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手帳指導コラム

NOLTYスコラ プログラム

中学校・高校の「手帳」に関する記事をまとめています。

2019.11.12

キャリアパスポート(キャリパス)とは!?概要と効果を考える

2020年から小学校・中学校・高等学校で使われるようになった「キャリア・パスポート」。何を目的としたもので、どのような効果が期待されているのでしょうか。

目次

キャリア・パスポートとは?

キャリア・パスポートの意味

キャリア・パスポートとは、小学校、中学校、高等学校のキャリア教育の内容を記録するポートフォリオのことです。学びの過程を記録に残すことで、過去の「振り返り」と将来の「見通し」を行うのがねらいです。小学校から高等学校まで、継続してキャリア・パスポートを使うと、長い期間にわたり行ってきた取捨選択や創造が積み重ねられて、キャリアが形成されます。学年間の引き継ぎは教師が行い、校種間の引き継ぎは児童生徒が行う仕組みになっています。
キャリア・パスポートの形式には指定がなく、教材は地域や学校によって異なっています。基本的な内容は共通のため、転校しても同じキャリア・パスポートを使い続けることが可能になっています。

キャリア・パスポートの記録方法

キャリア・パスポートには、児童生徒が自分自身で記入することとなっています。子どもたちが自分の学習状況やキャリア形成を自己評価することが目的のため、年初や行事後、学年の終わりなど、学校生活の節目となる時期に書き込むことが多くなっています。
キャリア・パスポートでは特別活動の記録なども残し、児童生徒自身が振り返って学びを深める役割を持っていることから、教師が教科学習の評価を記入する成績表とは役割が異なっています。

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キャリア教育が重要な理由

キャリア・パスポートの導入背景

文部科学省が2020年4月からキャリア・パスポートを導入しました。その背景の一つとして、新学習指導要領の小学校、中学校の総則に、キャリア教育の充実化が明記されたという改定が挙げられます。

小学校学習指導要領 総則 第4 児童の発達の支援
∟「⑶児童が,学ぶことと自己の将来とのつながりを見通しながら,社会的・職業的自立に向けて必要な基盤となる資質・能力を身に付けていくことができるよう,特別活動を要としつつ各教科等の特質に応じて,キャリア教育の充実を図ること。」

中学校学習指導要領 総則 第4 生徒の発達の支援
∟「⑶生徒が,学ぶことと自己の将来とのつながりを見通しながら,社会的・職業的自立に向けて必要な基盤となる資質・能力を身に付けていくことができるよう,特別活動を要としつつ各教科等の特質に応じて,キャリア教育の充実を図ること。その中で,生徒が自らの生き方を考え主体的に進路を選択することができるよう,学校の教育活動全体を通じ,組織的かつ計画的な進路指導を行うこと。」

【出典】小学校学習指導要領(平成29年告示)
https://www.mext.go.jp/content/1413522_001.pdf
【出典】中学校学習指導要領(平成29年告示)
https://www.mext.go.jp/content/1413522_002.pdf

キャリア教育の重要性

少子高齢化や、産業や経済の構造が大きく変化し、雇用が多様化・流動化している状況などといった社会の急速な変化などを理由に、キャリア教育の必要性が高まっています。子どもたちは進路意識や目的意識が薄い傾向にあり、自分で意思決定ができない子や、将来に希望を持てない子もいます。キャリア教育を行い、キャリア形成に必要な意欲・態度・能力を育むことが重要視されており、小学校の段階から、成長に合わせてキャリア教育を進める必要があると言われています。

キャリア・パスポートを活用するメリット

家庭でのキャリア教育にもつながる

キャリアパスポートに取り組むことで、児童生徒が自分の生き方を真剣に考えるきっかけになるため、自分の親はどんな仕事をしているのか、社会にはどんな仕事があるのか などにも興味を持つようになります。学校に限らず、保護者とも話し合う機会が生まれやすくなり、身近にいる人からもキャリアについて学ぶことができるようになります。

進路を決める際の参考にできる

キャリア・パスポートには、小学校から高等学校までの記録が蓄積されます。高校生になるまで継続することで、成長の過程を振り返れるので、自分に向いていることや、興味のあることなどもよりわかりやすくなると考えられます。進学先や就職先を決める際の資料としても役立つと言えるでしょう。

教師からの理解を得やすい

キャリア・パスポートは教師と児童生徒の対話とも言えます。学年間・校種間で引き継がれるので、先生が児童生徒の学びの過程や変化など、過去の積み重ねを知ることもできます。生徒理解が深まることで、キャリア教育において、適切な指導やアドバイスが期待できるようになります。

(まとめ)キャリア・パスポートとは?キャリア教育の重要性と制度のメリット

キャリア・パスポートとは児童生徒自身の学びの記録を蓄積するもので、小学校・中学校・高校と継続して使うことでキャリア教育への効果が期待されています。
キャリア・パスポートの記入は一年に数回とタイミングが限られていますが、日頃からの学びの内容や感じたことを蓄積しておくことも大切です。スコラ手帳では日々の記録を手軽に残すことができ、キャリア教育の一環としてもおすすめです。


株式会社NOLTYプランナーズ