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2022.07.07

SDGコンパスステップ4「経営へ統合する」でやるべきことと注意点



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SDGコンパスとは?5つのステップと活用のためのポイントを解説

SDGコンパス ステップ1

SDGコンパス ステップ2

SDGコンパス ステップ3



SDGコンパス ステップ4では、目標を経営に統合します。

SDGsに取り組んでいる企業のご担当者の中には、目標は設定したけれど、具体的に日常的な業務の中でどのように行動を促せばいいかわからないという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで本記事では、SDGコンパス ステップ4でやるべきことを具体的に解説します。経営へ統合する際の注意点も解説していますので、ぜひご覧ください。

目次

SDGコンパス ステップ4:経営へ統合する


SDGコンパスのステップ4 は「経営へ統合する」です。ステップ3で設定した目標をふまえて、できるだけ多くの部門にターゲットを組み込みます。

目標を設定しただけでは、各社員は具体的にどう動いたらよいのかわかりません。また、日々の業務に追われてSDGsへの取り組みが後回しになってしまう懸念もあります。

ターゲットを経営に統合することで、日常の業務を行いながら自然にSDGsへの取り組みを実施できます。また、SDGsへの取り組みが業務に組み込まれていることで、各社員も行動を起こしやすくなるでしょう。

社員の行動を促せるよう、目標を経営に統合する必要があります。






SDGコンパス ステップ4でやるべきこと



SDGコンパス ステップ4でやるべきことは次の3つです。

●目標を組織内に定着させる
●各部門ごとに目標の組み込みを行う
●パートナーシップを検討する

それぞれの項目について、詳しく解説します。




目標を組織内に定着させる

まずは、目標を組織内に定着させます。目標を組織内に定着させるとは、言い換えれば出来るだけ多くの社員がSDGsへの取り組みを行う意義を理解し、行動できるような環境を作ることです。

目標を組織内に定着させるためには、次の2つの原則が特に重要です。

●事業として取り組む根拠と持続可能な目標への取り組みが企業価値を高めることを理解する
●持続可能な目標を達成度の審査や報酬体系に組み込む

まずは、経営層だけでなく多くの社員に対して、SDGsに取り組む意義や取り組みによって企業価値が高まることを理解してもらわなければなりません。なぜ行うのか、どんな意味があるのかを理解してもらわなければ、積極的な行動は期待できないでしょう。

さらに、持続可能な目標を達成度の審査や報酬体系に組み込むことで社員のモチベーションはより高まります。

目標を経営に統合するうえで、取締役会の役割は重要です。取締役会であれば、目標を採用や報酬の基準に組み込むといった、一般社員には難しい意思決定が可能なためです。

取締役会がSDGsへの取り組みに対しての評価を高めれば高めるほど、社員のモチベーションも高まるといえます。




各部門ごとに目標の組み込みを行う


次に、各部門ごとに目標の組み込みを行います。SDGsへの取り組みは、専門の部署だけでなくなるべく多くの部門が行うのが理想です。なぜなら、それぞれの目標に近い分野を扱う部門で取り組んだ方が、成功の確率が高まるためです。

持続可能な目標の組み込みは、次の手順で行います。

●将来の目標から逆算した短期的な目標を設定する
●目標を分解し、各部署に振り分ける
●各部署内での担当者と具体的な行動を決める




SDGコンパスでは、次のような具体例が紹介されていますので、参考にしてみてください。


出典:SDGコンパス




パートナーシップを検討する


目標を経営に統合するためには、自社内だけで完結するのではなく、パートナーシップを検討することも重要です。なぜなら、SDGsの課題への取り組みは、単独の企業だけでは効果的な対処が難しいためです。

検討すべきパートナーシップは、次の3タイプに分けられます。

●バリューチェーンパートナーシップ
●セクター別イニシアチブ
●多様なステークホルダーによるパートナーシップ

バリューチェーンパートナーシップとは、バリューチェーン内の企業が互いに技術や資源を組み合わせて新たな解決方法を見つけ出すものです。セクター別イニシアチブとは、業界全体の習慣を見直したり、各種の基準を引き上げたりすることで、SDGsに対する効果を期待するパートナーシップのことを指します。そして、多様なステークホルダーによるパートナーシップとは、民間企業だけでなく行政や市民も力を合わせてさまざまな課題に対処するパートナーシップのことです。

パートナーが目指すべきこととして、次のような内容が推奨されています。

●共通の目標の設定
●それぞれのコア・コンピタンスの活用
●プロジェクトにおける政治色の排除
●ガバナンス体制の整備
●モニタリング体制の構築
●今後の資源需要の予測
●ナレッジ・マネジメント手法の確立

自社だけでなくステークホルダーと協力することで、さらに効果的な取り組みを行えます。






SDGコンパス ステップ4に取り組む際の注意点


SDGコンパス ステップ4に取り組む際には、次の2つのポイントに注意しましょう。

●社員が自発的に行動する環境を整える
●パートナーシップはスモールスタートする

それぞれ、詳しく解説します。



社員が自発的に行動する環境を整える


持続可能な目標達成のためには、社員の自発的な行動が欠かせません。なぜなら、社員が「やらされている」と感じるよりも社員が自ら考えて動く方が行動量が増えやすく、目標達成に近づきやすいためです。

また、自発的な行動の方が社員の心理的な負担も減る傾向があります。

自発的な行動を促すためには、上記で紹介した達成度や報酬としてSDGsに対する取り組みを評価する方法以外に、次のような方法があります。

●適切なフィードバックを与える
●SDGsの達成度を目につくところに掲示する
●個人で取り組める目標を設定する


自社に合った方法で、社員が積極的にSDGsに対しての取り組みを行えるよう工夫してください。



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パートナーシップはスモールスタートする


持続的な目標達成のためにパートナーシップは重要です。しかし、パートナーシップを結ぶ際には、いきなり大きく始めるのではなくスモールスタートにするのがおすすめです。

スモールスタートの方法としては、いきなり複数社とパートナーシップを結ぶのではなく、1社とのパートナーシップから始める、規模の小さい目標から取り組みを始めるなどのやり方があります。

パートナーシップを大きく始めてしまうと、やることが多すぎて全てに手が回らなかったり、パートナーシップ関連の業務に忙殺されてしまったりする可能性があります。

スモールスタートなら、できることから少しずつ着実に取り組めます。また、万が一失敗してしまった場合でも、ダメージが少なくて済み、立て直しがしやすいです。

そのため、パートナーシップを結ぶときには、小さく始めて大きく育てるようにしましょう。







SDGコンパス ステップ4で目標を経営に統合しよう



SDGコンパスのステップ4は、目標を経営に統合するステップです。ステップ3で決めた目標を、実際の業務を実行しながら取り組めるように組み込んでいきましょう。

目標を経営に統合する際には、社員が自発的に持続的な目標達成に取り組めるような工夫が欠かせません。そのためには、意思決定権を持った取締役会の役割が重要です。

また、自社だけでなくステークホルダーとパートナーシップを結ぶと、より効果的な取り組みとなります。パートナーシップを結ぶ際には、スモールスタートから大きく育てていくことを推奨されています。

この記事を参考に、SDGコンパス ステップ4に取り組んでみてください。



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