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総合的な探究の時間の授業づくりや、生徒の巻き込みに苦慮されている先生は多いようです。
生徒が自ら気づき、考え、発見できる学習者主体の授業を展開していくためにどんなことが大切なのでしょうか。
本記事では、NPO法人DNA 代表理事 認定キャリア教育コーディネーター 沼田 翔二朗 氏をお招きして
6月2日に開催したWEBセミナーの内容をもとに、生徒主体の総合的な探究の時間を作るための3つのポイントをご紹介します。
★会員登録なし・無料でセミナー動画がご視聴いただけます!本記事の下部をご覧ください★
①学習者主体のイメージを持つ
「学習者主体」といっても0か100かではなく、生徒がこの主体性のグラデーションの中でいまどこに位置しているかを想像することが大切です。
最終的には自律的な学習者として学んでもらうことを目指しますが、
その状態にはグラデーションがあるということを認識したうえで学びのデザインを行うことが必要になります。
焦点を絞って一斉授業で学ぶこと、個人で考えること、他者との対話から学ぶこと、それぞれ大切な学びです。
学習意欲を高めるARCSモデルについてもご紹介いただきました。
Attention「おもしろそうだな」今日はなんだかいつもと違う、おもしろそうだ、など生徒の注意を引けている
Relevance「やりがいがありそうだな」今日学ぶことは自分に関連性がありそう、ためになりそうだ
Confidence「やればできそうだな」課題に取り組むときこれだったらできるかも、と自信が持てる
Satisfaction「やれてよかったな」もしくは褒められたことへの満足感
上記4ステップを総合的な探究の時間の1コマ、もしくは半年や1年間など、長いスパンの中でも学習デザインに組み込むことで生徒の学習意欲向上につながります。
②いつでも自分なりの問いを立てる習慣を
自分なりの問いを持つことが学習課題と自分との関連性を見出す足掛かりとなり、モチベーションの高い状態で学習に臨むことができます。
講演会の事前学習などでも、テーマに対し疑問に思うことを書き出すワークを取り入れると講演を聞く姿勢が大きく変わります。
③孤立化させないように「学びのコミュニティ」を!
生徒間でのグループワークがうまく機能せず悩む先生は多いのではないでしょうか。
生徒はグループワークに臨む際、自分の考えが合っているか心配、発言したことをどう思われるだろう?といった不安を持っています。
グループワークを始める際は、お互いに学び合える人間関係を最初に作っておくことが重要です。
自己紹介や好きな食べ物などを話す1分間スピーチを行うことで、お互いを知り学習に向かう準備ができます。
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動画本編では、探究の授業の進め方や実際に生徒が取り組んだ探究学習の事例についてもご紹介いただいたほか、
・探究のテーマ設定の際、生徒が教員自身の専門分野以外の課題を設定したらどう指導すればいいのか?
教員があらかじめ指導できる課題を設定して選択させる形が良いのか?
・生徒の探究活動に口を出したくて堪らなくても、口を挟まないようにする時のポイントは?
など、リアルタイムでご視聴いただいた先生方からのたくさんの質問にもご回答いただきました!
【ゲスト講師プロフィール】
NPO法人DNA 代表理事 認定キャリア教育コーディネーター 沼田 翔二朗 氏
89年北海道士別市生まれ 群馬県在住。高崎経済大学地域政策研究科 修了(地域政策修士)
「群馬の10代に、しなやかな学びを。」
21年現在、群馬の10代が学びの創り手となることを目指して、
「社会とのつながり」と「豊かな対話」を軸にした授業を県内25校程度と協働しながら年間300時間程度届けている。