がぐっと上がってきて、学習面においても、どうやって勉強すればいいか、どう振り返れば次につながるか、ということを自分で考えられるようになっていて、それが部活動との両立にも活きているのだと思います。

 

――予定を立てることで自律できるのが手帳の効力だと思いますが、それを今、砂子澤さんが理解して実践できているのですね。

生徒の成績が伸びている実感もあると思いますが、最近はメンタル的な自己対話の部分で手帳を使ってくれている生徒さんも増えています。先生方が生徒さんの様子を見ている中で、生徒とのコミュニケーションや生徒のメンタルチェックとして活用されている部分、役立った場面はありますか。

 

一生懸命に書いていた生徒が急に書けなくなったり、空欄が多くなったり、変化がすぐに分かります。これは本当に手書きならではだと思います。字が荒れたり、しっかり書いていた生徒がとにかく先生に提出しなきゃいけないからとぐしゃぐしゃっと1行、2行を埋めたり、というように、心が入っていない書き方になると「この子は何かあったんじゃないか」と気づけることはありますね。中学生は気持ちの変化が表に出てきやすいので、手帳がきっかけで面談につながることもあります。文章ではなく、手帳に書いた文字の在り様、書き方を見ることで色々な心の変化に気づくことができるのも、デジタル化していない手書きのいいところだと感じています。


また、あとで自分が書いた内容を読み返すことも重要だと思います。1週間前の自分がどうだったか、部活動の大会がどうだったかなど、前にさかのぼって読み返したときに、書いた時の自分の気持ちと向き合うことと、今の気持ちと対比させることで、自己成長を感じ、壁を乗り越える方法を生徒自身の中で整理できることが手書きのもう一つの魅力だと感じています。3年間使い続けて、最後に「このスコラ手帳はあなたたちの宝物になるんだよ」と生徒たちには伝えています。

 

――貴校では生徒がPlan,Doを身に付けてCheck,Actionに入ってきたというお話がありました。この先Check,Actionを身に付ける中で、次に目指したいという目標はありますか。

 

まだ中学生なので、先を見るといっても、高校生になったらこのコースに入りたい、といったような1~2年後の目標で終わってしまう生徒がほとんどです。ただそこからさらに、中学生の今の時点でこういう夢や目標があって、将来はこんなことをやってみたい、それを実現するためにはどういうことを継続してやっていく必要があるか、自分に足りないものは何かも含めて、この手帳を使って、自分に必要なことを実現させていくことができるようになったらいいなと思います。

 

あとは中高の取り組みが分断されないようにしていけたらと思っています。特に高校になると外部からの入学生が増えるので、自己管理といった面では本学園中学から進学した生徒がはるかに先に進んでいます。中学校で今できていることを崩さず、外部からの入学生たちに「こういう風にやるといいよ」とアドバイスができることが理想です。

 

――以前、貴校では中学生だから英検2級や1級を取れない、という決めつけはしないという話を伺いました。中学生、高校生だったらこれぐらいでいいよね、という限界を決めないという。

 

そうすることによって生徒が突き抜けていけるんじゃないかなと思っています。スコラ手帳やNCL・プロジェクト(探究活動)の話をすると、保護者の方々にとても感心していただけます。「中学生のうちからこうやって協働的な学びをしてもらったら会社に入ってきっといいだろう」「PDCAが回せる社会人がなかなかいない。こういうのをやってくれるとすごくいいね」と、保護者から一社会人の視点で評価していただけることが、先生方にとってもやっていてモチベーションになっていると感じています。

 

――学びの本質を突くがゆえに、原点回帰で進路、キャリア意識につながっていく。一番理想的な形を築けているのが本当に素晴らしいとインタビューで感じました

 

それが本来の理想だと思います。時間をかけて土を耕す。ぱっと肥料をあげて育ててはい、収穫!とできたら早いですが、それは本当の学問ではないですし、人間的な成長とも違うと感じます。中学校からきちんと育てることで、生徒が自分自身の力でつかんだ本来の学びや学問の楽しさは社会人になってもずっと続くはずです。学校の勉強だけが学問ではなく、何歳になっても成長を遂げられると思いますし、そこが本来の教育の役割なのではないかと思っています。

 

――デジタル化すると効率化といった話がよく挙げられますが、先ほどアナログの手間がいいという話も出たように、手間をかけることに価値があると感じます。効率化すべきところもありますが、手間がかかることこそが最も生徒の成長につながる、教育的価値が高い部分なのだろうと話を聞きながら感じました。

 

泥臭くてもいいかなと思います。もちろん効率化を図らなくてはいけない部分はどんどんそうしていきますが、人を育てるところは効率化だけではないと思います。だからこそ、スコラ手帳もデジタル化せず書かせる。ここにあるメッセージをとらえる力を先生たちにも持っていてもらいたいというのが今の目標です。



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