MENU

探究指導コラム

NOLTYスコラ 探究プログラム

中学校・高校の「探究」に関する記事をまとめています。

2021.08.26

探究は〝生徒が後悔のない進路へ向かうためのサポート〟の時間【前編】

目次

総合的な探究の時間の活動を生徒の進路につなげたい」とお考えの先生は多いのではないでしょうか。
「進路」をキーワードとしてカリキュラムに組み込み、周囲の先生と一緒に総探を進めている
関東第一高等学校の長尾先生にお話を伺いました。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
■学校名
学校法人守屋育英学園 関東第一高等学校
■都道府県
東京都
■教育方針
建学の精神 知育・徳育・体育
教育理念 英知・聡明・平和を尊び社会に敏感に反応し、国際社会で活躍し生涯学び続ける生徒の育成
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥


2019年度から新学習指導要領に先行する形で始まった「総合的な探究の時間」。

生徒数が多い関東第一高等学校では、先行実施とともに取り組みを始めました。

取り組みのキーワードは「進路」。

それは、大学受験のみならず、将来どのような人間になるか、

どのような生き方をするかを見据えたもの。

そのためにNOLTYスコラ 探究プログラムを活用しています。


★関東第一高等学校の探究授業を見て先生がポイント解説!ウェビナー開催中★



関東第一高等学校 長尾先生



――生徒数が多い関東第一高校ですが、進路に特徴はありますか。



◆多彩なコースと進路


本校の普通科は、国公立大学や難関私立大学を目指す特別進学コース、難関私立大学を目指す進学Aコースのほか、進学Gコース、スポーツコースの4コースがあります。


コースも生徒数も多いため進路状況は多種多様ですが、大学進学が約7割、専門学校が約2割、就職はほとんど数えるくらいで、残りは進路を決定するために浪人を選んでいるような状況です。


大学進学者のうち半数以上が学校推薦型選抜(旧推薦入試)と総合型選抜(旧AO入試)での合格者となっています。


一方で、本校としては一般受験による合格者も増やしていきたいという目標もあり、一般受験を目指しつつ、自分の持っているものを生かせる入試を受けるという、その両輪で進路指導をしています。



◆総合的な探究の時間で将来を考える


生徒たちの受験を見ていると、表彰されメディアに取り上げられた生徒、特技や得意とするものをしっかりと持っている生徒が大学合格を勝ち取っている一方で、受験への取り組みが遅れて悔しい思いをしている生徒もいます。


悔しい思いをしている生徒は、決して先生の話を聞いていなかったというわけではなく、生徒自身がモチベーションを持って受験に取り組めていなかった。僕らが生徒をその領域まで連れていけなかったという反省もありました。


進路指導の部長も含め先生たちがいろいろな取り組みをしているなか、学校としても何かできないかという話になりました。


そこで、総合的な探究の時間が新指導要領施行より3年前倒しで行われるタイミングに合わせ、進路とつなげられるものを目指すことになりました。




――総合的な探究の時間で、生徒にどのような力を身に付けてほしいと思いますか。

◆自己を前向きに肯定できる力を育てたい



本校の探究では、1年生は社会課題を解決するアイディアを他者と協働して作り上げる中で、自分について知ること、これからどのような高校生活を過ごし、どのようになっていきたいかを考えていきます。

高校では、新たな先生や友達と出会い、部活などを通して他校の生徒とも出会います。

いろいろな人がいることを知り、改めて「自分ってこうだな」と自分自身を見つめることになります。そのとき、自己肯定感が大切になると思っています。


本校は生徒数が多いため、いろいろなタイプの生徒がいます。SNSを見れば、キラキラしている子もいます。それをみて「自分なんて」と思ってしまうのではなく、「自分は自分でいいんだよ」と前向きに自分を肯定できるような、そうした力を身に付けてほしいと思っています。



◆変化の早い世の中で生きていくために


本校では、総合的な探究の時間のほかに、生徒を肯定し、評価する場をできるだけつくっています。

本校は野球やサッカーで有名ですが、それ以外の部活で活躍している生徒も多くいます。

例えば競技かるた部には、多くの生徒が高校から始め、中には東京都の代表に選ばれたような生徒もいます。


始業式や終業式でそうした生徒が表彰されると、多くの生徒にとっては「誰?」と思われつつも、2000人近くの生徒から「表彰されてすごいんだろうな」ということになるのです。


何かに向けて頑張ることで、自分が表彰される場にいることも。文化祭でも「B1グランプリ」などの来校者アンケートを元にした賞を設けてクラスに対しての表彰をします。


生徒が最初に得る肯定感は、自己に対してではなく、クラスや部活、学校に対してのものかもしれません。けれども、自己に付随した何かが褒められることで、今の自分の状況を好きでいられるようになってほしい。それが、自己肯定感にもつながっていくのはでないかと思っています。

自己肯定感を持ち、自分はこうありたいという考えを持っていれば、変化が早い世の中でも自分を推し進めていく力を身に付けられるのではないかと。それを総合的な探究の時間で目指しています。


株式会社NOLTYプランナーズ