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2022.04.19

SDGコンパスとは?5つのステップと活用のためのポイントを解説



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SDGコンパス ステップ1

SDGコンパス ステップ2

SDGコンパス ステップ3

SDGコンパス ステップ4

SDGコンパス ステップ5



近年、環境問題や社会問題への取り組みを行っている企業が評価される傾向が見られることから、ビジネスにおいてもSDGsへの関心が高まっています。企業がSDGsに取り組むために活用したいのが、SDGコンパスです。

自社でどんな取り組みを行うべきなのか、具体的にどのように進めればよいのかわからないケースでも、SDGコンパスを活用すれば、進むべき方向が見えてきます。

そこで本記事では、SDGコンパスとは何か、SDGコンパスの5つのステップについて解説します。SDGコンパスを活用する方法についても解説していますので、ぜひご覧ください。

目次

SDGコンパスとは



SDGコンパスとは、GRI(グローバル・レポーティング・イニシアティブ)、UNGC(国連グローバル・コンパクト)、WBCSD(持続可能な発展のための世界経済人会議)の3団体が共同で作成した、SDGsに関する行動指針のことです。企業がSDGsにどのように取り組むべきかが示されています。






SDGコンパスのステップ



SDGコンパスには、戦略を決定・調整するためのサポートとして、次の5ステップが用意されています。

1.SDGsを理解する
2.優先課題を決定する
3.目標を設定する
4.経営へ統合する
5.報告とコミュニケーションを行う

ここでは、それぞれの項目について具体的な内容を紹介します。




|ステップ1 SDGsを理解する


ステップ1は、企業がSDGsについてしっかり理解すること。SDGsを経営に取り入れるためには、まずSDGsとは何かを知らなければなりません。

学習するのは、基本的な事項のほかに、SDGsをビジネスに活用する方法なども含まれます。具体的な学習方法の例としては、次のようなものがあります。

・SDGsに関する資料を読む・動画を見る
・セミナーに参加する
・研修会を行う


自社ではどのような形で取り入れられそうかも意識して、SDGsについて学びましょう。




|ステップ2 優先課題を決定する


ステップ2では、SDGsが事業に与える影響を評価し、優先的に取り組むべき課題を決定します。SDGsには17の目標と169のターゲットがあるため、自社が貢献できるポイントが複数見つかるケースもあるでしょう。

そのため、自社にとって優先度の高い課題を見極めなくてはなりません。優先度の高い課題を見つけるために、まずはSDGsに関する自社の課題をできるだけ多く集めます。

その中から、取り組みを実施しやすく貢献度が高い課題を「優先度が高い課題」として設定しましょう。




|ステップ3 目標を設定する


優先的に取り組む課題が決まったら、次に目標の設定を行います。

SDGコンパスにおいては、「トリプルライン」と呼ばれる経済・環境・社会の3分野をすべて含む目標が望ましいとされています。目標はスローガンのようなものではなく、期間や期限を決め、具体的な数値を用いたものを設定しましょう。

このとき、目標達成度を把握するためのKPIも設定します。

目標を達成するためのアプローチ方法として、「インサイド・アウト・アプローチ」と「アウトサイド・イン・アプローチ」という2種類の方法があります。

インサイド・アウト・アプローチとは、企業の事業や、経営資源を思考の中心に据えながら解決方法を考えるアプローチ方法のこと。一方で「アウトサイド・イン・アプローチ」は、外部にある課題を中心に、必要なことを検討し目標を設定する方法のことです。

SDGコンパスでは、「アウトサイド・イン・アプローチ」で目標を設定するのがよいとされています。なぜなら、アウトサイド・イン・アプローチの方が目標が高くなりやすいためです。

高い目標が設定されると、ちょっとした行動の変化だけでは目標を達成できません。すると、根本的な業務の見直しなど、より大きな効果が期待できる対策が見つかりやすくなります。

目標を外部に公表するかどうかもこの時点で決定しましょう。また、目標そのものだけでなく、それに対してどのようにコミットメントするかもあわせて公表します。


企業が設定した目標の例としては、次のようなものがあります。
・使用電力を2030年までに100%再生可能電力化(花王)
・2030年度末までに女性従業員における管理職比率を男性管理職比率と同等水準に(アサヒ飲料)
・2030年までにグループの店舗運営に伴うCO₂排出量を2013年度比で50%削減(セブン&アイ)




|ステップ4 経営へ統合する


設定した目標は、経営へ統合し達成を目指します。どうしたら目標を達成できるか考え、中核的な事業や企業ガバナンスにSDGsを組み込んでいきましょう。

さらに、中核部分だけでなくできるだけ多くの場面で行動を見直し、目的を追求します。具体的には事業・部門・業務の中で、それぞれSDGsの目標を達成するためにできることを考え、実行する必要があります。

SDGsの目標を達成するためには、経営陣だけでなく一般社員の行動が欠かせません。そのため一般社員にもSDGsのための行動を浸透させる必要があります。ただ指示を出すだけでなく、どうすれば社員が自発的に行動してくれるかを考え、実践してみてください。

また、SDGsでは目標達成のためのパートナーシップも推奨されています。企業はもちろん、行政などとのパートナーシップによって達成できる目標がないか、検討してみてはいかがでしょうか。




|ステップ5 報告とコミュニケーションを行う


SDGコンパスのステップ5は、多くの報告とコミュニケーションです。SDGsでは、実践だけでなく報告も求められています。

SDGコンパスで報告が求められている情報としては、次のようなものがあります。

・優先課題が設定された理由と経緯
・優先されたSDGsの課題に対する目標と進捗
・目標達成のための戦略と実践状況

報告では、正式なレポートである「SDGs達成度報告書」を作成する方法もありますが、WebサイトやSNSの活用を検討するのもよいでしょう。また、定期的にステークホルダーに配布しているものがあれば、そちらに報告を載せることもできます。





SDGコンパスを活用するためのポイント



SDGコンパスを活用するためには、次の3つのポイントがあります。

自社の事業に関連性の強い目標を立てる
社員にSDGsの意義を浸透させる
目標を達成するための具体的な行動を示す

それぞれの項目について、詳しく解説します。




|自社の事業に関連性の強い目標を立てる


SDGsとは「持続可能な開発」のことです。自社の業務と無関係な分野で新たに取り組みを設定すると、そこには無理や無駄が生まれてしまいがちです。

また、自社の業務と関連性の深い取り組みを行うからこそ、効果が大きくなりやすく目標が達成しやすいという面もあります。

できるだけ少ない労力で大きな効果を挙げ、SDGsへの取り組みを「持続可能」なものにするためにも、自社の事業に関わる部分から課題を洗い出し目標を設定しましょう。




|社員にSDGsの意義を浸透させる


SDGコンパスを活用するためには、社員にSDGsの意義を浸透させる必要があります。なぜなら、経営陣だけがSDGsを理解し社員に浸透させようとしたところで、社員一人ひとりの意識が変わらなければ効果が出にくいためです。

上から押し付けただけの目標では社員のモチベーションが上がらず、達成に向けた行動も起こりにくいでしょう。

社員にSDGsを理解する機会を用意し、情報を共有することで理解が広がります。社員がSDGsの本質を理解することで、社員の自発的な行動を促すことにも繋がります。

少しずつでも、社員にSDGsの情報提供ができる場を設けてみてください。





|目標を達成するための具体的な行動を示す


目標を設定しても、結局何をすればよいのかわからないままでは目標は達成できません。社員の意識に訴えかけるだけでなく、具体的な行動内容を示しましょう。

また、KPIを用いて目標達成の度合いを示すことも必要です。具体的な数値を用いて達成度を示すことで、全体の目標達成のために不足している部分が明確になり、次の行動に繋げやすくなります。


    



SDGコンパスは企業がSDGsに取り組むための指針





SDGコンパスとは、企業がSDGsに取り組むための指針のことです。戦略を決定・調整するためのサポートとして、5つのステップが用意されています。

これからSDGsへの取り組みを考えるのであれば、まずはSDGコンパスに従って、SDGsについて知ることから始めてみるのがおすすめです。

本記事で紹介した、SDGコンパス活用のためのポイントを踏まえながら、自社に適した取り組みを考えてみてください。自社だけで取り組むのが難しいと感じる場合は、専門家や相談窓口を設けているコンサルティングファームなどに相談するのもよいでしょう。


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